自動車をつくる工業 ~未来を考えた自動車の開発~(社会 指導案)

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目次

1 学んだことを生かして構想し提案する事例

この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。添付ファイル

単元の目標

我が国の自動車工業について,地図や地球儀,資料などを活用して調べたり未来の 自動車を考えたりする活動を通して,それらは国民生活を支える重要な役割を果たし ていることを考えるようにする。

教材

本単元では,日本を代表する自動車工業を取り上げ,そこに従事する人々の工夫や努力を学習することにより,世界的にトップ水準の産業である理由と今後の問題点について学習する。とりわけ,自動車の排出ガスと環境問題は切り離せない問題であり, エコカー減税など国を挙げて取り組んでいることを学ぶことで,自分も自動車会社や国に未来の自動車を提案したいという姿を期待し,この単元を構成した。

主な学習活動

学習活動

  • 自動車工業を数字で見て,世界でもトッ プクラスの産業であることを学習し,調べる意欲を高める。
  • 自分の家の自動車調べ,自動車の中を見る活動から,自動車の作り方に興味をもつ。
  • 自動車の作り方を調べまとめる。
  • 新聞記事からジャストインタイムについて学習する。
  • ハイブリッド車の開発について調べ,まとめる。
  • 自動車と環境問題について調べ,まとめる。
  • 自分が求める未来の車について考え,表現し,自動車会社に提案する。

言語活動に関する指導上の留意点

  • 自動車工業に関する統計数値の 大きさに着目させ,日常生活と 自動車のつながりを例えを入れて発言するように促す。
  • 見たこと,聞いたこと,考えた ことを分けてノートにまとめさせる。
  • 作業工程,人々の努力,工夫を分けて発表させるようにする。
  • 開発に携わった人々の大変な苦労を想像して表現するように促す。
  • プレゼンテーションの「内容や 方法を支援する。
  • 対立する論点を洗い出して話し 合わせるようにする。

【言語活動の充実の工夫】 —未来の車を考えて提案する—

未来の車を考えるに当たり,視点を出し合った。その結果,次の4つの視点について考えていくこととした。
「環境」については,CO2を排出しないだけで なく,CO2を吸い込み,酸素を出す車。「安全」に ついては,人や車の動きを予測して事故が起こる前に知らせてくれる車。お酒を飲んだら動かない車。「便利」ではリニアのような速さで走ったり,水陸 両用だったりと,どれも夢のような話だが,既習を 生かし,現在の自動車会社や消費者の願いが込められた自動車を創造的に考えていた。

話し合いでは「今 は夢かもしれないが,50年前に現在の世の中がこんなになると予想できた人はほとんどいないくらい 発展したのだから,今から50年後には,私たちの考えたような車が開発されているかもしれない。」 「それ以上に車じゃなくてタケコプターのような装 置が開発されているかもしれない」という意見も出るほど,意欲的に表現しようとしていた。

こうして一人一人が表現した自動車をパソコンに 取り込み,「情報の時間」(総合的な学習の時間)に 学習していたパワーポイントでプレゼンテーションし交流することにした。児童は,自分の未来車をセールスするつもりで,よいところをアピールしたりクイズを入れたりして,楽しく聞 いてもらえるよう工夫していた。

発表を通して互いに考えの異なる点も明確になった。車の価格について,安い方がよいか,高くても「環境」「安全」「便利」を考えた車がよいかという点である。この点を焦点化して意見交換したところ,「安い方がよい」という考えでは,「地デジ のテレビを買えない人もいる。誰でも買える値段の車があればよい」や「高いのなら 今のエコカー減税のように国が安くしてあげるとよい」などの意見が出された。

「高 くても…」という考えでは,「地球のことを考えたら一人一人がもっと努力しないといけない」や「交通事故が起こらないなら高くてもいい」と発言するなど,既習内容を踏まえた考えがたくさん出て,個人だけでなく集団の考えが発展していった。


引用元

文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm

添付ファイル

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