「ゲームはよいか悪いか?」で、道徳の時間にディベート

41
目次

1 「お題」として面白い

.
道徳の時間に「ゲームはいい?悪い?」というお題でディベートを行ってみました。身近な話題なので、かなり盛り上がって面白かったです。黒板に長い横線を引き、左側を「悪い」、右側を「よい」、真ん中を「どちらとも言えない」にして、自分はどのあたりの感覚か、ネームカードを貼らせてみました。
 「ゲームはよい派」は必死になってゲームのよさを喧伝していましたが、「悪い派」からの冷静な反撃もあって、議論は白熱しました。中立派の意見も興味深かったです。ゲームとの付き合い方に関して考えさせるいい機会になりました。
 参観日などにやってみるのも面白いかもしれません。

ちなみに、私個人は、ゲームは大好きですが、全くやりません。時間がもったいないからです。子供たちがどっぷりとゲームにはまって時間を失ってしまうことにはかなり懸念を感じています。下記の岡田氏の著書などを読んでも、子供に無制限にゲームを与えてしまうような状況は良くないと思います。

2 ディベートを行うにあたって

.
下手をすれば白熱し過ぎて、けんか腰になって暴言を吐くような場合があります。ディベートを行うにあたっては、次のような注意を促すが必要でしょう。
● 論議が過熱し暴論が出始めたときにはた時には発言停止措置をとる。
● 相手の話をまず受け止めて聞く。
● 礼儀の正しい発言をする。
● 話の内容につながりがあるように発言する(つながりがある時は人差し指で1を作って挙手させるのもいいでしょう)。
● 話し合いが円滑に行われることも本時の学習目標の一つであることを知らせる。

ジャッジマンチームを作りました。ジャッジマンは議論には加わらず、中立に採点をします。
① 相手の話をきちんと聞いて発言しているか
② 発言はていねいにできているか
③ 発言の内容にうなずけるか(説得力があるか)
④ チームワークはよかったか
という3つの観点からジャッジをさせました。

3 第一次のまとめ

.
ジャッジの結果とジャッジチームからの感想を聞きました。けっこう公正なジャッジができていました。
最後に教師からひと言、
「よいか悪いかの2つにひとつではないかもしれないですね。よい面もあり、悪い面もあるかもしれません。次の道徳の時間では、ゲームとの付き合い方を話し合ってみましょう。」

授業後には、アンケート(質問は以下の①~⑦)をとりました。①体に悪くないですか?②時間がもったいなくないですか?③暴力的なゲームは心をトゲトゲにしませんか?④人とふれあう遊びが大事ではないですか?⑤ねだんが高すぎませんか⑥現実からはなれていませんか。⑦そのほか思うことはありませんか

4 第2次

.
今度はディベートではなくアンケート結果をもとに、ゲームとの付き合い方についても話をさせました。よい・悪いの一方からの見方ではなく、双方の観点に立ってゲームの功罪について考えるようにさせました。
「1日◎時間と決められている」「勉強した時間だけゲームをさせてもらえる」「親がいる時だけさせてもらえる」「リビングルームでだけやらせてもらえる」「平和的なゲームだけ買ってもらえる」などの制限をかけてやっている例があり、勉強になりました。これらの話し合いの結果を学級通信特別号に載せて、保護者とも共有を図りました。アンケートの結果のお知らせは次の通りです。私自身は、ゲームの功罪は「罪」の方が大きいと思っています。ゲームのやりすぎにならないように、自分をセーブする力を付けてほしいと思っています。

5 第二次に配ったプリント

.
「ゲームばかりをしている子どものことを心配しています(アンケート結果)」

ゲームをやっていると、時間をわすれてしまうほど楽しいですね。あっという間に時間が過ぎてしまいます。次々にみりょくのあるゲームが発売されますね。たくさんゲームを持っている友だちもいます。先生はゲームをすることがただただ悪いとは思いませんが、ゲームばかりしているようでは、ちょっと心配です。
ゲームとうまく付き合っていくというのは、なかなかむずかしいことかもしれません。クラスのみんなの意見は、どうでしょう??アンケートの結果です。これをみて、おうちの人といっしょにもう一度、ゲームについて考えてみてくださいね。

①体に悪くないですか?
・自分はこの4年間、ずっと視力が「A」なので気にしていません。
・目が悪くなる。ね不足になる。
・長い時間は体に悪いと思います。

②時間がもったいなくないですか?
・ひまつぶしでやっているのでもったいなくない。どうせひま。
・ひまな時間のほうがもったいない。
・楽しいから、もったいなくない。
・時間を決めているからだいじょうぶ。
・ゲームをしている時間があれば、勉強するほうがまし。
・あんまり気にしていません。

③暴力的なゲームは心をトゲトゲにしませんか?
・やっつけるときは、相手が飛んでいくだけです。
・ぜんぜん。ストレスかいしょう。
・ゲームをしているときは幸せです。
・生き返るからだいじょうぶ。
・暴力的なゲームをしたら、自分がいろんなところでそういうことをしてしまうかもしれない。
・暴力的なゲームは持っていません。買っていません。
・戦争のゲームは持っているがあんまりしない。
・やります。ちょっとトゲトゲします。
・暴力的なゲームはいやになってきます。

④人とふれあう遊びが大事ではないですか?
・通信とかで遊ぶし、友だちにやらせてあげたりします。
・ゲームでも人とふれ合える。
・友達と遊んでいるときは、外のほうがいいと思う。外で遊んでいたら、ほかにも友だちができるかもしれない。

⑤ねだんが高すぎませんか。
・誕生日の時やお年玉で買ってもらっている。
・自分で買っているのではなく、ごほうびで買ってもらっているのでだいじょうぶです
・高いけど楽しい。
・中古を買っています。安いものしか持っていません。
・ちょっと高いと思います。
・小さなソフトに4000円をかけるのはもったいない気がします。
・ネットゲームではいつの間にかたくさんのお金を使ってしまう時があります。
・他の物を買ったほうがいい。
・親にしてみれば、高いと思います。

⑥現実からはなれていませんか。
・動物の森とか、生活が楽しめるゲームがあります。
・だれかがよんだら現実にもどれます。
・ほとんどのゲームははなれていると思います。
・ゲームをしていると、自分がマリオと思っていて、ほかの人とけんかになる。

⑦そのほか思うことはありませんか。
・ゲームはいいと思います。楽しいからやりたいです。
・いいゲームもある時がある。 頭が良くなります。
・私は長くても30分までといわれています。

6 目標

.
この授業の【目標】は「節度のあるゲームとの付き合い方について考える。」です。小学校学習指導要領「道徳の内容」であれば、以下の部分に該当するでしょう。
1 主として自分自身に関すること。(1) 望ましい生活習慣を身に付け,心身の健康の増進を図り,節度を守り節制に心掛け調和のある生活をする。

参照HP:全国教室ディベート連盟

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次