英語で発問する3つのポイント

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目次

1 はじめに

本記事は、株式会社ECCから許可をいただき、小学校教員のための特別英語セミナー第6回を取材し記事にまとめたものです。

どうすれば上手に発問できるのか分からず悩んでいる先生は多いのではないでしょうか。本記事では発問スキル・パラフレーズのしかた・即興力の3つのスキルを学ぶことができます。

ECCのセミナーについてはこちらを参照ください。→http://eccbiz.chips.jp/seminar2/

2 発問の役割

1 生徒に考えさせたり、気づかさせたりすることで、知的好奇心を喚起する

  • 生徒は自ら考えて発問の答えを見つけようとする。
  • 表面的な理解だけでなく、行間を読み取る読解力を養う。

2 生徒に自分の考えを発信する機会を与える

  • 教師の質問に答えることで、自分の考えを英語で伝えることができる。
  • 多様な答えを引き出すことで、異なる解釈をクラスで共有することができる。

3 生の英語をインプットすることで、リスニング力の強化ができる。

3 よい発問とは?

  • 上記の発問の役割を満たしているもの
  • 簡単な英文で、何が問われているかがすぐにわかる質問であること。
  • closed questionopen-ended questionのバランスが取れていること。

closed question-答えは1つ。
  open-ended question-必ずしも答えが1つとは限らない。生徒は知識や経験、想像を交えて答えを導く。

  • 「知りたい」という好奇心を引出、納得感が与えられる質問であること。
  • 心地よいテンポで質問する。

closed question-テンポよく進める。
  open-ended question-ヒントを与えながら。生徒に考える時間を少し与える。

4 疑問文の種類

YesまたはNoで答えられる質問

(Is,Are,Does,Do,Didから始まる疑問文)

  • Q:Is Mary a student?
  • A:Yes, She is./No,she isn't.
  • Q:Does Mary go to school in Tokyo?
  • A:Yes, she does./No, she doesn't.

疑問詞を使った質問

(What, When, Who, Where, Which, Why Howから始まる疑問文)

  • Q:When did Mary come to Japan?
  • A:She came to Japan two years ago.
  • Q:What does Mary study?
  • A:She studied Japanese.

どちらかを選択させる質問

(orを使って答えの選択肢を与える疑問文)

  • Q:Does Mary say learning Japanese is easy or difficult?
  • A:She says it's difficult.
  • Q:Does Mary want to work in Japan or in America?
  • A:She wants to work in Japan.

発問の役割を満たしたよい発問をすることは、決して悪いことではありません。まずは、簡単な単語やフレーズで答えられる質問から始めてみましょう。

5 実践問題①

スラッシュリーディングとは?

文頭から意味のかたまりごとにスラッシュを入れて、英文を理解していく読み方をスラッシュリーディングといいます。スラッシュリーディングの効果として
1. 長い文も区切って読むことで簡単に理解できるようになる
2. 読む速度が早くなる
3. 文頭から理解することで、リスニング力の強化にもつながります。

※スラッシュの入れ方

1. カンマの直後
  2. 接続詞の有無
  3. that節の直前
  4. 不定詞、動名詞、分詞の直前

Special Housewarming Gifts

When people movie into a new home/it is common for them/ to hold a party /called a housewarming. The new homeowners/ invite their friends over/ show off their new place,/ and serve food and drinks. The guests usually bring housewarming gifts./ Traditional gifts/ given to new homeowners in Europe and America include candles, brooms, honey, salt, bread, and wine./ Each item has a special meanings.

Candles are given/ so that the homeowners/ may live in light and happiness. A broom may seem like a boring gift,/ but it signifies sweeping away evil, so the new home will be free of bad luck./ Honey is given/ to wish the homeowners a sweet life. Salt is given/so there will always be flavor and spice/ in their lives. Bread and wine symbolize the hope/ that the homeowners will never go hungry or thirsty.

Cards are often included/ with gifts/ to express warm wishes/ to the new homeowners.

特別な引っ越しお祝い

新居に引っ越した時、よくhousewarmingと呼ばれるパーティーを開きます。新居の所有者は友人を招き、新居を見せて、食べ物や飲み物をふるまいます。招待された人たちは、たいてい引っ越しのお祝いを持っていきます。ヨーロッパやアメリカの伝統的な引っ越しの贈り物には、ろうそく、ほうき、はちみつ、塩、パン、ワインがあります。それぞれの品物には特別な意味があります。

ろうそくは、家の持ち主が幸せに暮らせますように、という思いを込めて贈られます。つまらない贈り物のように思えるかもしれませんが、ほうきには、悪・厄介なことを払うという意味があります。つまり、新居には不幸が訪れないでしょうということです。はちみつは、甘い生活を願ってプレゼントされます。塩は、生活にいつも趣や面白みがありますように、という意味を込められて贈られます。パンとワインは、決して空腹になったり、のどが渇いたりすることのないように、という願いの象徴です。

新居の所有者にお祝いの気持ちを伝えるために、カードが贈り物に添えられていることがよくあります。

長文の内容確認のための質問

※文章中の意味の固まりごとに質問する。
* When people move into a new home,/it is common/for them to hold a party/called a housewarming.
(新居に引っ越した人が何をするのか尋ねます)

What do people do when they move into a new home?
(a partyがどのように呼ばれているかを尋ねます)
What do the new homeowners do?

  • The new homeowners invite their friends over, /show off their new place, / and serve food and drinks.

(誰を招待するのかを尋ねます)→Who do the new homeowners invite?
(何をするのかを尋ねます)→What do the new homeowners do?

  • A broom may seem like a boring gift, / but it signifies sweeping away evil, / so the new home will be free of bad luck.

(signifyの意味を尋ねます)→What does "signify" mean?
(ほうきの意味を尋ねます)→What does a broom sweep away?
→After the broom sweeps away evil, how will the new home be?
(free ofの意味を尋ねます)→Does "free of" mean "with" or "without"?

6 セミナー講師紹介

太田 敦子 氏 総合教育研究所 所長

宮脇 敬子 氏 ECC外語学院講師/ ECCグローバルコミュニケーション専科講師
(2016年8月現在)㈱ECC 総合教育研究所勤務 ECC法人事業部より派遣、大学や高校で、 英検、TOEIC、TOEFLなどの資格講座担当

堺 研二氏 ECC総合教育研究所所員
『英語で説明する日本の文化』(語研)執筆協力(第2章「日本文学」)
『10000語レベル スーパーボキャブラリー ビルディング』(ベレ出版)執筆協力(一般語彙)
『英語をモノにするカタログ』(アルク)「資格試験マニア」
『TOEIC/TOEFLにチャレンジするためのSUCCESS』(アルク)「TOEIC免許皆伝」

Jay Feeley 氏
ECC外語学院講師 一般英会話クラス、グローバルキッズクラス担当
ECC総合教育研究所所員 幼児から大人まで幅広い教材製作、教授法研究に従事

7 編集後記

近年、小学校教員にも英語力を重視する傾向が強まっています。どうすれば質の良い授業になるのか、どのように適切な発問したらいいのか分からず不安になる教員もいると思います。ECCは公教育の現場におけるこのような環境の変化を受け、小学校教員の皆さまの英語力と指導力向上への支援活動の一環として特別セミナーを開催しております。ぜひ一度ご参加ください。
(編集・文責:EDUPEDIA 内山翔太)

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