この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「小学校理科の観 察,実験の手引き」を掲載させていただいております。ここから指導案もダウンロードできます。添付ファイル
【単元のねらい】
身近な昆虫や植物について興味・関心をもって追究する活動を通して,昆虫や植物の成長過程と体のつくりを比較する能力を育てるとともに,それらについての理解を図り,生物を愛護する態度を育て,昆虫や植物の成長のきまりや体のつくりについての見方や考え方をもつことができる。
【単元の内容】
身近な昆虫や植物を探したり育てたりして,成長の過程や体のつくりを調べ,それらの成長のきまりや体のつくりについての考えをもつことができるようにする。
ア昆虫の育ち方には一定の順序があり,成虫の体は頭,胸及び腹からできていること。
イ植物の育ち方には一定の順序があり,その体は根,茎及び葉からできていること。
ここでは,昆虫の卵や幼虫を探して,それらを継続して飼育し観察したり,植物を栽培し観察したりする活動を通して,昆虫や植物の育ち方や体のつくりについて追究する。
昆虫の育ち方や体のつくりを調べる際は,児童の身近に見られ,卵や幼虫が探しやすい昆虫を選ぶことが大切である。直接観察を行い,「卵→幼虫→ 蛹さなぎ→成虫」と育つことや,成虫の体が頭,胸,腹の三つの部分からできていて,胸には3対6本のあしがあり,腹はいくつかの節からできていることなどの体のつくりの特徴についてとらえるようにする。また,昆虫の成長の順序については,蛹の時期を経ずに「卵→幼虫→成虫」と変態する昆虫の観察も行い,育ち方に違いがあることもとらえるようにする。
植物の育ち方や体のつくりを調べる際は,栽培が簡単で,身近に見られるもので,夏生一年草の双子葉類を扱うようにする。植物を栽培し,種子から発芽して子葉が出て,葉がしげり,花が咲き,花が果実になった後に個体は枯死することや,植物の体は根,茎及び葉からできていることなどをとらえるようにする。昆虫や植物の体のつくりについては,複数の種類の昆虫又は植物の体のつくりを比較して観察し,共通性があることをとらえるようにする。
なお,本単元を実施する際は,第3学年B(2)「身近な自然の観察」と関連させ,昆虫や植物の成長の状態に合わせて柔軟に展開していくことも考えられる。
【単元の評価基準の設定例】
自然事象への関心・意欲・態度
① 身近な昆虫や植物に興味・関心をもち,進んでそれらの成長のきまりや体のつくりを調べようとしている。
② 身近な昆虫や植物に愛情をもって,探したり育てたりしようとしている。
科学的な思考・表現
① 昆虫同士や植物同士を比較して,差異点や共通点について予想や仮説をもち,表現している。
② 昆虫同士や植物同士を比較して,差異点や共通点を考察し,自分の考えを表現している。
観察・実験の技能
① 昆虫の飼育や植物の栽培をしながら,虫眼鏡などの器具を適切に使って,その活動や成長を観察している。
② 昆虫や植物の体のつくりや育ち方を観察し,その過程や結果を記録している。
自然事象についての知識・理解
① 昆虫の育ち方には一定の順序があり,その体は頭,胸及び腹からできていることを理解している。
② 植物の育ち方には一定の順序があり,その体は根,茎及び葉からできていることを理解している。
本単元における観察、実験例
問題
ホウセンカやヒマワリは,どのように育っていくのだろうか。
観察1
ホウセンカなどを種子から栽培し,成長の順序を継続的に調べる。
見方や考え方
植物の育ち方には一定の順序がある。
問題
植物の体は,どんな部分からできているのだろうか。
観察2
植物の体のつくりを複数比較し,根・茎・葉からできていることを調べる。
見方や考え方
植物の体は,根,茎及び葉からできている。
問題
幼虫は卵から出た後,どのように育ってモンシロチョウになるのだろうか。
観察3
モンシロチョウの卵や幼虫を探して飼育し,成長の順序を継続して調べる。
見方や考え方
昆虫の育ち方には,卵→幼虫→蛹→成虫といった一定の順序がある。
問題
トンボやバッタの幼虫は,モンシロチョウと同じように育つのだろうか。
観察4
変態の仕方が違う昆虫を用意し,育ち方の過程が異なることを調べる。
見方や考え方
昆虫には,蛹の時期を経ないで成虫になるものもある。
問題
バッタやトンボなどの体のつくりは,モンシロチョウと同じなのか。
観察5
昆虫の体のつくりを複数比較して,頭・胸・腹からできていることを調べる。
見方や考え方
昆虫の体は頭,胸及び腹からできている。
【引用元】
文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm
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