「めあて」と「がんばる」

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1.1 「めあて」の意味

学期の始めや新年になったときなど、必ずと言っていいぐらい行われるのが、「○○のめあて」を<作る>ことです。

学習のめあてや、活動(委員会、朝運動など)のめあて、生活のめあて等々、その目指すところは様々ですが、なぜ「めあて」を<作る>のか、改めて考えたくなるものに時々お目にかかります。本来の「めあて」の意味を振り返ってみれば、それは、到達目標であり、学期なり年度なりを終えたときに目標を達成できたかどうかが評価できなくてはいけません。

到達度を数値(%)で出す場合もあります。

子どもたちの「めあて」を見ると、「がんばる」という言葉が頻繁に出てきます。 「がんばる」とは、自分の持てる力の上限すれすれ、あるいは、それを少し超えたところで力を出す、ということです。だから、「がんばる」のはたいへんなことなのです。「がんばり続ける」のは、もっとたいへんです。

「がんばる」ことが「めあて」ということは、疲れることが目標、みたいになってしまいますね。それに、がんばっているかどうかは、どうしたらわかるでしょうか。

「めあて」は、「(がんばって)○○できるようにする」ことであるべきです。今できないことを、できるように「がんばる」わけです。これなら、目標にどのくらい到達できたかどうか、評価することができます。

「くじけないでがんばることができる」ことを目標に置くことも、一つの「めあて」と考えることができますが、これも、「がんばる」ことが目標ではありません。

また、同じ目標を掲げても、そこに到達することが、たいへんな努力が必要な子どもと、楽勝な子どもとがいます。ひとり一人にとって、最適な目標を見つけることも大事です。

「めあて」があれば、そこに到達する手段があって、その手段を見つけること、それを実行すること、その結果、「めあて」が実現すること、この流れが、期間を通しての活動として意味のあるものになってきます。 完璧でなくとも、達成感を持たせることで、次のステップに繋げることができます。

1.2 具体的な目標を

 具体的な目標として「めあて」を考えられないと、作って掲示して終わり、になってしまいます。

これまで目にした「めあて」のいくつかを紹介します。

「漢字をがんばる」・・・・・ これでは、評価のしようがありません。

「毎日漢字を1ページ書く」・・・・・ これは、手段。目標は、「習った漢字を正しく書けるようになる」もっと言えば、「適切に使えるようになる」ことですね。→「毎日1ページ練習して、習った漢字を使えるようになる」など

「漢字テストを全部100点にする」・・・・・ 目標は上に同じ。テストの点数は、書けるようになったかどうかの物差しの一つ。→「習った漢字を、テストで全部100点取れるぐらいまで覚える」など

「忘れ物をしない」・・・・・週に何回ぐらい忘れ物をしているのでしょうか。→「忘れ物の回数を、今の半分以下にする。そのために、毎日寝る前に持ち物をチェックするようにする」など

「委員会をがんばる」・・・・・具体的に何をするのでしょうか。

「とにかくがんばる」・・・・・何も言えない…

「毎朝運動場を10周走る」・・・・・具体的でいいですが、目標は何でしょう?体力作り、持久力養成、など。マラソン大会での成績は、この目標の達成度を測る物差しですね。→「去年のマラソン大会の順位より、10番以上速くなる。そのために・・・」となればOK。

「めあて」の書き方は、

* 目標(できれば、目標とした理由も)

* 目標に届くための手段

* 手段をどのように行うかがあるといいと思います。

これらは、誰が見てもわかるような、具体的な書き方でないと、到達を評価できません。

<誰でも客観的に評価できるような表現をする>、ということは、情報教育から見ても大切なことです。

 ここで注意したいことは、到達できたか否か、ということ自体が評価の対象ではない、ということです。自分で決めた目標に、自分なりに努力してたどり着こうとする、その姿勢(がんばり)を、大いに評価してあげたいです。

「よく頑張って、ここまで来られたね。」

と、期間の終わりに、ほめてあげられるといいですね。

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