「話し合い活動」の分析を!

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深まりのある話し合いを

「話し合い」活動は授業の中に必ず位置づけられています。 授業者の授業反省を聞くと、
 (1)子どもたちからいろんな意見が出た
 (2)一生懸命考えていた
 (3)考える力が育ってきた
ということが聞かれます。

しかしながら、私は、どうかな?と感じることがあります。 それは、(3)に対する捉えについてです。
 一言でいうと、大変、雑ではないかということです。

テーマについて、活発な意見が出ることはすばらしいことですが、教師の役割として、その意見から、テーマについての、何が、どう深まったのかという検証が非常に弱いのではないかと思っています。
 様々な意見が出て、それらをすべて受容しながらも、どのように整理し、どこに話し合いの焦点を絞るか、話し合いの落としどころはどこかを明確にすることは教師の重要な役割ではないでしょうか。

話し合い活動では、子どもに任せようとする思いが強かったり、発言の数に満足してしまったりということから、深まりのある話し合い活動まで至っていない気がします。無意識ながらオープンエンドと言う言葉に逃げている部分もあるのかもしれません。

子ども一人一人の意見から次の段階へと”考える視点”を積極的に与える必要があると私は思います。教師はもっともっと話し合いに介入する姿勢が必要であり、話し合い活動の質を具体的に検証することで更なる発展を期待しています。

では、どのような手立てが考えられるでしょうか。 今回は2点について書きます。

A.事実と考え(主張・解釈)を区別し意識させる
  B.考え(主張・解釈・立場)を比較する

A.事実と考え(主張・解釈)を区別し意識させる

 理由や根拠を問うことです。
 国語ならば叙述から、算数は数値や表から、社会は資料や聞き取りからなどをもとにして、それは自分の考えなのか、それとも事実や資料なのかを問うということです。当たり前のことのようですが、意外とこの点が意識されていないのではないでしょうか。それを具体化する道具(例:トゥールミン図式)の活用も必要です。
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B.考え(主張・解釈・立場)を比較する

出された考えを整理し、比較することです。
A の考えに賛成か反対か?B案とC案のどちらか?など自分の立場を明らかにさせることです。発言が難しければ、○×や挙手による意思表示も考えられます。 いずれにしても、クラス全員の子に問い返し、意見を持たせます。ある意味、子どもを考えざるをえない状況へと追い込んでいくことが必要です。

 話し合い活動では、同じような意見でもその根拠を整理すると、他者との僅かな解釈の違いが出てきます。「○ページの~から・・・」という表現の仕方も教えながらも、同じ言葉や事象、数値に目を向けることで、微妙な根拠の違いや解釈の違いに気づくことはよくあります。考えることの手立てを明確にして、考える視点を教えることであると思います。
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(3)「考える力」

 一般的によく「考える力」という言葉を使いますが、「考えること」の中身まで想定している場合は少ないように思われます。考える力を育てるためには、当然、1時間の授業で、単元の中で、何を子どもたちに考えさせるのか具体的に想定していなければなりません。ここが漠然としていないでしょうか?「考える力」を育てる授業は教師自身の「考える」中身の具体的なイメージが鍵!だと思います。

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