自然から学ぶ!自分の考えを資料選択に生かす道徳学習(坂本哲彦先生)

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目次

1 【はじめに】

この記事は、坂本哲彦先生が運営されているホームページ「坂本哲彦 道徳・総合の授業づくり」から引用させて頂いたものです。
坂本哲彦先生のホームページはこちらとなります。→ http://p.tl/a-TK-

2 【授業の狙い】

自然のはかなさ・偉大さに改めて気付き、自然環境を大切にしようとする心情と態度を養う。

3 【概要】

対象

小学校高学年

資料

『尾瀬を守って』(文渓堂5年 神戸淳吉 作)
 →「みんなに呼びかけ、最後まで取り組む」ことの素晴らしさを学ぶことが出来る。 

『一ふみ十年』 (東書5年 吉藤一郎 作)
 →「自分の問題として、身近なできることに取り組む」ことの良さを学ぶことが出来る。

以上の2つの資料は、下記のURLより取得することが出来ます。
http://sakamoto.cside.com/sakamoto/dou-shizen/99dou_shizen_shiryo.PDF

ワンポイント

この実践では、2つの資料を使用している。
「尾瀬を守って」の長靖が「行政や多くの人間が力を合わせること」の大切さを訴えているのに対して、「一ふみ十年」の勇は「一人一人の小さな行動の積み重ね」の大切さを教えている。
それぞれの資料のよさを教師がどう受け止め子どもに返すかが大切となる。

4 【学習過程】(授業2時間)

1時間目

1.自然を守るために大切なことについて自由に意見を出し合う。(15分)

≪発問≫「自然を守るために大切な行動・心はどんなことでしょうか。普段の生活や創造の森での体験活動などを思い出して、意見を出し合いましょう。」

キーワードを書き出し似たものを線で結ぶなどした表現物(「心の地図」と読んでいる)を書き、発表する。

①一人一人が気を付けることが大切(人の責任にしない)

②みんなで協力する・呼びかけることが大切

☆ここでは、自然を愛する優しい心と強い意志が必要、などの意見(行為と心情)が出てきた。

2.二つの資料(『尾瀬を守って』『一ふみ十年』)を読み、感想を出しあった後、一人学びをする。(30分)

理由を明確にして発言させると共に、どの意見も傾聴することが重要。

≪発問≫「資料を読んで『心を打たれた行動や言葉』『理由や状況をもう少し考えてみたいと思う場面』などを自由に発表してみましょう。」

発表を模造紙にまとめ「総合や日常生活での自分と比べてどう思いますか」など自己評価を促す。およそ発言が出終わったら「主人公はどんな気持ちからこんなことをしたり、言ったりしたのでしょう」と発問し、先の自己評価とこの課題意識を関連付けさせる。

☆ここでは「それぞれの資料の主人公の気持ちや考えで、もう少し考えてみたいと思うところにネームカードを貼り、行動の理由や動機についてワークシートに書きましょう。」と指示を出した。

2時間目

3.グループごとに主人公の考え等を話し合う。(15分)

※一人一人の考えを読み取り授業に生かすため、3日空け2時間目を実施。

≪発問≫「それぞれの行動や発言の理由を話し合い、考えを深めましょう。」

はじめに同じ資料の同じ場面を選んだ人でグループになって、互いに考えを交流させる。
その後、同じ資料の違う場面、違う資料の人と交流相手を広げて、違う場面や資料の人の場合には時間をかけて話してもらうことにする。

4.最後に、自分の納得した考えをワークシートに書いた後、総合学習や日常生活を振り返って感じていること・考えたことを付け加える。(30分)

自分の生活や総合の実践活動の振り返りのパートとなる。
そのため、日常生活につなげると共に、総合での実践活動の意欲を高めることが目的。

5 編集後記

小学校の頃、私も尾瀬を通して自然について学んだことがあります。
自然という存在はとても大きく、ただ1人では大きな影響を与える事が出来ません。しかし、1人も行動せずにいれば、何も変えることができなくなってしまいます。

1人からでも行動していくことの大切さ、皆に呼びかけて最後まで続けていく大切さ。これらを授業を通して、学んでいってもらえたらと思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 鈴木琢未)

6 実践者プロフィール

坂本哲彦(さかもとてつひこ)
山口県山口市立徳佐小学校教頭。
1961年生まれ。
山口大学卒業、山口大学大学院修了。
山口県内公立小学校教諭、山口大学教育学部附属山口小学校教諭、山口県教育庁指導主事等を経て、現職。
自身の経験を活かして、道徳実践をHP、メルマガで数多く配信している。
坂本哲彦 道徳・総合のページ
http://sakamoto.cside.com/

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