GIGAスクール時代のプログラミング教育に挑戦!相模原市立小山小学校 遠隔×プログラミング公開授業(相模原市教育委員会教育センター)

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作成者:徳田 美妃 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

この記事は、2020年11月12日に行われた、相模原市教育委員会教育センター主催の公開授業を取材し記事化したものです。この授業は、相模原市立小山小学校の5年生を対象に行われました。テーマを「海外に送った機械を遠隔プログラミングでデバッグしよう!」とし、社会科で学ぶ食料生産の発展学習として総合的な学習の時間に行われました。GIGAスクール構想を見据え最先端の技術を用いた画期的な授業となっております。ぜひ最後までご覧ください。

2 相模原市におけるプログラミング教育への取り組み

相模原市では2017年度より小学校全校でのプログラミング教育を開始し、小中系統的な視点からその取り組みを行ってきました。全国の小学校でプログラミング教育が必修化された今年度(2020年度)は、「第2次相模原市教育振興計画[※1]」にプログラミング教育を通した情報活用能力の育成[※2]を位置づけ、昨年度(2019年度)末に策定した「相模原プログラミングプラン[※3]」のもと、小中学校全学年での授業実践に挑戦しています。 また、現在全国で進められているGIGAスクール構想[※4]の推進についても、現時点で全児童生徒約5万1千台のうち2/3台の端末整備をほぼ終え、残りの1/3も今年度(2020年度)に整備を完了する予定で進めています。(2021年1月29日時点で全児童生徒約5万1千台の端末整備が完了。)1人1台の授業実践はもちろん、生徒会役員選挙のオンライン投票や、遠隔地と繋いだ授業などが始まっています。さらに、オンラインビデオ会議システムを使って授業公開研修をしたり、グループ討論を行う研修をしたりしています。

※1 第2次相模原市教育振興計画
社会情勢の変化や今日的な課題に対応するため、令和2年度から令和9年度までの、相模原市の教育が目指す方向性を明確にするものです。

※2 相模原市の情報活用能力の育成と教育の情報化
相模原市立小中学校等学校の情報化推進ガイドラインを策定し、情報活用能力の育成に努めています。

※3 相模原プログラミングプラン
プログラミング教育で育成する資質・能力を研究で設定し、小中9年間の授業プランを作成しています。

※4 相模原市のGIGAスクール構想の推進について
相模原市のGIGAスクール構想では、主体的・対話的で深い学びを、GIGAスクール構想の実現による環境整備で支えることで、コンピュータを学習に活用する子どもたちを育て、その子どもたちが将来、コンピュータなどのテクノロジーを活用して、社会の問題を解決していく、そのような教育を目指していきます。

令和2年11月12日相模原市公開授業 資料(PDF)より引用)

小学5年生を対象にしたプログラミング教育の授業

「海外に送った機械を遠隔プログラミングでデバッグしよう!」をテーマに探究する課題として「オーストラリアの食糧生産の問題解決」を設定しています。日本と気候条件などの違う国における問題解決をする過程で、情報技術の有用性の概念化をめざした授業となっています。
オーストラリアの農業問題を解決する機械モデルを考えオーストラリアに送付しますが、到着したモデルにプログラムに不具合があることが判明します。授業では、機械モデルのプログラムを教室から遠隔で修正することに挑戦します。今回は全6時限ある授業の5時限目です。
下記に本単元の計画を記載しております。①の時間では、オーストラリアについて調査します。気候条件などから、どのような農業の問題があるのか、社会科の学習経験と比較して考えます。 ②③の時間では、個々で構想した問題解決のアイデアをグループで整理分析し、レゴ®エデュケーション SPIKE™ プライムで具体化します。④の時間では、グループ毎にプレゼンテーションを行います。お互いの提案がオーストラリアの問題を解決しそうか相談し、クラスで1つ、代表の機械モデルを決めます。そして、そのモデルを遠隔地に郵送します。その続きが今回の5時限目となっています。

3 授業内容

めあて、課題の確認

授業の最初に今回の授業のめあてとなっている「プログラミングの体験を通して、テクノロジーによって世界の距離が縮まること、様々な問題を解決できることに気付こう」を確認します。

先生:これまでの授業でもテクノロジーによって世界の距離が縮まっていると感じたかな?
児童:数値化できて面白い、オーストラリアとの距離が1mのように感じた。

オーストラリアと中継して2人のオーストラリアにいる方と児童が挨拶を交わしました。

今回の課題である「送った自動灌水機が目的の動作をするよう、プログラムを修正しよう。」を確認します。土が乾いているときに水をまくポンプの回転数が300回と設定されています。その場合回っている間に雨が降ったとき水浸しになってしまいます。そのようにならないようにプログラムを修正していきます。

児童:雨が降ったときに止まるシステムにしたい。
先生:つまりその場所の天気の様子によって作動するかを判断できる機能が必要だということだよね。

プログラム修正の検討と発表

めあて、課題の確認が終わったあとはプログラムの修正に向けて班で話し合いました。先生から話された機械の説明をもとにプログラムの修正に取り組みました。雨が降ったときを土が湿ったときと考え、シドニーの天気情報と組み合わせて考えていました。

先生は児童の組んだプログラムに対してなぜそのように考えたのか発問することで、組んだ理由を児童自身に考えてもらう活動を施しました。プログラムが一通り出来上がった班から実際にプログラムをオーストラリアに送信して、機械の動きを中継しているテレビから様子をうかがいます。

作ったプログラムの意図を完成した班から紹介していました。その発表を聞き、自分の班のプログラムに活かしていました。他の班がプログラムを送信して試す際にはクラス一丸となって見守り、成功したときには全体で盛り上がりました。

授業のまとめ

機械を意図通り動かすことに成功した班がなぜ動かすことができたのかをクラスで考えてみました。先生が児童へ意見を聞く中で、雨と雪のときを除外してプログラムを組めたことが成功の要因であることをクラス全体で確認しました。
最後に、惑星探査機はやぶさ2のカプセルが12月にオーストラリアの砂漠へ着地して帰還する予定である(2020年11月現在)ことを伝えました。コンピューターを使うことで世界の距離が縮まること、そして身近にある技術でも使われていること、これからは児童がこれらの技術を活用しながら今回の授業のような課題を解決していくことをお話しました。

4 編集後記

今回プログラミング教育の授業を取材してGIGAスクール時代が近づいていることを改めて考える授業でした。プログラミングを学ぶだけでなく、オーストラリアへプログラムを送信する流れまで組み込まれていて、これからより多く使われてくる情報通信技術を間近に感じることことができたと思います。今後よりこのような授業が様々な学校で展開されることを楽しみにしています。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 徳田美妃)

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