学級を安定させる授業法 小学校算数を例に(石坂陽先生)

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作成者:高木 敏行 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

本記事は、2017年10月7日(土)に石川県女性センターで行われた「第3回 谷和樹&石坂陽 ブレイクスルーセミナー」(NPO法人いしかわ子ども未来ネット 主催)を取材し、編集させていただいたものです。

今回、石坂先生は参加教員を生徒に見立て、小学5年の算数の授業の一場面を実演されました。この授業では、東京書籍「新しい算数 5年上」を用いています。分数と小数の大小比較の問題、規則性の発見の問題がテーマです。学級を安定させる授業の要素とは、どのようなものなのでしょうか。

2 授業実演

以下の背景が黄色の部分は、すべて石坂先生の授業実演中の発言です。
(カッコ内、及び<参加教員>と表示のある場合を除きます。)

    5分の4と0.7はどちらが大きいですか?

    当てはまる等号、不等号を書きなさい。

    どちらを加工しますか?小数ですか?分数ですか?(小数を分数に直しますか、逆ですか?)

    この場合は分数を小数に直しますよね?(注1)

    筆算で(分子を分母で割って)、出来たら持ってきなさい。

    下に筆算を書き、等号と不等号書くんですね。(注1)

(1人目が来て)

    お?一番?

    はい正解!

(2人目が来て)

    はい正解!<注2>

               (中略)

(再び全体に対して)4割る5は0.8

    よって答えが>になった人、手を上げてください。

    式と筆算があり正解した人、二重丸です。

    式と筆算を書いていない人は一重丸です。

    さらにこのようにした人はいませんか?5分の4の下に0.8と書き込んだ人!

    すごいですね!そういう人は三重丸です!

    次は4分の3と0.75です。当てはまる等号、不等号を書きなさい。

    さっきと同じようにできたら持ってきなさい。

              (中略)

    次にいきます。

    先生は次にどんな問題出すと思いますか?

    推測できる人はいますか?

<参加教員>:「仮分数の問題」

    仮分数の問題!とってもいいですね!その問題もあり得ますね!それじゃないけれどもすばらしい!

<参加教員>:「小なりになる問題」

    小なりになる問題、それももちろんありますね

<参加教員>:「割り切れない問題」 

    よく思いついたね!

    じゃあこういう問題できますか?

    はじめ!・・・・

というふうに実際、授業をしています。この中に授業を安定させる要素があります。わかりますか?

 
注1:前の段階で習っているやり方を前提としている。
注2:実際の授業では全員分のノートを見る。

3 学級を安定させる授業の要素

ノートを持ってこさせる

まず、教師のところにノートを持ってこさせるということ。このことには子どもの視点から見ても、教師側の視点から見てもメリットがあります。

子ども側の視点なら、

  • やり方が合っているかどうかの確信がもてる
  • 体を動かせる。(じっと長時間座っていたら嫌ですよね)
  • 合っていると言われると嬉しい

教師側の視点なら、

  • 子どもの到達点を確認できる。
  • 子どもを一人一人確実にほめることができる。

多段階評価する

さらに、私はあえて持ってきた生徒のノートに丸をつけず、ただ「正解」と言いました。なぜそうしたのでしょう?それは後で、丸をたくさん付けさせるためです。

「〇〇だった人、二重丸をつけなさい。」

「〇〇だった人、三重丸をつけなさい。」

という風に、より確実な方法で正解した人が、よりほめられるようにするということです。自分でつけることで、子ども自身も到達度がわかるため、私は丸をつけなかったのです。

中学生や高校生だと二重丸、三重丸というのは幼稚な気がするので、AAやSというように評価を記号化するということが考えられますね。

発問を生徒に予想させる

次の発問や指示を予想させます。ある程度変化のある繰り返しの流れが続いているので、

「次、石坂先生がどんな問題だすか予想してください。」

と聞きます。見通しを持たせる、ということですね。

解き方をわかりやすく説明させる

次は「きまりをみつけて」を例に話します。

長さの等しい棒で正方形を作って並べていくとき、30個の正方形を作るのに棒は何本いるか、ということですね。

問題を読み上げた後の、最初の発問の指示だけで構いません。
自分だったらどういう指示を出すか考えてみて下さい。
私なら、

「解きなさい。その際式や図を描くと良いですね。」と言います。どうしても式や図を書けない人には、

「棒は何本必要か、特定しなさい」と問を変えます。さらに

「頑張れば1年生でもできます。2年生だったら絶対にできるね」

という風にはっぱをかけます。難しく考えなくてもできるよ、ということです。

その後、どうやって解いたか一目でわかるように、解き方をノートに書いて持ってこさせます。10分間ほど持ってくるのを待ってから、前に出て黒板に解き方を書かせ、解き方の発表説明の練習をさせます。

発表の練習をさせるのは、いきなり発表させるのではなく,皆の前できちんと伝わるような発表ができるようにしているのです。発表の質が上がるため、聴く側もより能動的に聴くようになり、授業は安定するのではないか、と思っています。

4 講師紹介

石坂陽(いしざか あきら) 石川県公立小学校教諭、TOSS会員(向山一門次世代事務局、北陸中央事務局、TOSS SUNRISE(石川県河北郡津幡町)代表)(2017年10月7日現在のものです)

5 編集後記

 子どもが学校で過ごす時間のうち大半を占めるのはやはり授業時間。一つ一つの課題をなおざりにせず、教師、一人一人の子ども、学級全体との間での積極的にやりとりのもとに質の高い学習活動を行い続けることが何より大切なのではないでしょうか。石坂先生の講演には、そのための具体的な知恵が詰まっていたと思います。ぜひ参考にしてください。
(取材、編集 EDUPEDIA編集部 高木 敏行)

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