「スーホの白い馬」(光村図書2年国語)板書例と授業の流れ 全時間

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挿絵を中心にして板書


黒板に挿絵を拡大してその周りに板書し、児童も同様に挿絵を真ん中に印刷したプリントを中心にしてキーワードを関連付けています。私の板書と自分の関連付けを上手にミックスさせている児童が半数ぐらいいます。残りの半数は私の板書をうまく取り入れることができませんでした。2年生には少し難しい課題なのかもしれません。何人かの児童は私の板書よりも詳しくまとめてくれているので、児童のプリントの方をアップロードしています。このように挿絵を中心にして板書やノートを書くことについては、下記の記事をご参照ください。

国語のノートを絵を中心にしてまとめさせる

2年生になって「スイミー」「お手紙」に続いて、物語文の3回目の授業でした。

ちなみに筆写は、この物語の結末に対して少し違和感がありますので、そのことについて↓のリンクにそれをまとめてみました。こちらもまた、ご参照ください。

「スーホの白い馬」をどう読むか ~少し尖った読みをしてみました

第一場面


はじめは、スーホーの生い立ちについて考えてみました。「おばあさんとふたりきり」ということで、家族構成が妙ですね。両親がいないという事に関しては、白馬と同じ境遇という事になるかもしれません。挿絵を見ると豊かそうなのですが、「実は貧しい」という話を私が強調したため、下のようになってしまいました。この物語の構図が「貧しい村民vs横暴な絶対権力」となっていることを読み取ってほしかったのですが、やり過ぎたか…

第二場面


「スーホはにこにこしながら、みんなにわけを話しました」という文があり、スーホの白馬に対する心情が書かれており、他の子供がそれを発表して私が板書をしていましたが、下の絵では漏れています。ルールは「先生が黒板に書いたことで、自分が書いていない時には、付け加えてね」と、示していますが、まだ2年生なので抜け落ちています。けっこうこの場面では大切なワードなのだけれど。まあ、仕方ないか・・・。場面のキーワードをプリントに書きこめていない子供は少なからず、います。

第三場面


左下赤字で「スーホと白馬は兄弟、本当の兄弟みたい」と書いています。これはこの子供が事前に書き込み、授業中に発言した言葉です。「物語の記述から一歩踏み込んだことを書くこと・発表すること」ができた子供は、大いに褒めてあげるといいと思います。この子供は授業前にさせるこのプリントへの書き込みで、けっこう完成度が高い作品を作り上げます。ちなみに、今回は宿題でこのプリントへの書き込みをさせました。(授業時間を使って書きこみの時間を確保するのもアリだと思います。)

第四場面


四場面の絵は五場面に食い込む場所に掲載されているため、やや子供が混乱しています。四場面の内容、含まれる言葉はそれほど重要ではない気がします。スーホと白馬の成長を感じてくれればそれでいいかなと思っていましたが、誰もそれについては発言しませんでした(-_-;)。

第五場面


授業では、スーホが「かっとなって、むちゅうで言い返した」ことがダメだという発言があり、ちょっと焦りました。日頃から「かっとなったらダメ、落ち着いて考えよう」と話している学級経営の成果と言えるかもしれません(笑)。授業を通して、この物語を「スーホと白馬の兄弟愛」という見方をするように誘導しています。「かっとなる」スーホの心情(=白馬をとられたくない)を理解するように持っていきました。かっとなった理由を「約束が違う、嫁をよこせ!!!」と捉える子供はいませんでした(笑)。

第六場面


2人分のプリントを掲載してみました↓。キーワードを拾うように指示していますが、下の子供はけっこう長く文を引用して丸々書き込んでいます。「キーワードでいいよ」と言ってあげているのだけれど、こんな真面目な子供もいます。
「大すきなスーホ」の所に帰るための白馬の激走であったことが読み取れればよいかと思います。

第七場面


スーホと白馬の愛情が「はねおきて、かけて」「大すきなスーホのところへ帰ってきた」などに表れています。下の子供は文中にはない「なでてやる」を、絵を見て書き込んでいます。それもOKだと思います。

第八場面


「スーホはどこへ行くときもこの馬頭琴をもっていきました」という記述があります。深い悲しみの中に残る「愛」を子供たちはどれくらい感じているのかなと思います。ハッピーエンドと読み違えると困るので、「めでたしめでたし、ですか?」と問いかけるとさすがに、「いや、さすがにそれは違うと思います」と返ってきました。

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