計算の個人差にどう対応するか(シリウス)

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目次

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/

2 実践内容

計算問題で時間差のことが話題になりました。早い子は退屈になってしまう、遅い子には個別指導をしたい、このジレンマをどう解決したらいいか考えてみました。

1.教師の代わりにマルつけをする。

ミニ先生になってマル(〇)つけをする。教師はその間机間指導をする。

2.黒板に問題と解を書かせる。(向山型)

 黒板に答えを書き、解き方が分からない子はその答えを参考にしてもよいことにする。

3.「自分問題」を解かせる。

 計算の形式は同じで、数字だけを変えて問題を作り、自分で解いて待っている。
 例) 全員で解く問題 23+47  → 自分問題 35+13 

4.マルつけは自分でする

 答えを掲示して、自分でマルつけをさせる。その間に個別指導する。

5.解く問題数を選択させる

 10問コース、5問コース、2問コース、1問コースと解く問題数を変える。

6.問題(作成するプリント)を工夫する。

ひっさんの場合
   A列B列C列 どの列までやるか選んでおこなう
 
  A 書いてある     B わくだけ     C なにもなし
  ┌─┬─┬─┐   ┌─┬─┬─┐
  │ │2 │3  │ │  │ │  │     23+35
  ├─┼─┼─┤   ├─┼─┼─┤
  │+│3 │5 │   │+│  │ │
  ├─┼─┼─┤   ├─┼─┼─┤
  │ │5 │8  │ │  │ │  │
  └─┴─┴─┘   └─┴─┴─┘

7.計算お店やさん

 問題づくりを行い、その後、問題を解く(出す)グループでお互いに解き合う。

8.プリント

 全員がやりきらなくてよいプリントを用意しておき、解いて待たせる。
 例)ナンバープレイス、ナンバーリンクなどおもしろ系

3 プロフィール

静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。

4 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

5 編集後記

多くの子どもを同時に教える先生にとって、この問題は誰もが抱えている悩みだと思います。計算ができる子も、できない子も全員が有意義な授業時間を過ごせるような工夫だと思いますのでぜひ参考にしてみてください。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 阿部由和)

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