春のうた~「ケルルン、クック」を翻訳する

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授業開きの時期に

草野心平氏の「春のうた」光村図書の国語の教科書に長く掲載されています。

たいていの場合、この単元は授業開きをして間もない4月に位置付けられています。冬眠から目覚めたかえるの「ケルルン、クック」というかわいい鳴き声が印象的です。


春のうた~動作をつけて音読
春のうた~「ケルルン、クック」を翻訳する
春のうた~発問例
春のうた(草野心平) ~”ほっ”はどうやって読むか~ (シリウス) 

も、あわせてご参照ください。4月の少し緊張の漂う教室で、ちょっぴし子供たちに詩の中のかえると同じように、期待感を抱かせることができるかもしれません。

「ほっ、うれしいな」などのかえるのつぶやきの行間を読みとらせることと同時に、「ケルルン、クック」をどうとらえるかを子ども達に考えさせるのも面白いです。かえるの気持ちは、「ケルルン、クック」の中にも、込められていると思います。

「ケルルン、クック」は、かえるの言葉だけれど、これを人間の言葉に翻訳してみてください。

と、指示を出します。4年生に「翻訳」は、難しいと思うので、「日本人に対して、英語を日本語に直してあげるようなことだよ。サンキューはありがとう、グッバイはさようなら、っていうふうにね」などと、解説してあげましょう。

「ケルルン、クック」は4回出てくるので、その前後との関連も考えさせながら、ノートやワークシートなどに書かせます。後半の2つは特に分けることはないかもしれません。

1回目と3回目の翻訳がダブルこともあるかもしれないですが、これも「リフレイン」効果として認めていきましょう。

子どもたちは楽しみながら「翻訳」をしますし、特に正解もないので、4月とういう授業開きの時期に子ども達が何でも言える雰囲気を作るためにもいい取り組みだと思います。大喜利大会になってしまわないように注意はしておきましょう。

特に正解はないから、自由に考えて、発表してください。楽しいアイデアを期待しています。ただし、おふざけはいけませんよ。

子ども達から出てきた翻訳の例

「ケルルン、クック」1

ひさしぶりの風だ

ああ、いい気持ち

春が来た

うれしい

あっ、ハスの上にサクラが落ちている

気持ちがいいな

涼しい気分は最高

サクラが飛んできた

ひさしぶりの風だ

春は暖かいな

空気がおいしいな

春の自然はきれいだな

早く水遊びしたいな

「ケルルン、クック」2

ほっ、池がある

他に何かあるかな

何のにおいかな

みつのいいにおい

きれいだ

そうだ、春をさがしに行こう

早く行きたいな

花・土・草のにおいがする

雨上がりのにおいがする

大きな雲が動いている

ああ、すてきだな

ずっと冬眠してたからひさしぶり

いっぱいおいしいものを食べよう

あっ、友だちのケロ子だ

「ケルルン、クック」3・4

ほっ、人が来る

ほっ、花見をしている

今年は何があるかな

早く外で遊ぼう

いい空気だな

1m以上とぶぞ

地上はいいな

最高だな

これから何をしよう

楽しいな

外は楽しいな

いっぱい虫を食べるぞ

春はいいな

いつもの春がもどってきたんだ

春はやっぱりうれしいな

土の中はせまかったな

土の中とは大ちがいだ

やっぱり地上はいいな

地上は広くてうれしいな

また地上で楽しく過ごそう

仲間がいるかな

平和になるように

ちょっと寒いな

ふしぎだな

おもしろいな

あの大きな雲にのぼれたらいいな

今年もがんばるぞ

さあ、散歩でもしようか

今年も平和で楽しくくらすぞ

友だちをたくさん作ろう

池(川)に飛び込むぞ

翻訳した時点でかなり読み取りができた“気分”になります。新学期を迎えた子供たちの気分とリンクする部分もあり、楽しい雰囲気が生まれました。

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