1.1 相手意識をもって積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成する事例
この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。
単元の目標
未来の車として考案した自分たちのデザインをアピールし合い,クラスの代表作を決める活動を 通して,車のよさを伝える表現や感想を伝える表現に慣れ親しみ,積極的にコミュニケーションを図ろうとする。
教材
本単元は,外国語活動の経験が豊富にある高学年を対象としたものである。「未来に提案する車」 を題材に,そのデザインを考え,そのよさを伝え合う活動を行う。社会科の「わたしたちの生活と工業製品」の単元で自動車工業について学び,社会見学で自動車工場を見学した学習経験を生かすことができる内容である。また,単元の終末には,地域の自動車会社の社員の方を授業に招き,児童のアイデアを聞き助言をいただくとともに,デザイン画を会社の開発部に送付しコメントをいた だく。
主な学習活動
(1)単元の展開(全9時間)
(2)本時の学習
目標
未来の車についてアイデアを伝え合うことを通して,自分の理解の状況を示し,必要に応じて問い返しながら聞いたり,聞き手の理解の状況を確かめ,質問を織り交ぜて話に引き込みながら話したりしようとする。
本時の展開
- ALT の「未来に提案したい車」のモデルアピールを視聴する。
- グループ内で,聞き方・話し方のポイントと英語表現を再確認し,説明の練習をする。
- 聞き手と話し手を前・後半で交代しながら,グループ間で車のアイデアをアピールし合う。
- 前活動を踏まえ,学級全体で未来に提案する車のよいアイデアについて意見交換する。
- 振り返りをする。
【指導事例と学習指導要領との関連】
小学校学習指導要領 第4章外国語活動 第3指導計画の作成と内容の取扱い1(4)「指導内容につい ては,児童の興味・関心にあったものとし,国語科,音楽科,図画工作科などの他教科等で児童が学習 したことを活用するなどの工夫により,指導の効果を高めるようにすること。」と,2(1)ウ「言葉 によらないコミュニケーションの手段もコミュニケーションを支えるものであることを踏まえ,ジェス チャーなどを取り上げ,その役割を理解させるようにすること。」,オ〔コミュニケーションの働きの 例〕として,「(イ)気持ちを伝える」「(ウ)事実を伝える」「(エ)考えや意図を伝える」とを取り 上げて指導するものである。
【言語活動の充実の工夫】
低学年より外国語活動を経験している高学年児童は,外国語を聞いたり話したりすることにかなり慣れ親しんでいる。そのためか,外国語を聞いて分かりたい,自分の思いを外国語で表現し たいという思いが強いようである。そこで,相手意識をもって相手の理解の状況を図りながら話したり,自分の理解の状況を相手に示したりすることが,よりよいコミュニケーションにつなが ることに気付かせるよう,次のような工夫を行った。
グループごとに未来の車のアイデアを交流する
児童は,グループごとに,未来に提案できる自動車のデザインを考え,英語でアイデアを伝え合う。 その後,学級内で最も人気の高いデザインを投票で決める。そのため,児童は,何とかして自分たちのアイデアのよさを仲間に伝えたり,理解したりしようとする。そこで,互いに自分たちのアイデア を理解し合うために,相手意識をもったコミュニケーションの在り方を体感させる。たとえば, 発表する側は,絵や写真,具体物等を指し示しながら,相手の理解の状況を,"OK?"と確認したり,必要に応じて言葉を強調したり,繰り返したり,別の言葉で言い換えたりする。聞く側は 自分が理解できているかどうかを表情や言葉で示し,必要に応じて繰り返しを求めたり,問い返したりしながら聞く。今回の活動では,説明する内容のすべてが,自分たちのオリジナルのアイ デアである。そのため,各児童は相手のアイデアを聞こうとし,また自分のアイデアを理解してもらおうと,相手意識をもって意欲的に言語を使ってコミュニケーションを図っていた。
このように,相手のことを考えながら聞いたり話したりすることで,互いの理解がより深まることに気付かせ,気持ちのよいコミュニケーションを体験させることが,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成につながる。
引用元
文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm
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