少ない時間で的確な補習を~「補習」落ちこぼしをどうするか(2)

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1 忙しくても

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 職業人は、「忙しい、忙しいから~ができない」と言っていてはいけないと思います。仕事ができないのを時間のせいにするのはよくないことです。しかし、実際、学校が忙しくなってしまい、多忙化が混乱を招き、混乱が多忙化を招く悪循環が続いていることは確かです。

 授業中にすべての児童生徒が理解し、習熟までさせられる教師はなかなかいないと思います。限られた時間の中で多くのカリキュラムをこなさなければならず、どうしても時間不足になってしまっている面は否めません。時間が足らない分を宿題として出しそれをやらない・できない子供が落ちこぼれるのは自己責任というのでは、子供たちもかわいそうです。
 宿題をやってこない子供は、やるだけの力や心の余裕がない場合が多いです。彼らを上手に支援してあげることができれば、宿題をやるだけの能力・やる気をつけてあげることができるかもしれません。

子供達を落ちこぼしてきた責任は、教師側がしっかりと自覚する必要があると思います。学力を保証することは、子供を救い、学校・学級の荒れを防ぐ近道です。
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学力保障 ~学校の荒れを防ぐための最優先事項

「補習」落ちこぼしをどうするか
等をご参考にしてみてください。
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2 短く、さっぱり

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 さて、忙しい中、短い時間で補習をするには、とうすればいいのでしょうか。目的や、長い短いなど、補習にも色々な種類(性質)があると思います。今回は、短く的確に力をつける方法を提案します。

①あまり多くの子供を対象にすると対処できない場合があるので、できれば1~7人程度の少人数制で。
②少人数制にするために、グループに分けておきます。対象の子供の数によりますが、対象の子供が多い場合は、機械的あるいは能力別に分けてシフトを考えておきます。・・・「はい、今日は『○○がんばりグループ』おいで」などと、ささっと集めます。『漢字がんばりグループ』『計算がんばりグループ』『リコーダーがんばりグループ』など、適当に居残りに名前をつけておくといいですね。
③時間を短くすることによって、子供に嫌気を出さないようにしましょう。
④できるまでやらせて、自信をつけさせましょう
スモールステップを意識して、あまり難しいことをさせないようにしましょう。
スピード感・リズム感があると短時間でも効果的です。・・・長考させるとスピード感がなくなるので、時間が長いければ「ワンツースリー、アウト!」

などを、意識してください。休み時間、放課後に5~15分ぐらいをめどに、を集めます。

教師が中心になって、端から順番にあてます。
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【例1】漢字10問で

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このように、プリントに10個の漢字を大きく印刷して(書いてもいいですし、漢字ドリルを使ってもいいです)黒板に張り、10問連続で言えたら終わり。言えなかったら隣の子供とチェンジ。例えば子供Aが「綿雲」が言えなかったら「わたぐも」と教師が教えてAはアウト。子供Bは「比べる」から始めて「綿雲」までいえたら終わり。終わったら、子供Cにチェンジ。・・・
こんな風にすると、全員正解までにそんなに時間はかかりませんし、緊張感も生まれます。
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【例2】小学4年生新出漢字の読みが全部入った文章(1)

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EDUPEDIAで

小学4年生新出漢字の読みが全部入った文章
をダウンロードしてください。印刷して4年漢字居残りチームの全員に渡します。段落①から順番に読ませて、子供Aが段落①を読めたら、段落①に花丸をつけて子供Bは段落②を読みはじめます。子供Aが段落①を読めなかったら、アウト、子供Bが段落①を最初から読みはじめます。こうして順番を回していくことによって、人が読んでいる間も「次は正解しよう」と思ってよく聞くようになります。
全部の段落に花丸がついたら、特大の花丸や「GOOD!」やシールで終わりにしてあげましょう。
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【例3】小学4年生新出漢字の読みが全部入った文章(2)

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4年漢字居残りチームが1人や2人の場合は、1回目は1人(2人なら交代)で最初から最後まで読んで、読めた段落に花丸をつけていきます。2回目からも、最初から最後まで読みますが、花丸がついている段落は読まずにとばします。
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【例4】10の補数を言う

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1~10までのカードを作って教師がめくっていきます。一定のリズムに乗って答えられなければアウトです。アウトになったら次の子供とチェンジです。全部答えられたら握手orハイタッチでバイバイです。ハイタッチは興奮して思い切り力を入れてくる場合がありますので、その時は「失礼でアウト」に処します。
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3 横着をしない → 詰める

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さて、こんな何でもない例を挙げてみました。何をこんな簡単なことをわざわざ文字に起こしているのかとお思いの方もおられるかもしれません。しかし、意外とこんな簡単なこと、短時間でできることをやっていない教師は多いと思います。
こうした簡単なことをまず、時間を作って日々、積み上げることです。

×××プリントをやらせるだけ

×××スピード感がない

×××スモールステップを作らない

×××できるまでやらせることをしない

など、少し横着をしてしまうと、なかなか成果が上がらず、結局は教師も子供もあきらめてしまうことになります。横着をせずに「詰める」ことによって子供たちの伸びはずいぶん違ってくるものです。「職業人」としてあきらめずに、落ちこぼしを少しでもなくすように頑張ってください。

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