この物語は、朝日新聞2011年12月3日「助けてくれた日本人よ」の記事を元に教材として書かれたものです。
「自尊感情」とうのは自分の気持ちが作り出すものではなく、周りの人から認められて育つものです。「国を愛する心」もまた同じ。海外の人たちから私たち日本人はどのように見られているか、を知ることで育むことができると考えます。そこでこのような教材を考えてみました。内容は高学年用です。
導入部は、このスライドから入ります。
(発問)この写真は、何をしているところでしょうか?
(話し合い)
(読み①)
平成25年7月22日午前9時15分ごろ、埼玉県の駅で女性が足をすべらせて、電車とホームの間に挟まる、という事故がありました。救助しようとする駅員に力を貸そうと、乗客の人たちが一緒になって電車を押しました。その数約40人。「せーの!」の掛け声に合わせて押すと、重さ約32トンの車両が傾き、女性は助かりました。
(読み②)
幸い女性にけがはなく、電車はたったの8分遅れで発車しました。
とても心温まるニュースですが、これには続きがあります。
このニュースを聞いた外国の記者たちが、次のように表現しています。
- 「駅員や乗客が集団で、英雄的な行動を示した」(イギリス ガーデェアン紙)
- 「イタリア人だったらただ眺めるだけだろう」(イタリア コリエーレ・デラ・セラ)
- 「同様の事故が起きれば、大多数の人はやじうま見物するだけ」(中国 フェニックステレビ)
- 「乗客が力を合わせて救助する感動の写真が話題になっている」(韓国 スポーツ新聞)
- 「どうしてこんなに迅速に乗客が団結できたのだろうか」(ロシア コムソモリスカヤ・プラウダ)
- 「日本の人々が生来の結束力を余すところなく示し、困っている人に助けの手を差し伸べた、素晴らしいニュース」(タイ TNNニュースチャンネル)
- 「日本が、また世界を驚かせた」「とっさにこのような行動ができる日本人は、どのような教育を受けているのか」(フェイスブック)
(発問)
この、イギリスやイタリア、中国などの反応を見てどう思います?
(話し合い)
この後、以下のプリントを配ります。(A4をB4版で印刷)
要約すると、東日本大震災の時、ドイツ人の親子を助けた日本人の物語です。
大筋は事実ですが、一部フィクション(想像)で書きました。
子供たちの反応は以下のようでした。
- 日本人はやさしい
- ここまでやさしくできる日本人はすごい
- 日本人の温かさ
- 日本をこんなに好きでいてくれるのはうれしい
- その日本人は心が広くやさしいと思った
- 日本は温かい国だと思っていましたが、このお話を読んで改めて思いました
- 日本人は思いやりがあると思った
- 外国人を助けるなんてすごい
- 助け合いの心がすごい
- 温かい言葉がいっぱいあった
- 日本人の温かさに感動した
- 当たり前のようにやっているのがすごい
- 同じ日本人として本当にうれしかった
- なんとなく日本人として誇らしいと思う
- 避難所の人々に感動した
- 日本人の親切さが表れていると思った
- あらためて日本人と外国人のとの絆が深まった
- 日本人一人一人が本当にやさしくて温かい人だと思った
他にも以下のような正直な反応もありました。
- 私にはできない
- 私なら家族にしかできない
- あせって何もできない
- 自分ならお金をあげたり車を貸したりできないと思う
どれも人の思いをよく表しています。正直に語ってくれたことに感謝しました。
私自身、この記事を読んだとき、熱いものがこみ上げてきました。辛い出来事の中にもわずかな光が見え、日本人の心の強さとしなやかさを改めて感じました。
日本の子供達の自尊感情は、アメリカ、中国、韓国と比べてダントツに低い状態です。私たちはもっと日本の良さを理解させ、胸を張って世界に羽ばたける子供を育てるべきです。その思いでこの教材を作りました。よかったら使ってみてください。そして、何か手ごたえがありましたらコメントよろしくお願いします。
※クラスの実態に応じて編集、加除、修正していただいても構いません。
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