1.1 ありきたりな目標
今までにどんな学級の目標(学級訓・クラスのめあて)を掲げたことがおありですか?
よく使われる言葉としては
「元気に」「明るく」「楽しく」「笑顔で」「仲良く」・・・
高学年になりさらに気合いが入ると
「最高の」「努力」「幸せ」「We can!」・・・
どれもいい言葉ですよね。前向きで,いいクラスにしたいという思いがこもっていて,ワクワクします。子供たちに「どんな学級にしたいですか」と問いかけて、話し合いを集約しても、だいたい同じような言葉が並びます。
しかし,見方を変えると,あいまいな感じもしますね。
毎年、ありきたりな感じの目標を立てていると、高学年にもなれば飽きがきます。
高学年なら、ちょっとひねって
そこで、子供たちに「どんな学級にしたいですか」とは問いかけず、「どんな学級は嫌ですか?」と、問いかけます。何か、紙に書かせてもいいでしょう。
「こんな学級は嫌だ集」を作り上げます。
例えば、
- 男女の仲が悪いクラス
- 授業中にがやがやしてうるさいクラス
- 失敗を責めるクラス
- 一人ぼっちがいて、さみしそうにしているクラス
- 声が小さくて元気のないクラス
- 給食の用意の遅いクラス
- いつも教室が汚いクラス
- 乱暴な言葉が多いクラス
- 遊びがなくてつまらないクラス
etc・・・
学期初めであれば、昨年度までの悪い傾向を思い出して、いろいろと「嫌」なケースが提案されると思います。これらをクラスみんなで共有していくようにしてみましょう。ベスト10を選んだり、投票をしたりして、「そうそう、これ嫌」というのを強調するのもいいと思います。
重要なものについては学級会の議題として取り上げ、何に気をつけたらいいかを確認し合うのもいいでしょう。年度当初であれば、ポジティブな対応策が出てくると思います。
その上で学級目標は、「ありきたり」になっても構わないと思います。合意形成の過程で、「こんな学級は嫌だ」を共有しておくことは、後に効き目が出てくることもあります。学級目標を掲示するのであれば、その裏に、「こんな学級は嫌だ集」を貼っておいて戒めにするのもいいと思います。
こうして「嫌」を共有しておくと、何かまずいことがあった時、例えば授業中の発言で間違った事を言った子供が責められてしまったときに、「失敗を責めるのはやめようといったじゃない」と、ポジティブな意見が通る基盤作りにもなると思います。「嫌」を合意し共有しておくことによって、教師からの是正ではなく、「みんなの合意」に基づいた是正であれば、より効果的に作用するのではないかと思います。
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