1 1.はじめに
この記事は、坂本哲彦先生のホームページ、「坂本哲彦 道徳・総合の授業づくり」から引用・加筆させていただいたものです。
坂本哲彦先生のホームページはこちらです。→@<href{http://sakamoto.cside.com/}
人と別れるときの心構え、人とかかわることのよさについて考えさせます。終業式や卒業式の前日、最後の授業などで応用してみて下さい。
2 2.ねらい
友情の尊さを理解して心から信頼できる友達をもち、互いに励まし合いながら、高め合おうとする態度を養うことをめざします。
3 3.資料
さよならと言えるだけでも、幸せ
またねと言えたら、もっと幸せ
久しぶりねと言えたら、もっともっと幸せ
『がばいばあちゃんの3日日めくり』より
4 4.学習内容
幸せの条件を出し合う
例)めあてをもって生きること、健康、家族、仕事、趣味、円満な人間関係
人と別れるときの心構えについて考える
例)「いずれまた再会できる」「再会まで互いに頑張ろう」
5 5.学習過程
全45分(時間配分は一例です。適宜調整して下さい)
①思い出を発表し合う(10分)
教室の掃除や整理整頓などをみんなでやった後の少し落ち着いた時間に、ゆったりと1年間を振り返ります。道徳ノートや「心のノート」などを開いて話し合ったり、教室に掲示してある「学級の歴史」等を見ながら感想を出し合ったりするのもいいでしょう。
②発問1「『(A)と言えるだけでも、幸せ。(B)と言えたら、もっと幸せ。(C)と言えたら、もっともっと幸せ』のA、B、Cにはどんな言葉が入ると思いますか?自分なりに幸せだと思う内容を発表してください。」(10分)
「さよなら」「またね」「久しぶりね」の部分を( )にして、当てはまる言葉を自由に発表し合います(解答例は先述の「3.資料」参照)。人と交わす挨拶や言葉なら、ほとんど全ての言葉を当てはめることができます。同じ言葉でも順番が違う人もいるでしょう。
心の有り様や人とのつきあい方などについての発言を少し強く繰り返すなどして、学年最後の時期に相応しい授業にしたいところです。お小遣いが多いこととか、いい家に住むことといった、お金に関する発言等はさらっと流しましょう。ユーモアは必要かも知れませんが、脱線は極力避けたいです。
話し合いの最後に、ここでは、がばいばあちゃんの言葉を紹介しましょう、と言って板書します。そして、次の発問です。
③発問2「がばいばあちゃんは、どんな思いからこのように言うのでしょうか?」(15分)
がばいばあちゃんの気持ちについて話し合います。黒板に書き出して、自分たちの学級、あるいは、一人ひとりの子どもの友達関係などについて振り返ることができるようにします。
例)
- 別れるときにはちゃんと「さよなら」と言えることが、実はとっても幸せである。そもそもケンカしていたり、「さよらな」と言えないくらい疎遠な間柄だったりしたら、それは、幸せとは言い難い
- 「またね」っていうのは、次に「また、会いたい」ってことなので、それは、友達の間柄としては幸せ
- 「久しぶりね」と言えるということは、「再び会ったということ」なので、それは、別れたままではないということで、人間関係としてはとっても幸せ
④「久しぶりね」の続きの言葉を書く(10分)
いろいろなまとめ方があるでしょうが、ここでは「自分が再び会いたいなと思っている友達数人を頭に浮かべて、その人の名前は書かずに、『久しぶりね』の後に続く言葉を書きましょう」と投げかけます。久しぶりに会った時期(つまり、会えなかった年月)や会うまでに自分がしたいことや、夢の実現の状況など、自由に設定していいことにします。
最後に、担任として、クラスの子供たちと次に再会するまでに楽しみにしていることなどを話して聞かせて、まとめとしましょう。
6 6.編集後記
「最後」にどんな言葉を子どもたちに語るか。そこには各先生方の教育観が反映されます。
伝えたいことはたくさんあるかもしれませんが、これだけは、というテーマひとつに心を注いで、子どもたちの支えになる言葉を発信できたら素敵ですね。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 青山絵美)
7 7.実践者プロフィール
坂本哲彦(さかもとてつひこ)
山口県山口市立徳佐小学校教頭。1961年生まれ。
山口大学卒業、山口大学大学院修了。山口県内公立小学校教諭、山口大学教育学部附属山口小学校教諭、山口県教育庁指導主事等を経て、現職。
自身の経験を活かして、道徳実践をHP、メルマガで数多く配信している。
坂本哲彦 道徳・総合のページ
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