本記事は、高岡昌司先生の作成された「新規採用教員用の研修資料」を掲載させていただいております。
資料はパワーポイントで作成されており、↓下記よりダウンロード可能です。
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下記関連記事も是非ご参照ください。
★教師の心得25 ~職員として、社会人として
1 教職の道へ踏み出すにあたり~これだけはおさえておきたいポイント~
新規採用教職員研修
津山市教育委員会 指導主査 高岡 昌司
教育の格言
凡庸な教師はただしゃべる
少しましな教師は理解させようと説明する
優れた教師は自らやってみせる
偉大な教師は生徒の心に火をつける
(ウィリアム・アーサー・ワード)
教育とは・・・
流水に文字を書くような果てない業である。
だが,それを巌壁に刻むような真剣さで取り組まねばならぬ。 (森 信三)
今求められる教員像とは
高い倫理性と人間的魅力のある教員
「魅力あるとは」
「先生と呼ばれるために必要なこと」
「先生としてやってはならないこと」
確かな指導力のある教員
「教科指導や、専門性を高めるために」
「怒ることと叱ることの違いとは」
社会人としての資質の備わった教員
「社会人として通用する資質、能力とは」
「社会人として知っておくべきマナーとは」
社会人のマナー心得 ~尊敬される教職員になるための基本中の基本~
明るく丁寧なあいさつを!
- いつでも、誰にでも、笑顔で、聞こえる声で
- 相手の方向を向き、相手の顔(目)を見て声をかける
- お辞儀はあいさつの末尾あたりまで頭を下げて
聞く姿勢を正しましょう!(傾聴の心で)
- 相手の顔(目)を見て、話を聞き、返答する
- 腕や足を組んだり、ポケットに手を入れたりする、ながらはNG。
- 話を途中で遮らず、質問は後から。
物の受け渡し方に気持ちを!
- 書類は両手で受け渡す。上下、裏表、使い勝手等、相手から見て正面となるように。無言で渡さず、「お願いします」等の言葉を添える。
- 来客時は椅子から立ち上がって、接遇する。
電話応対の基本マナーABC~ケーススタディ
改めた方が良いところは?
(電話のベルが鳴っている)5コール目で受話器をとった。
A教諭 「もしもし。○○小学校です。」
B保護者「校長先生は、いらっしゃいますか。」
A教諭 「校長先生は、ただいま外出されていて、4時頃戻られる予定です。」
B保護者「わかりました。改めて電話します。」
A教諭 「わかりました。失礼します。」(ガチャ)
応対の参考例
(電話のベルが鳴っている)5コール目で受話器をとった。 ← できれば3コールまででとる。
A教諭 「もしもし。○○小学校です。」←「お待たせいたしました」
← もしもしは×。個人ではない。名前も伝える。
B保護者「校長先生は、いらっしゃいますか。」
A教諭 「校長先生は、ただいま外出されていて、4時頃戻られる予定です。」
← 外部者に対して、校内の者へ敬語は使用しない。
B保護者「わかりました。改めて電話します。」
← 相手の名前や要点を伺い、復唱すること。
A教諭 「わかりました。失礼します。」(ガチャ)
← 相手が電話を切るのを待って、静かに置く。
相手が見えない電話は、応対者の言葉づかいや取次の仕方が学校のすべての印象を決める。学校の窓口としての十分な気遣いや配慮を心がけたい。
年度初めの事前準備
1 新学期までの学級準備等
(1)帳簿類の確認と作成
- 指導要録
- 健康診断表
- 歯の検査表
- 児童名簿
- 出席簿
- 児童連絡網作成
- 児童生徒ゴム印
- 保健調査票
- 学級会計簿作成
(2)教室、昇降口等の環境整備
- ロッカー、靴箱の記名
- 机、いすの確認(数、高さ等)
- 壁面の掲示(教室、廊下)
- テスト、副読本、教材等の購入計画(学年共同、学級単位等)
2 年度当初の指導
(1)学習
- 教科書、指導書の確認
- 年間指導計画、指導内容の確認
- 週案の記入
(2)1日の生活の流れをイメージする
- 登校後
- 業前活動
- 朝の会
- 休み時間
- 給食
- 昼休み
- 清掃
- 帰りの会
(3)その他
- 係活動
- 当番活動
- 代表委員
- 学級園
- 給食当番
- 生活班
- 日記
- 連絡帳
- 個人ロッカーの使い方
- 学習のきまり
- 学年積立
- 学年・学級だより
- 座席の決定(身長、視力、グループを考慮)
子どもとの出会いの演出を!
(1)子どもの顔と名前を覚える
- 座席と子どもの名前を一致させる。
- 子どもの情報整理(特別支援・健康面・知能・学力・家庭環境等)
(2)出会いの言葉を考える
- 自己紹介と質問を受け付ける
- クラスに望むことと指導方針
(3)学校の生活のしくみ・ルール
- 朝から下校までの1日の生活の具体的な動きをイメージして、学級のしくみ・ルールを決める
- 日直の仕事とその順番を決める
- 当番活動と係活動を区別する (動かし方を具体的にイメージ)
(4)授業の準備(最初の1週間で惹きつける指導を)
- 初日から授業を行う
- 授業びらきに工夫を
年度初めのチェックシート
児童・生徒の確認
- 学級名簿
- 児童生徒氏名印
- 名前、誕生日、兄弟姉妹
- 自宅(住所)
- 近所の友達
- 前学年の情報
- 健康・身体の配慮
書類・事務関係
- 出席簿、健康観察簿
- 家庭調査票
- 保健調査票
- 健康診断表(身体・歯)
- 集金袋
- 指導要録
- 教科書・副読本・教材
教室環境
- 教室の掃除
- 机の数、高さの調整
- 掃除道具
- 黒板、小黒板、定規
- ロッカー、下駄箱
- 給食台、AV機器
- ベランダ、廊下
始業式前日のチェックシート
伝える確認
- 子どもの名前を覚える
- 出迎えのメッセージ
- 自己紹介の内容
- 始業式のタイムテーブル
- 連絡帳の内容
- 学校・学年の共通事項
学級のシステムづくり
- 日直の仕事と順番
- 朝・帰りの会の内容
- 給食当番の内容、運営
- 掃除当番の内容、運営
- 宿題の内容、提出方法
- 授業中のルール
配布物等
- 学年・学級通信
- 初日の配布物
- 教科書・副読本
新採用教職員に望むこと!
≪その1 元気・やる気・本気が教育のエネルギー!≫
○笑顔と情熱が子どものエネルギーとなる。「夢にときめけ、明日にきらめけ!」常に子どものそばで笑ってすごす!本気のアプローチが、子どもの心をつかむ。
≪その2 研修を積み、学び続ける教師であれ!≫
○教育公務員特例法第21条「教師は研究と修養に努めなければならない。」
研究・・・子どもを教育するために 修養・・・自分自身の人格を磨き高めるために
○まずは、「はい、やります」の返事から。謙虚に!素直に!誠実に!
○教育は人なり 子どもは教師が言うようにはしないが、するようにはする。教師の人となりと行動が子どもを感化する!
≪その3 学習指導要領に基づいて授業を組む習慣を!≫
○「学習指導要領」は教師にとって必読書。ブレのない指導力形成への第一歩。
○ 一方的な教え込み指導、教師がべらべらとしゃべる授業では、今求められる「生きる力」は育たない。先輩からアドバイスをもらう。研究授業が力をつける場。
≪その4 記録を残す。本を読む、足を運ぶ。今こそすべきこと! ≫
○ 経験・実践は意図的に積んでこそ力になる。記録をつける、書くことで自分自身を振り返る。客観的に分析する目を養う。板書をデジカメで記録、本を読む、足を運ぶ、自分が動くことで見えてくる。何でもチャンレンジ、失敗か学びのチャンス。
新採用からの3年間が教師としての基礎(土台)を決める!
ここを意識して、授業してみよう!
子どものモデルは教師!
<行動>
いきいき笑顔、きびきび動作
<口調>
明るいトーン、張りのある声
<言葉>
あたたかく、はきはきしたしゃべり
優しい眼差し
子どもを育てる意識!
<認める・誉める>
短く、大量に、テンポよく!
すごい、いいね、なるほど、さすが、その通り、やるな、やっぱり、来たね、よっしゃあ他
<要求する>
奮起の言葉もタイミング!それだけ、10個は無理か、去年はもっと・・・、先生が期待しすぎた・・・他
動きをつけてメリハリを!
<立つー座るー移動>は素早く!!
場面を捉えて、子どもを動かす!
☆「静かにしなさい」と言わずに、静かにさせる。
例「全員起立。一緒に読みます。」「呼ばれたら返事、ぱっと立つ。」「この列起立。前の人から発表します。」
教師の意識で、授業中の雰囲気はガラっと変わる
授業のポイントチェックシート
☆POINT1 授業のテンポが悪い!
⇒ 理由をチェック!
- だらだらと教師がしゃべりすぎる → 要点を短く。同じことを繰り返さない意識を!
- 教師の言葉や動きにメリハリがない → 声の抑揚、話すスピード、身振り手振りを取り入れる
- 「聞く」「話す」「書く」「考える」活動がごちゃごちゃしている → 活動のねらいは? 今、やるべきことは何?
※一度、立ち止まって考えよう。
- 45分間の中に無駄な時間が多い → 限られた時間という意識を!
(例えば,こんなところに目を向けてみては)
○とりかかり(動き)のスピードをアップする
- 班になる
- ノートに書く
- 立ち方座り方
- 列指名や順番指名でテンポよく
- 挙手はピン
- 返事は短く「はい」
- 立つスピード
- 目線や反応、うなずき
○発問や資料提示の工夫
- 簡単な問題はテンポアップ
- 資料提示(隠しながら)
☆POINT2 授業の核(柱)が曖昧!
⇒ 理由をチェック!
- でたとこ勝負で授業を進めている → 本時でやるべきことをキーワードで書き出す。
- 主発問と補助発問の区別がない → 学習の中心内容と関連内容を整理(構造化)しておく。
- 本時で押さえるべき内容が曖昧 → 今日は何がわかればいいのか?
- 教材研究が不足している → 本時は学習指導要領のどこの部分に位置づくのか?
(例えば,こんなところに目を向けてみては)
○本時の「めあて」と「まとめ」を子どもの言葉で書いてみる。
☆POINT3 教師が教えたいこと、やりたいことだけで突っ走る!
⇒ 理由をチェック!
- 自分がしゃべったことで,教えたつもりになっていないか
- 一部の子とのやりとりから,すべての子が理解したと思っていないか
- 指導案の計画通りに、とにかく進めようとしていないか? 子どもの反応は?
(例えば,こんなところに目を向けてみては)
- 発問後、すぐに答えを求めない
- 一人の子の考えを全体に広げる働きかけをする→ A君の意見に、賛成?反対? なぜ、そう思う? 「同じです」で終わらない。
学級をみる視点☆子どもの言葉の使い方 ~ 7つのチェック ~
チェック日: ( )月( )日( )曜日 ( ) 校時 教科・領域( )
□ ① 「はい」という返事を大きな声で言える
□ ② 「です。ます。」と最後まで話せる
□ ③ 相手に聞こえる声で最後まで話せる
□ ④ 相手の目を見て話したり、聞いたりできる
□ ⑤ 質問や確認の言葉を言える
□ ⑥ 訳を添えて自分の意見を言える
□ ⑦ 話型を場合に応じて、意識して使える
<気づいたこと、明日への手立て等自由メモ>
知っておきたい教育専門用語のあれやこれ ~ まずは、自分で調べてみよう! ~
- 学力の3要素
- 生きる力
- パワハラ
- アカウンタビリティ
- QU
- コンプライアンス
- 主幹教諭・指導教諭
- 児童生徒の問題行動等調査
- インクルージョン
- 高機能自閉症
- カウンセリングマインド
- モジュール学習
- 児童虐待
- 認知心理学
- 発達の最近接領域
- 適応指導教室
- 学習指導要領
- キャリア教育
- 食育
- メタ認知
- 授業リフレクション
- カリキュラムマネジメント
- 学校評価
- 割れ窓理論
- 習熟度別指導
- 共同学習(協働学習)
- 学校評議員制度
- アセスメントテスト
- ポートフォリオ評価
- 表現力
- ソーシャルスキル
- 学びの文脈
- PDCAサイクル
- ハザードマップ
- PISA型読解力
- ハインリッヒの法則
- ダブルスタンダード
- プラスのストローク
- 内発的動機づけ
- ルーブリック
- クリティカルシンキング
- 除去食
- 道徳教育推進教師
- 小1プロブレム、中1ギャップ
- 教科書と副読本
- 言語活動の充実
- 262法則
- 通知表と指導要録
- 忘却曲線
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