1 はじめに
この実践は環境省「平成26年度 持続可能な地域づくりを担う人材育成事業」内で作成された、ESD環境教育プログラムです。ここから単元計画もダウンロードできます。
2 ESDとは
ESD(Education for Sustainable Development)とは、「持続可能な開発のための教育」という意味で、持続可能な未来や社会づくりのために行動できる人の育成を目的とした教育のことを言います。環境、人権、健康福祉、多文化共生、まちづくりなどの様々なテーマがあります。
3 実践内容
ESDの要素
持続可能な社会づくりの構成概念
- 多様性…通船川は町の中に多様な環境を生みだし、近隣のショッピングセンターや工場には見られないさまざまな生物が生息していることを理解します。
- 相互性…阿賀野川の水量と舟運が港町の反映をもたらしていたことなどを学び、自然と産業は互いに関わり合っていることを理解します。
- 責任性…人間の活動が環境に影響を与えることを学び、環境保全には一人ひとりの考え方や行動が大切であることを理解します。
ESDで育みたい能力・態度
- 【多面】多面的、総合的に考える力
川は産業を生みだし、豊かな自然環境を育むと同時に、洪水や公害などで人間を苦しめることもあることを学びます
- 【伝達】コミュニケーションを行う力
小学校4年生に対する発表の内容・方法と、地域の大人たちに対する発表の内容・方法を考え、対象に応じた伝え方をします
- 【参加】進んで参加する態度
地域を流れる川の現状・課題を理解し、改善のために自らが主体的に行動するきっかけと意欲を育てます。
プログラムの目標
1. 通船川流域における土地利用の変遷を調べ、河川と土地の形状とがかかわりあうことを学ぶ。
2. 通船川の掘り割りや閘門について、その歴史や仕組みを調べ、新潟港の盛衰や舟運を通して河川が産業とかかわっていることを学ぶ。
3. 通船川流域における生物や生息地及び、さまざまな生物の生態を調べ、河川と生物とがかかわりあうことを学ぶ。
4. 授業の中で、児童がファシリテーションの手法を用いることによって、主体的に学ぶ意欲や責任をもって地域に関わろうとする態度を養う。
5. 学んだことを、4年生児童に発表し、4年生が通船川の学習を引き継ごうとする意欲を引き出す。
6. 大人を対象に発表を行い、4年生とは違った伝え方を考え、実践する。
プログラムの概要
学校のすぐ裏を流れる通船川において、川の生物、川の歴史、産業との関わり、水質・環境問題について、5年生が調べ、自分たちが取り組む「マイアクション」とともに発表します。
調べるテーマを決めるとき「マイアクション」を考えるときに、ファシリテーションの手法を児童に用いさせることによって、主体的な学びの意欲と具体的な行動を引き出します。
調べ学習のときには、通船川で活動するNPO、木材関係の企業、行政職員など関係者に協力を求めます。
発表は、4年生向けと保護者や地域の関係者向けの2回に分けて行います。児童は、発表の目的と対象に応じた内容や方法を考えます。
学習指導要領との関連
- 小学校3、4年 国語
- 小学校3、4年 社会
- 小学校4年 理科
- 小学校5年 理科
- 小学校5年 社会
- 小学校6年 理科
プログラム(単元・題材)の展開の流れ(全6時間)
- プログラムのダウンロードはこちらから
引用元
4 編集後記
この実践では、子どもたちにみじかな川を題材にして授業が構成されています。普段なじみあるものを授業に取り入れることにより、より子どもたちの興味を惹くことが出来ると感じました。また、伝達能力を重視した本実践では、一学年下の4年生に加えて、調べ学習に協力してくださった地域の方向けの発表の2回機会を設けることで、より多くの子どもたちが自信をもって発表する機会ができるのではないでしょうか。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 石川瑛士)
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