1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/
2 実践内容
算数のワンポイントアドバイス
(1)先生に言われたら、すぐに教科書を開き、問題をノートに写します。
算数が出来ない子は「算数が出来ない」というより「勉強のやり方が出来ていない」場合が多いのです。準備をするまでは、わずかな時間の差です。しかし、このわずかな差が積み重なると、大事な話を聞きのがすなどやり方が分からなくなってしまいます。
(2)数字は1マスに1字書きましょう
マス目の中に数字を書くと、計算の間違いが減ります。筆算の時、桁を間違えなくなります。特に小数点の間違いが減ります。0か6かわからない字も注意です。マスの中に丁寧な字で書きましょう。
(3)算数の時間は、消しゴムを使いません。
問題文の写し間違いや、数字の消し間違いならいいですが、立式や筆算では消しゴムを使わないようにしましょう。筆算をノートの隅にちょこちょこ書いて、消してしまう人はいませんか?これはよくありません。消しゴムを使わないのは、自分がどういう考えをしたのか、どこで間違えたのか後で分かるようにするためです。途中で間違いに気づいたら、×を書いてまたやり直しましょう。
(4)ノートや教科書にいたずら書きをしません。
ノートや教科書にいたずら書きをしていませんか?いたずら書きは、話をよく聞いていない証拠になりますね。教科書の練習問題に○(できた印)、/(間違えた印)のチェックがしてある人は、これから伸びていける人ですよ。
(5)やったテストは、必ず間違い直しをします。
テストが返ってきたときに、間違い直しをしましょう。書いた答えを消しさずに、赤で直します。そうすると、どこでどう間違えたのかが分かり、次から間違えなくなります。
出来そうで出来ない問題
児童が出来そう出来ないであろう問題を黒板に書き出していきます。
(1) 4+2=6
(2) 4m+2(答え無し)→ここで子どもたち(なんだよ!の声)
(3) 4÷2=2
(4) 4m÷2=2m
(5) 4÷2m(答え無し)
(6) 4m÷2m=2
(7) 4×2=8
(8) 4m×2=8m
(9) 4m×2m=8平方m
(3)問目以降、答えに迷う子が続出しましたが、間違えても良いことを伝えながら、発表の多い授業ができました。「○○先生よりおもしれえ」「燃えてくる!」といって、挑戦してくる子どもたちの目が輝いていました。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
4 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
5 編集後記
どんな科目でも、どのようにして児童に初めの一歩を踏み出させてあげるかはとても難しいと思います。基本的な勉強の仕方と、単位の計算の感覚を身につけさせてあげる面白い実践です。苦手だ、つまらない、と思わせない工夫が含まれています。ぜひ参考になさってみて下さい。
(編集・文責 EDUPEDIA編集部 新井 理志)
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