【関西教育フォーラム2017】隂山英男先生インタビュー

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作成者:中澤 歩 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

この記事は、2017年11月26日(日)に京都大学で開催された「関西教育フォーラム2017 AIとともに君はどう生きたいか?~現代の魔法使い・落合陽一と考える21世紀の大学の役割~」後に、登壇者の隂山英男先生(教育クリエイター)にお話しいただいた内容を編集・記事化したものです。

関連記事→【関西教育フォーラム2017】鈴木寛先生インタビュー

関西教育フォーラムについては→こちら

2 インタビュー

本日のフォーラムを終えてのご感想をお聞かせください。

落合陽一という、いま最も「日本の教育」や「社会の未来」を体現している方をお呼びできたので、時代の基本的な構造がものすごく大きく変わってきており、また、変わらなければいけないのだということを感じてもらえたと思います。そういう意味では、私たちの意図をうまく反映できたのではないかと思います。

今後未来はどのように変わっていくと思われますか。

シンギュラリティによってもたらされる「脱近代」では、個別化・個性化といったものが重要になってきます。AIが進歩していくと、ありとあらゆるものが自動化されて、人間の存在価値が下がっていくと感じている人は多いです。これについては、今後さらに考えていかなければならないと思っています。

「個別化」の未来に学校はどう対応していけばよいと思われますか。

難しいところですが、「基礎教育の充実」「発展教育の複線化」が重要だと思います。飛び級をはじめ、様々なコースで学習できるシステムを作っていかなければならないと思います。

学校外の教育が存在感を増してくる中で、画一化し能力を剪定しようとしても、学校教育の中に収まりきらない人は絶対に出てきます。そこに対応していくには、やはり、飛び級のようなコースが必要だと思いますね。

フォーラム内でも話題に上がった、「21世紀に必要な力」はどのような力だと思われますか。

21世紀に限りませんが、「未来をどう構想するのか」ということが大切です。

未来は存在するものとして、「どう乗り切っていくのか」という受け身のとらえ方もあるし、「どうつくっていくのか」という積極的な考え方もあります。

そんな中で、人類はおそらくエネルギーや健康・医療の問題などに対して様々な努力を払っていくことになると思いますし、その可否は未来に大きく関わってくると思います。

参考:The Global Goals(http://www.globalgoals.org/ja/)

未来を構想する力を養うための教育とはどのようなものだとお考えですか。

まず、基礎教育は絶対に必要です。そのうえで、プログラミング教育や英語教育、STEAM教育といった、今後本当に重要になってくるであろうテクノロジーを理解したり活用したりするための学習が必要になってくるでしょう。

学校教育にSTEAM教育の「A」にあたる「アート」を取り入れるのは難しいのでないかと思うのですが、いかがでしょうか。

そんなことはありませんよ。手始めに、図工の時間をとりあえず増やすというだけでもいいと思います。

私も実際に、アートの時間枠を増やしていましたが、その時間は5時間分の算数を3時間で済ませるというような形で捻出していました。つまり、一方を高能力化することによって、他方の高能力化も促していたのです。

最後に一言お願いします。

人類は今でも文明の恩恵を受けていますが、これからの時代、それには今まで以上に多くの努力も必要となってくるでしょう。シンギュラリティの時代が到来すると、富やビッグデータが一部の人たちに集中してしまい、格差が極限まで広がるだろうという予測も為されています。今後社会がどうなっていくのか、注目していきたいですね。

3 プロフィール

隂山英男(Hideo Kageyama)

陰山ラボ代表(教育クリエイター)、NPO法人日本教育再興連盟代表理事

1958年兵庫県生まれ。岡山大学法学部卒。反復学習や規則正しい生活習慣の定着で基礎学力の向上を目指す「陰山メソッド」を確立し、脚光を浴びる。

2003年4月、尾道市立土堂小学校校長に全国公募により就任、2006年4月から2016年まで、立命館大学教授に就任。立命館小学校では、副校長就任後、校長顧問を歴任。現在は、一般財団法人基礎力財団理事長、NPO法人日本教育再興連盟代表理事、徹底反復研究会代表を務める他、全国各地で学力向上アドバイザーを務める。内閣官房教育再生会議委員、文部科学省中央教育審議会委員、大阪府教育委員会教育委員長などを歴任。

(2017年11月26日時点のものです)

コメント
  • 陰山先生×落合氏をライブで見るチャンスを見逃してしまいました。どんなやり取りがあったのか、教えていただきたいです。

  • matui hiroshi (Edupedia編集部) (2/20 23:53)

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