1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/
2 実践内容
大きな角はどれか
まずは、教科書の挿絵を見て
発問1 アイウエオ、どの魚の口が一番大きいでしょうか。
この絵をみると魚の大きさ、口の関係、角度などいくつかの違いが含まれている。この絵を見て子どもたちは最初、このように判断した。
ア.29人 イ.0人 ウ.0人 エ.6人 オ.0人
イウオを選んだ子はなく、アとエのどちらかという考えだった。そこで
発問2 アとエの口はどちらが大きいか、どうやって調べたらいいと思いますか?
大きく三つの考えが出された。
・魚の口の形に合わせて、はさみで開いてみる。それを比べればいい。
・三角定規を使って調べる。
・薄い紙に絵をうつして、はさみで切り取る。
このように三つの考えが出された。はさみの開き具合で比べるやり方は教科書にも載っていない方法だった。でも確かに比べることができそうである。
魚の口の大きさを調べる方法
指示1 では今から魚の口の大きさを調べてみましょう。どのやり方で調べますか?
A.はさみで調べる。13人
B.三角定規で調べる。2人
C.薄い紙に写し取る。20人
という分布になった。そこで実際に紙を切ったり、紙に定規を当ててみることにした。子どもの活動の様子は
・薄い紙にアとエを写し取り、はさみで切った。広いところであわせたら、アの方が大きいことを見つけた。
・はさみを使った。アの方のはさみは全開だった。
・写し取った2つの魚を、丁寧に切り取っていた。
・魚の口の大きさを重ね合わせて、アの方が余りのあることを見つけた。
発問3 アとエの口はどちらが大きいですか?
調べた後にもう一度考えを尋ねてみると
〈アの方が大きい〉34人
・魚の口の形を紙に書いて、切ってのりで貼ったら、すき間ができた。
・口のところに白い丸があった。アの方がいっぱい出て広がっていた。
・アの方が広さがいっぱいあるからです。
・はさみでやってみたら、アは全開だった。アの白いたまの方が大きい。
このようにほとんどの子が、アが大きいと考えた。
一番大きな角はどれか
角の大きさを比べる授業をした。子どもたちは授業以前に、自分なりの素朴な考えを持っている。子どもの素朴な考えのあいまいな部分にスポットを当てた。子どもは角の大きさについて、こんな誤った考えを持っている場合がある。
・弧の長さが長いほうが角が大きい。
・辺の長さが長いほうが角が大きい。
このあいまいな部分を明らかにするために、次の三つの問題を解いた。
角の大きさの違い
発問1 どちらの角が大きいでしょうか。2つのうちから、大きい角と思う方を選びましょう。

A.はさみの開き具合で比べる。
B.写した紙にとって重ねる。
C.3角定規を組み合わせる。
プリントを配って、上の三つのやり方で調べた。
問題1の間違えやすいところは、弧の大きさである。イの方が弧が大きいので、イが大きく見えるが、よくよく調べてみると、アの方が大きいことに気付いた。
問題2の間違えやすいところは、辺の長さである。辺の長さが長いほど角は大きいと考えがちである。これは見た目にもイが大きいとわかるが、それでもアと答えた子もいた。
問題3の間違えやすいところはこの開き具合、辺の長さである。どちらの要素とも入っているが、これは見た目通りイが大きくなっている。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。

コメント