1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/
2 実践内容
よい授業、よい学校にするために
よい授業にするために
- 教えるポイントを決めておいて、子どもを見ながら軌道修正をすればよい。
- 授業案を細かく作る必要はない。授業案に縛られてしまう。
- 書写はワークシートの作り方が命。教えるポイントが具現化されているか。
よい学校にするために
- 多くの人に来てもらう、見てもらうこと。そうした機会を積極的に作る。
- いいところを見せようとしないこと。
- 形だけ整えてもだめ。平常を大切にする。
書写ワークシートの作り方
- 実態文字を書かせる。子どもに意識させないで書く。
- 学年配当漢字から、指導要素を含む文字を拾い出す。
- 拾い出した文字で文を作る。
- 指導要素の毛筆用のかご字を作る。
- 文字を書くときに気をつけること(指導内容)を意識させる。
指導の手順
- 硬筆:実態文字を書かかせる。
- 実態文字と手本を比べながら、気をつけるポイント(指導内容)を教える。
- 毛筆:ポイントに気をつけて大きく書く。→大きく書くと違いが見やすい、わかりやすい。「新聞紙に書くと喜ぶ」
- 硬筆:ポイントに気をつけて小さく書く。
- 毛筆:まとめ書き
- 日常化:日常生活の中でポイントを押さえた文字があったら誉める。
書写指導Q&A
Q1 朱墨はどうやって入れたらいいですか
A 指導のポイント(本時なら、右払い)のみに入れる。焦点化させる。最終的に、硬筆につなげるための毛筆指導であるので、予定帳や漢字ノートなど、指導した内容がうまく表れていたら(いいときのみ)認める。これが朱墨と同じことになる。
Q2 清書は何枚書けばいいですか。
A 清書を書くのが目的ではない。作品主義で作品を書くことが目的になってしまう。
Q3 正しい鉛筆の持たせ方はどうしたらいいですか
A 箸を持たせるように鉛筆を2本持たせる。箸は上側(人差し指側)で動かすことを確認して、下側(親指側)の鉛筆を抜く。人差し指と鉛筆をミニ輪ゴムではさむことで人差し指で鉛筆を動かすことがわかる。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
4 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
5 編集後記
小学校の書写指導では、毛筆の書き方で終わってしまうのではなく、それを硬筆の書き方に応用させることで、日常に書く字を整えることが目的です。こちらの記事の手順では、毛筆と硬筆が上手く組み合わさった指導法となっているので、効果が期待できそうです。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 岡本佳菜子)
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