コーチングアプローチによる意欲のある学級づくり(山田将由先生)

1 はじめに

この記事は、2015年3月30日に文部科学省情報ひろばにて行われた、第1回EDUPEDIAセミナーの山田将由先生による講座内容を、当サイト編集部が編集・加筆したものです。山田先生は「意欲のある学級づくり」をテーマに、コーチングアプローチを使ったワークショップ形式で講義をしてくださいました。以下では、ワークショップの内容とコーチングの考え方について紹介していきます。

2 ワークショップ内容の概要

2-1 『意欲を高める先生』とは?

まず、『意欲を高める先生』とは具体的にどのような先生かを個人で書き出し、4人組8つのチームに分かれて3つの要素に絞りました。

全体的に「褒める」や「認める」というワードが多く挙げられました。また、ポイントとして、「いろいろな子がいるし、全員がコミュニケーションの達人ではない。一人ひとりが輝くような工夫が必要である」とおっしゃっていました。そして、そのためにどんな学級経営をしたらよいのかという点について、具体的に話し合いを進めていきました。

2-2 意欲を高める学級経営

「意欲を高める学級経営」をテーマに2人組を作り、以下の内容について1組30秒で交代しながらシェアを行いました。

1. 意欲を高める教師として、自分は何点か?(5点満点)
  2. 学級経営でうまくいっていること、うまくいっていないこと。
  3. 4月の末までに何点を目指すか。目指す点数のために何ができるか。
→「4月末までに⚪︎点から⚪︎点にアップさせます。そのために⭐︎をします。」

シェアをした後には、以下の中で1つだけ質問をしていきました。

* A「なぜその目標なのですか?」
  * B「その先には何がありますか?」
  * C「はじめの一歩は?」

最後は「応援しています!!!」と言って終了です。

3、コーチングの基本的な考え方

大前提として「答えはその人の中にある」という考え方があります。やる気を高める方法に正解があるわけではありません。

3-1 コーチングとは?

望ましい目的に向かって相手の自発的な行動を促進するコミュニケーションスキル。

3-2 コーチングの代表モデル

「振り返り×目標」

今回のワークショップのように、振り返り、目標を立て、シェアし合うことが代表的なコーチングアプローチです。

3-3 コーチングプロセス

  1. Theme(テーマ設定)
  2. どうなりたいのか(理想設定)
  3. うまくいっていること
  4. うまくいってないこと(現状把握)
  5. どうしたらいいか(アイデア)
  6. 最初の一歩(行動・宣言)

 ポイント①考え方が大事

前提として、人は「人の話を聞かない性質」があります。そのため、子どもたちに「聞かせる」のではなく「考えさせる」ことで、自発的な行動に繋げていくことができます。

 ポイント②自ら考える機会を設定する

「自分で考える」ことで、以下の3つの効果が得られます。

1. 思考が整理される+気づき
  2. アイデアが生まれる
  3. やってみたくなる
→オートクライン(自己説得)
※自分で話した言葉が自分自身に作用すること。

例1:宿題
・宿題をすることで次のような力がつきます。
→宿題をするとどのような力がつきますか?

例2:運動会
・運動会の目的は3つあります。
→なぜ学校では運動会があるのでしょうか?

以上の例のように、ただ教えるだけではなく、子どもたちに考えさせることで自発的な行動へ繋がっていきます。

 オートクラインを活用した学級経営

  • 朝会(スケーリング)
  • 整列(なぜ⚪︎⚪︎をしたのでしょう)
  • 学級目標(プロジェクトチーム)
  • トラブル(チェンジポジション)
  • 挙手(最高の自分は)
  • クラスを団結させる(挑戦状)
  • プレゼンテーション(映像化)

 詳しくは、以下で紹介する参考書に記載されております。

 参考書(コーチング、オートクラインの活用について)

『トップ1割の教師が知っている「できるクラス」の育て方』 吉田 忍, 山田 将由 著 学陽書房

 『この1冊ですべてわかる コーチングの基本』コーチ・エィ 著, 鈴木 義幸 監修,日本実業出版社

3 まとめ

一人ひとりが輝いてみんなが笑顔になるクラスにするためのコーチングアプローチにおいて、以下の3点がポイントになります。

1. 答えはその人の中にある
  2. 自らかんがること
  3. 考え方・引き出す問

4 講師インタビュー

 Q.今回ワークショップ形式で講義をされた意図は? 

今回は、実際に動いたり話したりしながらコーチングアプローチを体験してもらうことで、最後まで集中力を高めながら講義に参加できるように工夫しました。また、実際に自分の目標を人に伝えることで「宣言効果」(ある目標を達成するために、あらかじめ周囲に目標を宣言すると成功率が上がること)を狙っていました。

5 講師紹介

山田 将由(やまだ まさよし)
JUT全国大会優勝。野口芳宏先生、陰山英男先生、西川純先生、齋藤孝先生、土作彰先生等、一流の教育者に学び、ミニネタ、徹底反復、ワークショップ型授業、コーチングを取り入れた、簡単で効果のある楽しい教育メソッドを日々深めている。近年は全国10を超えるセミナーに登壇。共著に「学級あそびベスト100」(ナツメ社)など多数。

6 編集後記

実際に山田先生のコーチングアプローチを通して自分自身を振り返り、目標を宣言することで、参加された教師の皆様から自ら行動に移そうという意識が伝わってきました。子どもたちに対しても、教師が一方的に物事を教えるのではなく、「子どもたちが自ら考え、答えを見つける手助けをする」というコーチングの視点が大切であると感じました。
(文責・編集:EDUPEDIA編集部 齋藤千秋)

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