立体の体積の発展的な学習として、三角柱や円柱の体積の求め方について考えた。まず大きさのよく似た四角柱と三角柱の容器を見せて、
'この入れ物にジュースを注いで飲みたいんだけれど、どちらの入れ物の方がたくさん入るでしょうか。
見事正解したらこれを励ます。ジュースのペットボトルを取り出した。でも中に入っていたのはただの水。一瞬見ひらいた眼にみるみる失望の色が浮かぶ。それぞれの班に、四角柱と円柱を配り手に取りながら比べた。
重ね合わせると、ちょうどこのような感じになる。
子どもたちは、立体の底面の四角と円を重ねあわせながら思案している。端は四角の方が大きいのだが真ん中は円の方が膨らんでいる。そのため一瞬では判断がしづらい。手にとって触っているうちに「円柱の方が大きいんじゃないのかな」という声が多くなってた。そこで、
カンでいいから〈四角柱〉〈円柱〉のどちらが大きいか教えてください。
〈四角柱〉
- 端の方がはみ出しているところがあるから。
〈円柱〉
- はみ出しているところがあって、四角柱の端がそうだけれどそれよりも大きいと思う。
ほとんどの子が〈円柱〉と考えた。そこで今度は班ごと証拠を探すことにした。算数で証拠というと数値である。子どもたちは立体のあちこちの長さを図り始めた。高さはどちらも同じなのだが底面の形が違う。
今度は四角柱の体積を計算し始めた。四角柱はこれまでの学習のように、縦×横×高さで求めることができる。
証拠を見つけるために班ごと相談してみましょう。
四角柱はこれまでの学習から見通しが持てるのだが、難しいのが円柱である。ここは班のみんなで考えた。
まず四角柱の底面を 縦×横で求めて49c?と出て、あとは高さの10cmをかけて、490立方cmになる。円柱も同じように底面を出す。あと四角柱と同じように、高さの10cmをかけると、502.4立方cmになる。だから円柱の方がいっぱいになる。四角柱の体積を出して円柱の体積を出して、高さが10cmだったので、底面積×10cmにした。四角柱が縦×横をやっていて、まず底面の面積を出している。だから円柱のまず下の面の面積を出して、それに高さをかけて出した。積み木を使って底面積の10段重ねを作った。 底面積×高さをすることで、立体の体積が求められることを確認した。そこで、
ではこの三角柱も入れた場合、誰が一番たくさんのジュースが入るでしょうか。これに正解すると、またまたジュースがもらえます。
今度取り出したのは、本物のジュースである。これを見て子どもたちはがぜんやる気を出した。間違えるともらえないかもしれないので真剣だ。「四角柱の円柱も底面の面積に高さをかけているので、三角形でもそうだろう」という予想を立てた。 そうして、それぞれの体積について計算してみるとやはり円柱が一番たくさんのジュースが入ることが分かった。ごほうびのジュースを飲みながら入れ物の形について考えた。
授業の感想を書こう。
僕は初め見たとき、円柱と四角柱のやつでは四角柱だと思っていて、 計算してみると中がたくさん入っていてびっくりした。その次の三角柱のときは三角だと思っていました。でも、また円柱でした。ちょっと意外だなあと思いました。見た目だけじゃなくて、よく計算しないと分からないなと思いました。
最初は全くわからなかったけれど、円は面積を出せると気づいて、四角柱もそうだから、やったら正解だった。私は5年の時の公式が役立つとは思わなかった。でも使うとすごく便利なことが分かった。
出典:静岡教員サークル シリウス http://homepage1.nifty.com/moritake/index.htm
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