健康観察をリレー方式で ~何気ない日常をゲームに変えて楽しむ力~ #教育

1.1 「呼びかける」「訴える」から「仕掛ける」学級指導に

朝の健康観察をリレー式にしてみた。

「健康観察は一人一人が元気かどうか確認する大事な時間だから、精一杯いい声で『はい!』って返事して、みんなも静かに聞こうね。友達が元気かどうかもチェックし合おう!」って4月当初から言い続けてきたけど、なかなか静かにならない。どうもクラスの共同作業になっていない。

どうしても教師対子どもの1対1の確認作業になってしまうのだ。
子どもたちはお互いの体調に関心をもっていないらしい。

そこで、ぼくが「〇〇さん!」って言ったら、出席番号1番の人が「はい!元気です。□□さん」って、次の人の名前を呼ぶリレー形式にして、タイムを測ることにした。

1.2 タイムを測れば楽しくなる

タイムを記録していくと子どもたちはすぐむきになる。
教師が特に煽らなくてもだんだん早くなっていく。

子どもたちも乗ってきて面白くなってきたので、ついでにハンカチ、はなかみの清潔検査も一緒のすることにした。両方とももっていれば、右手にハンカチ、左手にはなかみをもって「はい!」の返事とともに上に上げる。

持っていない時は「はい!元気です。ハンカチを忘れました」みたいにせりふが追加される。忘れてくるとせりふが長くなるので、タイムロスになる。忘れる子がみるみる減って行った。

さらに、子どもたちは「健康観察が始まるまでに机の上にハンカチはなかみを出しておく」という作戦まで考え出し、それがみんなの習慣になった。

1.3 友達の体調への関心

欠席の子がいるとそこでまごついてタイムロスになる。

子どもたちはタイムを伸ばすために、ぼくに「欠席連絡があったときは健康観察の前に知らせてほしい」と提案した。

もちろんOKした。

子どもたちは朝の会が始まるまでに誰がいないかチェックして、教室に入るぼくに確認するようになった。
子どもたちの友達の健康に対する関心も高まって行った。

1.4 「返事」は教育活動成立の第一歩

返事をするっていうのは、自分の名前が呼ばれるまでの自分の自由な意識に一旦急ブレーキをかけて、呼んだ相手に意識を注ぐことで成り立つ作業だ。相手に集中する気持ちが弱ければ、気のない返事になるし、その気がなければ途切れてしまう。

近頃は小学校に上がるまで自由気ままに過ごしている子が多いので、「やりたいことをがまんして意識を集中する」という力が育っていない子が見受けられる。
そうした子どもたちにまずしっかりしつけたいのはこの「返事」だ。
これが全ての教育活動が成り立つ最初の一歩だと考えている。

1.5 全てを楽しむ・作り変える力を育てる

子どもたちはタイムレースというゲームが大好きだ。健康観察簿に記録されるそのタイムを楽しみに毎日心を一つにする。「目標をもって、その達成のために努力し、その達成を喜ぶ」というのはもともと子どもの本質に近いものなんだと思う。

それを引き出すためには「過去の自分たちが目に見える形で記録されている」という環境を作ることが大切になる。

そして、教師がその成長を本気で喜ぶ。最近はさらに別の楽しみ方がはやっている。タイムを当てるのだ。
ぼくが「スタート!」と言ってから最後の子がぼくの名前を呼ぶまでにかかる時間を数えているらしい。健康観察が終わってぼくがタイムを言うまでに静かに「〇秒」とつぶやいている子どもたちがいる。当たると大喜びしている。

何でもないひとつひとつの日常の出来事をこんな風に楽しめたら最高だと思う。

自分たちで工夫してすべてのことを楽しみに変えていく。
そんな子どもたちを増やしていきたいと思っている。

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1 個のコメント

  • 基本を毎回きちんと押さえる。それが教室にルールを行き渡らせる基本ですよね。
    それができれば、あとは子どもたちが自分たちで作り上げていくものだと感じています。

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