1 大人は良き学び手か?
マルカム・ノールズが唱えた成人教育論「P-MARGE」には、「成人は、内容がプラクティカルで、自分の仕事に関連があるなら、自律的に学ぶ」という原則があります。大人は、基本的によき学び手ですが、未成年と同じような学びを求めると、不良学生になりかねません。大人のためのアクティブ・ラーニングを考える際のヒントとなると思います。
〔P-MARGE〕
P:Learners are Practical.(大人の学習者は実利的である)
M:Learner needs Motivation.(大人の学習者は動機を必要とする)
A:Learners are Autonomous.(大人の学習者は自律的である)
R:Learner needs Relevancy.(大人の学習者は関連性を必要とする)
G:Learners are Goal-Oriented.(大人の学習者は目的志向性が高い)
E:Learner has life Experience. (大人の学習者には豊富な人生経験がある)
2 「P-MARGE」とヤドカリ
(株)町田予防衛生研究所は、P-MARGEの日本語版を「ヤドカリ刑事の目標」と示しています。なかなかうまい語呂です。
大人の学習者は・・・
ヤ…役に立つ 仕事に役に立つ内容だと、
ド…動機 教育を受ける動機をしっかり持てる。
カ…解決策 しかも問題を解決する内容であれば
リ…理由 教育を 受ける理由がはっきりする。
ケイ…経験 人生経験豊富で
ジ……自律の しかも自律した大人に、教育後の成果など
モクヒョウ…目標 具体的な目標を提示すると ・・・
学習効果が上がるそうです。
3 高校生の学びと「P-MARGE」
この「P-MARGE」の6項目は大人に限ったことではなく、高等学校等でアクティブ・ラーニングを取り入れた授業づくりにチャレンジする教員にとっても、大切なチェックポイントになるかもしれません。
〔P-MARGE for Senior High School Students〕
P:Students are Practical.(生徒は実利的である)
M:Students needs Motivation.(生徒は学ぶ動機を必要としている)
A:Students are Autonomous.(生徒は自律的である)
R:Students needs Relevancy.(生徒は生活と学びの関連性を必要とする)
G:Students are Goal-Oriented.(生徒は目的志向性が高い)
E:Students has life Experience. (生徒は豊富な学びの経験がある)
生徒は・・・
ヤ・・・自分のキャリア発達に役に立つと納得すれば
ド・・・学びに対する内発的動機を獲得できる。
カ・・・問題解決型の課題が提示されれば、
リ・・・探究活動やグループ学習に取り組む理由が生まれる。
ケイ・・・学び合いや協同学習の経験を積むことによって
ジ・・・自律的に学び続ける姿勢が育ち、
モクヒョウ・・・具体的な目標に、主体的に進んで行けるようになる。
ちょっと強引な感じがしますが、今どきの高校生には、「ちょっとだけ大人扱い」してあげることで、アクティブ・ラーニングがうまく進むのかもしれないのではないでしょうか。
コメント