命あるものを大切にする心を育てる(坂本哲彦先生)

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はじめに

 
この記事は、坂本哲彦先生が運営されているホームページ「坂本哲彦 道徳・総合の授業づくり」から引用させて頂いたものです。
坂本先生のホームページはこちら→ http://sakamoto.cside.com/

資料

「ヒキガエルとロバ」(徳満哲夫)
出典:『道徳教育推進指導資料(指導の手引き)3 小学校 読み物の資料とその利用 ‐主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること‐』平成5年P.34-37

ねらい

馬の様子を見ていたピエールとアドルフの気持ちを話し合うことを通して、命あるものを守り助けようとする行動のすばらしさ・尊さを感じ取り、生き物を大切にする心情を養うこと。

学習過程

飼ったことのある生き物を発表する。(5分)

【発問1】「今までに飼ったことのある動物、昆虫、魚などを教えてください。」
→動物などへの関心を高めさせましょう。

  • どんどん発表させて、(1)「上手にお世話ができましたか?」等、世話の難しさや、(2)「かわいいですか?」等、感じ方の確認についての問い返しをするだけで、板書します。
  • 「かわいいよねえ」「お世話は結構むずかしいよねえ」程度を押さえたら、「今日は、生き物について考えてみましょう」という課題を提示します。

資料を読み話し合う。(30分)

【発問2】「馬は、ヒキガエルを見てどんなことを考えていたでしょうか?」
→「友達を見るような目でじっと見つづける」に着目して、馬の気持ちを考えさせます。子どもは馬の気持ちを考えているようでも、実際には、馬の姿を借りて、自分の気持ちを考えるようになります。

【予想される児童の反応】

  • 「このまま行けば(ヒキガエルを)ひいてしまう」ので、「ヒヒーン」と一鳴きし、轍を外れて荷車を引いていくことのよさ、すばらしさに気付かせます。身近な動物の命を守る行動のすばらしさに気付かせ、そのよさを感じ取らせます。これがこの授業の一つの学習内容です。
  • その際、このような行動を取っている姿を美しい、尊いと理屈抜きに子どもから(でない場合は教師から)引き出し、「すばらしいねえ」「すごいねえ」とみんなで感じ合うことが大切です。

【発問3】「『いつまでもいつまでもながめていた』ピエールとアドルフは心の中でどんなことを考えていたでしょうか?」
→善を好み、悪を憎むという道徳的心情を確認させる活動です。

【予想される児童の反応】

・馬のすばらしい行動に感動する発言。

・自分たちがいじめたことを後悔する発言。

  • 心情育成には上記の発言のような考えが必要なので、それぞれに「そんなことを考えているということによく気付いたね」「あなたもそう感じますか?」などと返し、それぞれの発言のよさを広げていきます。

感想を書く。(5分)

心情育成を目的としているので、視点を限定せず開いた形で感想をまとめさせる。
(以上 http://sakamoto.cside.com/sakamoto2011/hikigaerutoroba.htmより引用)

編集後記

ペットを飼う人が増えているいま、生き物を大切にする心情を養うことはとても大切だと思います。このような授業なら、子どもたちは楽しみながら自然と命あるものを大切にする心を学べるのではないでしょうか。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 井上頌美)

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