喧嘩の仕方を教える

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少子化の影響もあって、今の子供たちは喧嘩が下手です。関係の悪化が長期化しやすく、集団同士の対立を生んでしまう場合もあります。下手であれば、教えなければ仕方ないのかもしれません。

縦のつながりも薄いので、喧嘩の仲裁も機能しにくくなっていまう。縦のつながりの中で育てば、「もうその辺でやめておけば?」という抑制の声をかける経験ができるに、水平関係が占める率が高い人間関係の中で育った子供は経験不足になりがちです。

いきなりキレて自分の感情を表現しようとする者同士の中では、余計に微妙な人間関係の調整能力が育ちにくいという悪循環に陥ってしまいます。

喧嘩の仕方も教えなくてはなりません。私は以下のように教えています。

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1. 「仲良くなるための喧嘩はやってもいいです。」という子供たちにとって少々意外な原則を打ち出します。ことわざ「雨降って地固まる」を引き合いに出して説明します。

  • たまには喧嘩もいい経験。
  • 思っていることを出し合うきっかけになる
  • 喧嘩した結果、前よりも仲良くなるのであればやる値打ちはある。
  • 喧嘩をしてもいいと言っても、喧嘩にもルールがあることを伝えます。 

 などと補足をしておきます。

2. 「ただし、いきなりキレるのはやめましょう。それはとても恥ずかしいことです。」と、クギを刺しておきます。

  • 怒っていることを上手に相手に伝えます。
  • まず、「そんな言い方やめて」「そんなやりかたは、嫌」と、言葉で怒りを表しましょう。
  • それで伝わらなければ、腕をつかむとか、胸ぐらをつかむとかして、態度で怒りを表しましょう。その間に、周りが助け舟を出しましょう。


3. 「もしも自分の目の前で、2の事態が発生したら、必ず2人の間に入りましょう。」と、仲裁の仕方を教えます。

  • 周りの人は、必ず2人の間に立ちます。どちらか一方につくのはいけません。→「中立」という言葉を教えてもいいですね。
  • 「どうしたの」「落ち着こう」「言い分のあるのはわかるから、普通に話そう」「両方の言い分を聞くからね」などという声かけをしましょう。
  • 2〜3は、ロールプレイングでやらせてもいいですね。


4. やってはならないことがある。言ってはならないことがある。

  • 相手の体を傷つけるような事をしてはいけません。
  • 相手の体に対する悪口や家族に対する悪口を言うのはルール違反です。


5. 引きずらない。

  • 「思い切って自分の怒りを伝えたら、もう後はさっぱりと仲直りができるのが一人前の○年生です。」「いつまでも怒ったり恨んだりするのは、心にも体にも良くないことです。」などと、気持ちを引きずらないように切り替えさせましょう。
  • 仲直りができた時には、思い切り褒めてあげましょう。「お互いが譲り合えて偉いなあ」「我慢ができて立派です」などと声をかける。


6.どうしても、お互いが納得できない、許せないなら
「少しの間、離れていればいいと思います。でも、無視するのはいけないから、最低限の付き合いはして下さい。」「仕返しはしばらくの間禁止します。」「時がたてば、きっとまた仲直りできるものです。」と、最悪の場合はそんな風に励まして様子を見ないといけない場合もあると思います。「もう、今後ずっと一緒に遊ぶな」的な言い回しで済ませるのは、教育上よくないので慎みましょう。仲直りができたり、冷静になれた様子が感じられたりした場合は、ほめてあげればいいと思います。「まだ怒っているの?」などと聞いて、「そうでもない」という答えが聞き出せたら、相手側に「○○君、もう起こっていないみたいだよ」と伝えてあげるとずいぶん違ってくることもあります。

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このような後追い的な対処が必要ないように、できれば予防的に「思いやりのある人間関係」を作っていきたいですね。

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