小学校1年生からできる俳句実践~カルタを用いた指導法①~(岡篤先生)

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作成者:中原 瑞貴 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

本記事は、岡篤先生のメルマガ「教師の基礎技術~846号~852号 創造的にいこう!~俳句実践~」から引用・加筆させていただいたものです。
小学1年生のクラスでもできる、俳句への取り組み方やその際の注意について書かれています。
岡篤先生のメルマガはこちらを参照ください。→http://archive.mag2.com/0001346435/index.htm

また、続編である小学校1年生からできる俳句実践~カルタを用いた指導法②~(岡篤先生)では、カルタを用いた実践の注意点をさらに追加でご紹介しています。また、そちらでは生徒指導的な観点からもこのカルタを用いた実践を紹介しておりますので、あわせてご覧ください。

2 実践内容

■特徴

俳句の実践は、暗誦から鑑賞文、連句など様々な取り組み方があります。これ自体は大きな長所です。俳句実践のことを知り、それに取り組めば、どんどん広がっていくということです。その上、俳句実践の特徴は他にもあります。どのクラスでもできるということです。

■1年生でも

俳句の話をすると、「今年は、低学年の担任なので」という方がいます。私は1年生の担任を5回しています。毎回、俳句に取り組んできました。実感として1年生でも無理なく取り組めると確信しています。あえて6月に俳句作りに取り組んでみたこともありました。きちんと段階をふめば、1年生の6月でもできないことはありませんもちろん、1年生担任特有の配慮は必要です。

■1年生への配慮

俳句づくりは1年生でも充分に可能です。というより、1年らしいほほえましい作品ができます。ただし、無理なく、楽しみながら取り組むためには、それなりの配慮が必要なことも事実です。

■カルタ

色々なことを子どもの様子を確かめながら、ゆっくりすすめていくのはもちろんのことです。その上で、さらに個別に配慮することも出てきます。私が感じたのは、カルタの力の差の大きさです。どの学年でも強い子はいるものです。その逆に弱い子がいるのも当然です。しかし、1年生の場合、その差が特別大きいのです。

■組み合わせ方の工夫

カルタは基本的に2人組でやることにしています。勝負の結果で席を移動して、強い子は強い同士で当たるようにしています。これは、1番強い席(現在の教室なら窓際の1番前)をはっきりさせて、そこを目指す意欲を引き出す、という面があります。実は、それより重要なことがあります。弱い子への配慮です。

■せっかくゲームをしてるのに

ずっと同じ子とやっていると弱い子は負け続けます。多少頑張っても本当に強い子の隣になったり、カルタがとても苦手な子だったりすると勝負が一方的になってしまいます。教科書の内容でもないことをわざわざやっているのです。
それも、ゲームをせっかくやっているのです。負け続けて面白くないという子が出てきては残念です。

■弱い子への配慮

勝負の結果で対戦相手を変えていくのは、弱い子への配慮でもあります。これで、2年生以上なら大抵、勝ったり負けたりになるはずです。少なくとも1枚も取れずに負け続けるということには、まずなりません。ところが、1年生はそうともいえません。

■1年生の力の差

「1年生の学力差が最も大きい」とは、学力研の久保齊氏の言葉です。カルタをしているとそのことをまざまざと感じます。対戦相手を力が同じような子になるように工夫するだけでは足りないのです。1年生の場合、いくら時間をかけても探してるカルタが見つけられない子がいるかもしれません。私の場合、クラスに何人もいました。その子たちが対戦すると全くどちらも取らないままのカルタがたくさん出てくることになってしまいます。

■対戦相手だけでは足りない

いくら対戦相手を調整して、カルタが苦手な子同士があたるようにしても、その2人がある程度の力がないとどちらもとれないという状態が続いてしまいます。
少し待ったら取れるのであれば待つべきです。徐々にスピードは上がっていきます。しかし、少し待ったぐらいでは見つけられない場合、いつまでも待っているわけにはいきません。

■なぜ取れないのか

一方で、次のカルタに進むと、そのペアはいつまでも読んだはずのカルタがいつまでも残っているという状態になってしまいます。取れないのではいくらくり返してもなかなか早くはなっていきません。1回ごとのカルタが練習としても成立していないからです。徐々に意欲を失い、ますます力の差がついてしまいます。カルタは学級経営にも俳句実践にも有効なので、継続させたいところです。ただし、何らかの手立てが必要です。まずは、その子たちがなぜ取れないのかを見極める必要があります。なぜ、その子たちがすばやくカルタを取ることができないのかを観察してみました。

  • 反応が遅い。
  • 文字を見つけることが苦手。
  • 聞く力が弱い。
  • 俳句を思い出すのが遅い。
  • 上五の言葉から、中七を思い出すことができない。

ざっと以上のようなことが見つかりました。順番に検討していきます。

■手立て

  • 反応が遅い。

これは反射神経や運動神経に関わることです。1年生は誕生月によってかなり差がある場合もあります。逆にいえば、時間と練習量が解決する部分でもあります。

  • 文字を見つけることが苦手。

取れない子を見ていると単にカードを見ることと取ることが遅いだけでありません。取るべきカードを見ているのに、視線がそのまま通り過ぎてしまうことがあります。これではいつまでも取れないはずです。ただし、これには強力な解決策があります。絵で探す、ということです。私が使っている「俳聖かるた」は、カラーの絵が取り札には描かれています。「古池や」の句なら蛙の絵を探して見つければよいのです。「それでは、俳句のカルタにならない」と私も思っていたのですが、絵で探すことでカルタ自体に慣れ、いつの間にか、俳句自体でも取れるようになっていくようでした。

3 執筆者プロフィール

岡 篤(おか あつし)先生
 1964年生まれ。神戸市立小学校教諭。「学力の基礎をきたえどの子も伸ばす研究会(略称学力研)」会員。硬筆書写と漢字、俳句の実践に力を入れている。

4 書籍のご紹介

『読み書き計算を豊かな学力へ』2000年

『書きの力を確実につける』2002年

『これならできる!漢字指導法』2002年

『字源・さかのぼりくり返しの漢字指導法』2008年

『教室俳句で言語活動を活性化する』2010年

5 編集後記 

児童によって、俳句が得手か不得手か、苦手な原因は何なのかが違いました。それに対するアプローチ方法をそれぞれ分けることは、苦手を無くしていくことに対してとても有効だと思います。ぜひ、ご活用ください。

この記事には、カルタを用いた実践の注意点をもう数点ご紹介している続編があります。また、そちらでは生徒指導的な観点からもこのカルタを用いた実践を紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
記事はこちら⇒小学校1年生からできる俳句実践~カルタを用いた指導法②~(岡篤先生)
(文責・編集 EDUPEDIA編集部 中原瑞貴)

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