【特集】GoogleEarthならこんなことが出来る!

Google Earthが2005年にリリースされてから約9年になります。「いまさらGoogle Earth?」という声が聞こえてきそうですが、今日は進化を続けるGoogle Earthを教育利用の視点からご紹介します。

Google Earthはご存知の通り、Google社から提供されているデジタル地球儀です。Google Earthを開くと球体状に貼り付けられた世界中の衛星画像を閲覧することができ、衛星画像を閲覧する機能だけでも十分授業で活用できます。また、Google Earthには衛星画像の閲覧機能だけでなく、情報を扱う多くの機能が存在します。社会科の授業では、環境問題、少子高齢化問題、格差社会、人権問題、戦争・紛争など現代社会の複雑な問題を地理科目なら地理的、歴史科目なら歴史的などの観点から教えなければなりません。しかし、Google Earthの機能を使うことで、複雑な社会の情報をうまく生徒に提示有効な手段になる可能性があります。

1 Google Earthにある"ホンモノ"を実感できる大量のデータ

Google Earthはインストールした瞬間、"ホンモノ"を実感できる大量のコンテンツを使うことができます。通常、ソフトウェアとデータ(データ)は別です。Google EarthのようなGISソフトでも、通常、解析用途または背景画像とするベクターデータやラスターデータを収集する必要があります。しかし、Google Earthは全世界の衛星画像・航空写真および地物データを利用することが可能であり、データ収集の労力を必要としません。

地理歴史学習の究極は、資料を読んだり、話を聞いたりすることよりも実際に現地に赴くことかもしれません。現地で見聴きするものには立体的な感覚を得ることができます。それゆえ、フィールドワーク(現地調査)は大変意味のあるものです。しかし、当然のことながら、毎回の授業で現地に赴くことができません。Google Earthの3D表示機能やStreet View機能は、建物の立体表現や地形の起伏を表現することができ、ヨーロッパ独特の伝統的な町並みやエベレストの壮大な山脈、グランドキャニオンの風景を立体的に見せることができます。Google Earthの大量のコンテンツはフィールドワークで得られる「その場所の実感」を限りなく近い形で掴むことができます。

2 Google Earthに上で自分で教材をつくり、世界中の最新教材を使用する

Google Earthは、点・線・面を使った地図への書き込みやラベルの表示、地形図の貼り付け、色の変更などの地図データ作成・編集ができます。Google Earthでのこういった地図の編集作業は、デジタル版の主題図作成でもあります。そして、一度作成した主題図は、GISの標準ファイル形式であるKML形式のファイル(.kmlや.kmz)として保存することができます。

個人で作成した主題図はKMLファイル形式で保存が可能なため他人に提供することができ、インターネット上にアップされている豊富なKMLを教材として使うことができます。つまり、先生が作成した教材を生徒に配布することが可能なだけでなく、インターネット上にある世界中の最新の研究成果を授業で活用可能ということです。OpenTextMapでは、無料で授業に活用可能なコンテンツを取り揃えております。

3 地理だけでなく、幅広い活用の可能性

このOpenTextMapで公開しているGoogle Earthの教材データは、地理以外の教科で活用可能なものも揃っています。Google Earthでは場所の情報だけでなく、時間の情報も扱えるようになっています。歴史要素を扱った教材は、昔起こった出来事の場所情報(位置情報)をGoogle Earthで表現したものです。全文のような使用方法から、「GIS・地図=地理」というこれまでのイメージから脱却し、歴史でもGISの活用の可能性がでてきました。昨年、伊能社中にて開催した地図教材コンテストで優勝した作品は、中学歴史を対象にした源平合戦の勢力や戦場の変遷がわかるものでした(図)。OpenTextMapは、まだまだすべての単元を補完できませんが、近い将来すべての単元の教材を充実させる予定です。

4 Google Earthは最先端のGISソフトウェアのひとつである

Google Earthは、世界で最も一般大衆に利用されているGISソフトウェアです。Google EarthをGISだと知らなくても、簡単に使うことができます。学習指導要領に「地理情報システム」という言葉が明記され、授業での利活用が求められるようになりました。しかし、一般的なGISは値段もハードルも高く、操作や知識が難しいというイメージがあり、なかなか活用されていない現状があります。Google Earthはそういったイメージとかけ離れているためか、誰もが使ったことがあるにも関わらずGISとして意識されていません。実は、Google Earthを知ることはGISを知ることの切り口にもなります。GIS教育にはたくさんの課題がありますが、まずは普段から使用していたGoogle EarthからGIS教育を実践してみるのはどうでしょうか?今後、メルマガではそういった活用ノウハウをお届けする予定です。

5 参考:

電子地図教材共有サービス OpenTextMap (http://www.opentextmap.org) 
古橋大地,渡邉英徳,小山文彦:「Google Earthアプリケーション開発ガイド KML、Earth&API徹底活用」;KADOKAWA/アスキー・メディアワークス,42 / 200pages, 2014年2月
渡邉英徳:講談社現代新書「データを紡いで社会につなぐ〜デジタルアーカイブのつくり方〜」;講談社,272pages,2013年11月

©特定非営利活動法人 伊能社中, CC BY-SA

この記事はNPO法人 伊能社中のメルマガより転載しています。
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