学級づくりの極意(赤坂真二先生)

1 はじめに

本記事は、2013年5月3日にエル・おおさかにて行われた「愛と勇気のチカラ~先生のためのとっておきセミナーIN関西~」における、赤坂真二先生の講演内容を基に作成しました。セミナーに参加できなかった方もぜひご覧ください。セミナーに参加された方も復習を兼ねてご覧いただければ幸いです。

2 集団づくりと生きる力

集団づくりを行う理由は端的に言えば「人間は人間の中で人間になれるから」です。人は人との関わりの中で初めて人間らしさを身につけることが出来ます。「人間らしさ」を身につける過程において、児童がより良い集団の中にいることで、よりよい個が育つのだと考えています。

集団づくりの目的

集団づくりの目的はよく仲の良い人間関係を作ることと誤解されがちですが、仲の良い人間関係を作るのは手段であり、目的とは違います。目的は「1人では解決できない課題を協力しながら解決できるようになること」です。

そのためには、児童1人1人が教室に自分の“居場所”を見つけ、安心して活動に参加できる状態にしておくことが望ましいです。居場所を形成するためには、「学び、集い、癒し」の3要素が満たされなければなりません。その中でも、「学び、癒し」を満たす前提として、まず「集い(児童が自ら参加したくなるような環境)」が必要です。特に、強制的に構成された集団である「学級」においては、注力してその環境をつくらなければならないです。

子供たちは課題解決学習を経験して成長する

近年学校では、課題解決学習に割かれる時間が削減されつつあります。しかし、課題解決学習は、児童にとって集団の中に生きる上で必要な資質を育む絶好の機会です。この機会を活用しない訳にはいきません。しかし、経験不足の子どもにはハードルが高いです。そこで教師は、まず、体験活動(体育祭など)を通じてどのようになりたいかを話し合ったらいいでしょう。その際に教師は、学級がよいチームになるために、以下の点を伝えることが重要です。

  • 認知…意味を伝える
  • 行動…どういった行動パターンが必要か
  • 感情…行動に対する肯定的感情

上記のことを伝えるためにまずは、教師自身が体験活動の魅力を自身の経験を踏まえて児童に分かりやすく伝えることが必要です。ここでいうチームとは、メンバー、概念、ビジョンの3要素を持っている集団のことです。

メンバーは学級なのであるとして、概念(どういった集団なのかという認識)、ビジョン(どういう集団になりたいかという見通し)をきちんと児童と共有する必要があります。

そして、最終的には、教師が児童を引っ張っていくのではなく、児童が主体に活動し、教師は児童の活動をサポートする形になるのが望ましいと言えます。よくカリスマ教師のあとは学級崩壊が起こりやすいと言われがちですが、これはカリスマ教師自らが主体となってクラスをつくりがちであるのが原因と言われています。

3 1対1の時間を確保する重要性

集団指導ばかりしているとどうしても、個人にまで、指導が行き届かないことが多々あるかと思います。そこで、次の方法で児童と個人的に接する時間を設け、信頼関係を築いてみてはいかがでしょうか。

  • 児童が個別指導やグループ学習している時間、一斉指導から解放された時

褒め方

  • 努力をほめる
  • 児童に対し「ここは頑張ったねぇ」「ここめっちゃいいよ」など
  • 図工の時間

そして褒めるのもいいですが、児童にとって最上の喜びは教師自身が児童の作品を見て本気で喜ぶことです。難しい理屈は必要ありません。例えば、児童が虹を見て感動している時に虹の科学的な説明をしたらおそらくドン引きされてしまうでしょう。そんな時は、一緒に並んで「きれいだね」と言えばいいのです。あるいは児童が「カレーおいしいね」と言っている時には、教師も「おいしいな」と言ったら自然と信頼関係は築けるのです。つまり教師と児童にとって「向かい合う関係も大事だが、横に並ぶ関係も大事だ」ということです。

定期的に個人と話す機会を設ける

また、信頼関係を築く方法としては、定期的に個人と話す機会を設けることも有効です。この方法を導入する時は、児童が面倒だと思うことも想定されますので、予め児童に「先生みんなと知り合ったけど、1回も話せていない人がいないか不安です。でもこのクラスのみんなのことを知りたいから話してもいい?」と合意を得る方がいいでしょう。

場:朝の会、放課後、読書の時間
※休み時間はドッチボールなどの予定が入る恐れがあるので避けたほうが無難です。

話す話題:共通点や相手が優位になれることを探すとよいでしょう。相手が優位になれることを話題にすることでより児童のことを知れるからです。

信頼関係を構築するには、他にも「感謝を伝える」という方法があります。赤坂先生は、B5のノートに児童の名前が書いてあるハンコを押し、感謝することがあったら記入されていました。そして翌日「ありがとう」と一言伝えます。「当たり前のことを当たり前にする」のが児童と信頼関係を築く上で重要です。

具体例(※イメージです。)

Aさん(ハンコ) 掃除を頑張っていた。
Bさん(ハンコ) 授業中積極的に発言した。
Cさん(ハンコ) 休み時間に先生の手伝いをしてくれた。





Zさん(ハンコ) 筆箱を忘れた友達に貸してあげた。

その他の信頼を得る方法

  • 当たり前の積み重ね
  • 視線を合わせる(意図的に)
  • 近づいて声をかける
  • にっこり笑って一言
  • 名前を読んでありがとう

4 最後に

プロとアマチュアの違いって何だと思いますか?アマチュアはミスが無いように進行しようとします。でもプロはあえてミスを起こしそのミスを乗り越えることで児童が成長するように促します。皆さんもご自身が進行される時にあえてミスを起こしてみてはいかがでしょうか?児童の成長が見られるかもしれませんよ。

5 講師紹介

赤坂真二先生

上越教育大学教職大学院准教授
主な著書に「スペシャリスト直伝! 学級を最高のチームにする極意」、「「気になる子」がいるクラスがまとまる方法」、「スペシャリスト直伝!学級づくり成功の極意」などがあります。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 大東孝司)

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