日本の安全教育の今、これから〜世界の防犯から学ぶ〜(教育技術×EDUPEDIAスペシャル・インタビュー第9回 小宮信夫先生)

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目次

1 はじめに

本記事は、雑誌『教育技術』(小学館)とEDUPEDIAのコラボ企画として行われた小宮信夫先生へのインタビューを記事化したものです。

第9回は、地域安全マップの考案者である立正大学文学部社会学科教授の小宮信夫先生に、犯罪機会論に基づいた学校現場における安全対策や、いじめ防止や新たな発想の起点になる防犯教育について深くお話を伺いました。

なお、本企画は小学館発行の教育誌『教育技術』とのコラボ企画となっております。『小一教育技術』~『小六教育技術』7.8月号にもインタビュー記事が載っていますので、そちらも合わせてご覧ください。

2 インタビュー

犯罪学を志すきっかけ

——小宮先生が犯罪学を志すきっかけは何だったのでしょうか。

大学卒業後に法務省に入省しました。実をいうと、大学では犯罪学の講義はあまり興味がなく、初めの1年は、犯罪学について先輩方から様々な文献を紹介していただき、それを読み、勉強していました。そこから生じた質問を仕事が終わってから、先輩方にぶつけていました。するとそこで先輩方から、文献を読むだけでは分からない実情をおしえていただき、どんどん興味が膨らんでいきました。

 2年目には刑務所に勤務しました。「この人は、どうして道を間違えてしまったのだろう」と考えているうちに、犯罪者の心理や生い立ちに関心を持ち、本格的に勉強したいと思い始めました。そこで大学院を探しましたが、日本では犯罪学科がないのです。犯罪学をきちんと学ぶなら海外しかないと思い、イギリスに留学を決めました。そして、大学院の初めのガイダンスで運命が決まりました。10人ほどの先生が順番にガイダンスをするのですが、アメリカ英語なら分かるものの、イギリス英語はよく聞き取れなかったのです。そのため、1番聞き取りやすかった先生に「指導教授になって下さい。」とお願いしました。すると、その先生が犯罪機会論の権威の方だったのです。偶然中の偶然です。そこで初めて犯罪機会論というものを知りました。
というのも、私は日本で沢山文献を読みましたが、文献では誰も紹介していない理論でした。海外では普及していましたが、日本には輸入されていなかったのです。

——イギリスで学んだことは大きいですか?

そうですね。大学では、講義だけでなく実際に刑務所の受刑者とディスカッションをする授業もありました。社会に出て学ぶ機会も多かったです。私が通ったのは内務省が協力してつくった大学院だったので、常に研究について対策とフィードバックを行うのです。そのような環境は、今の価値観に大きく影響していますね。

犯罪機会論に基づく日本と海外の事例

——犯罪機会論が日本であまり知られていないのは、どうしてだと考えますか?

2002年に地域安全マップを考えて、それを自治体として初めて公式に導入してくれたのが2004年でした。文部科学省によると、全国の9割以上の学校で安全マップが作られているそうです。しかし、学校は従来のイメージで作るため、犯罪機会論の考え方はほとんど入っていないのが実情です。日本の防犯教育では、「入りやすい」「見えにくい」というキーワードが意識されていないということです。地域安全マップづくりの指導は難しいことではないので、勉強をすれば学校の先生方でも適切な指導方法を会得できます。しかし勉強せず自分の知っている範囲内で教えようとすると、「どこで不審者が出たの。じゃあ、そこをマップに書いて。」と子どもに指導するパターンや、「どこで事件が起きましたか。」と犯罪発生場所を警察から教えてもらうという、不適切な指導パターンに陥ってしまいます。

——不適切な指導パターンとは「単に切り取った事実を伝えているだけ」ということでしょうか。

そうです。また、学校の先生は交通安全については知識があるので、フィールドワークをしても交通事故が起こりそうな場所ばかり子どもに書かせ、「地域安全マップを作製した」と文部科学省に報告しているのです。名前は地域安全マップでも、実際は大切な部分が抜けているということです。

——犯罪機会論の視点で防犯教育に取り組んでいるモデルとなる学校や自治体はありますか。

日本は犯罪機会論が普及していないので、そのような学校は殆どありませんが、最も進んでいるのは、神奈川県藤沢市です。藤沢市のすべての小中学校で犯罪機会論の視点から不法侵入者防止に取り組んでいます。ここでは、正門から受付までラインを引いています。これは低予算で絶大な効果を発揮します。


※写真でわかる世界の防犯ー遺跡・デザイン・まちづくりー
「藤沢市立鵠沼小学校(日本)」
どの学校にも、「学校に御用のある方は許可を取るように」と掲示されていますが、これは犯罪の抑止力にはなりません。犯罪者が校内に侵入し教員に見つかっても、「受付まで行きたいのですが、道に迷ってしまいました。」と言えば、教員はそれ以上追及できないからです。その場をしのぐ言い訳を心得ているから、犯罪者は侵入してきます。しかしこのラインが引いてある場合、ラインを外れて歩いていると「道に迷いました。」という言い訳は通用しません。加えて、ライン上を歩いているか否かは子どもでも判断できるため、「あの人は不審者だ、気をつけよう。」「先生、ラインの上を歩いていない人がいますよ。」と子どもから先生に教えられます。このようにきちんと識別できる環境を整えることが犯罪の抑止力になるのです。

——現在、日本の都会の学校ではどのような安全対策をしているのでしょうか?

「入りやすく、見えにくい」に危険が潜んでいるという条件は都会も田舎も同じです。都心部の学校は予算があるので、防犯カメラの設置数は多いと思います。また誘拐や事件がきっかけとなり、地域パトロールの強化が進んでいるのも事実です。ですがこれらは、周辺的な対策に過ぎません。子どもたちが自分の身は自分で守るという強い意思と正確な知識がなければ、中心部が抜けていて、大きな穴が空いた安全対策になってしまうと言えるでしょう。日本では学校への不法侵入が毎年1000件以上あるのに対し、海外ではほとんど未然に防げています。ただ遊びに来ている人もいれば、強い動機を持って来ている人もいるわけですから、様々なシミュレーションを踏まえた対策が必要です。

——日本では犯罪の原因を重視するほうがスタンダードになっていることが問題なのですね。

そうですね。低予算で実践できる対策もあるのになぜ取り入れないのか、私も疑問に感じています。日本には、まだまだ防犯教育における真剣さが足りません。「防犯教育として様々な活動はありますが、問題意識や犯罪機会論の知識に欠けていて、本当に子供を守る気持ちがあるのですか。」と聞きたくなるほどです。真剣に防犯教育に取り組んでいるお手本はやはり海外です。ある学校は、教室の中からトイレが見えるように作られています。トイレが見えるような窓を作るために教室の壁を改造したのです。これでトイレの中で発生するいじめを防ぐことができます。


※写真でわかる世界の防犯ー遺跡・デザイン・まちづくりー
「ゼーエルデンブールト小学校(オランダ)」

日本でいじめが起こる場所はどこでしょうか。体育館裏やトイレの中など、大体想像がつきますよね。そうした場所に視線が届く工夫を施すべきです。またその場所に入りにくくする工夫も有効です。

その場所にあった入りにくく、見えやすい状況を作るには、事例を勉強したり、世界で実践されている事柄を知ることから始まります。

地域安全マップ作り

——小宮先生が実際に行っている地域安全マップづくりとフィールドワークについてお聞かせください。

私は、地域安全マップのフィールドワークで「ここに立っている人を信じていいの。」と問いかけ、子どもたちに考えさせます。景色は見た目でハッキリ分かるので、「信じていい」「疑ってみる」という視点を「人」から「場所」に移動させる訓練を行い、瞬時に危険性を判断できるようにすることがフィールドワークの目的なのです。まず教室や体育館で「入りやすい」「見えにくい」というキーワードを知ることから始めます。そのキーワードがものさしになり、犯罪に巻き込まれる危険性について正確な測定ができるからです。それを教えてからフィールドワークに出掛け、学校に帰ってから気づいたことをまとめたマップを作ります。実際はフィールドワークまでで終わらせても良いのですが、子どものやる気を引き出すために、マップという最終的な成果物を作らせ、発表させるという手順を踏みます。実際の経験ですが、最初の座学の段階で「今日は地域安全マップを作るよ。」と私が言うと、5年生くらいの生意気そうな男の子が「そんなことやらなくてもいいよ。だって犯罪者がきて手を引っ張られても、振りほどけるんだもの。」と返されました。実際に私が、その男の子の手を掴んで、「さあ、振りほどいてみて」と言っても、びくともしません。学校でよく警察官が行っている防犯教育はお遊びの要素が強いのです。私に腕を掴まれた子どもは犯罪者には力で抵抗できないと気がつきます。また「今まで防犯教室でどんなことを教わった?」と聞くと、「不審者に気をつけなさい」とか「怪しい人にはついていかない」と返答されます。そこで次のような会話になります。
小宮先生「不審者ってどういう人?」
子ども「あやしい人!」
小宮先生「あやしい人ってどういう人?」
子ども「ヘンな人!」
これでは言葉を言い換えてるだけです。

それでも子どもたちは「俺絶対騙されないもん。」といって自信満々な顔をしているのです。子どもたちは声を揃えて「大げさだなあ。」と言いますが、私は念を押して「君たちは必ず騙されるよ。」と予言します。そして、フィールドワークのときに騙すのです。いかにも入りやすくて見えにくい危なそうなところに、「みて!あそこにほら、可愛い猫ちゃんがいる!みんな来てごらん!」と言うと、子どもたちは「え、どこ!」と寄ってきてしまいます。その失敗を踏まえて、子どもたちに景色を見なくてはいけないと教えます。どんなにいい人そうに見えても、子どもたちを呼んでいるその先の景色を見れば、そこが犯罪者が好きな空間か分かります。もし、窓がたくさんあるような家のそばで話しかけられたら、それは信用してもいい。この人を信用してもいいかではなく、今この場面を信用できるか、今この景色の中にいるこの人を信用していいか、が重要なのです。

騙される経験

騙されるということは大切な経験です。騙される経験について世界に目を向けると、イギリスの安全体験学習があります。


※写真でわかる世界の防犯ー遺跡・デザイン・まちづくりー
「安全体験学習施設(イギリス)」
大きな倉庫を改造して映画のセットのような町を作り、ここで先ほどのようなシミュレーションを行うのです。5、6人の子どもたちがボランティアの指導員に危ない場所を教わりながら歩いて回るのですが、途中でその指導員に嘘の電話が掛かってきます。そこで指導員が「そこで待っていて。」と約束し、子どもたちだけの環境を作ります。そこに全く知らない人がやってきて、「あっちにアイスクリーム屋さんが来ているよ。アイスは何味が好き?」と聞くと、指導員を待っている子どもたちが好きな味を答えると、「買ってあげるよ。」という大人についていってしまいます。

防犯教育は、実際に体験することで初めて免疫がつきます。ところが日本の防犯教育は、先ほど述べたように、腕を振りほどく練習や防犯ブザーを鳴らす練習など、犯罪者と対決することを行っています。防犯教育におけるボタンの掛け違いが大きいのです。

——海外では犯罪が起きやすい場所と機会を考えることを意識していますが、日本では犯罪が起こる原因に重点をおいているということですね。

人が大事だということを「犯罪原因論」と呼んでいます。人が大事だというと、人をずっと見てしまいますから、犯罪者らしい顔や姿の人に注目すべきと思わせてしまいますよね。でも、それでは犯罪者かどうか適切に見分けられません。そこで、犯罪者が襲ってきた場合を想定し、防犯ブザーを鳴らして大声を出す練習をさせることになるのです。実際のところ、日本の犯罪において不審者がいきなり襲ってくるケースは1、2割です。また、「防犯ブザー」と銘打てども、鳴らしている時点ですでに襲われているので、少しも「防犯」ではありません。しかし私の教える犯罪機会論は「防犯ブザー」を使わない状態にいつも自分の身を置いておくということなので、未然防止として本当の防犯になるのです。

——不審者の手を振りほどく練習や防犯ブザーを鳴らす練習は、もうすでに襲われている状態のため、犯罪を未然に防ぐ指導が欠落しているのですね。

そうです。「襲われたらどうするのか」ではなく「襲われないためにどうするのか」ということを教える必要があります。千葉県松戸市で子どもが誘拐後に殺害され、容疑者が保護者会の会長だったという事件がありました。この事件では子どもを守るべき立場の大人が容疑者だったので、現在事件が発生した地域の保護者たちは「知っている人、知らない人、誰も信用するな。」と子どもたちに教えているそうです。これは大問題であり、そんなことをいう必要は全くありません。犯罪機会論は子どもを狙っている人が保護者会長だろうが先生だろうが警察官だろうが関係ないのです。犯罪者は常に他の事例と共通したパターンで犯行に及ぶため、犯罪の共通点が何なのかを判断し、未然に防ぐことができます。そう考えるのが犯罪機会論です。
例えば、車に乗っていた人が子どもに道を尋ねました。さあ、答えてよいですか悪いですか。この事例は保護者や教員も答えに窮してしまいます。千葉県松戸市の事例は勿論ですが、世の中に出ている大半の書籍や、警察官が指導している防犯教室では、一貫して「答える必要はない、無視しなさい。」と教えます。しかしそんなことを教える必要はありません。その車がどこに止まっているかに着目すればいいのです。
分かりやすい例でいうと、その道にガードレールがあるかないかが大切です。ガードレールがない道だと、キーワードで言えば「入りやすい」ので、車に乗っている犯罪者が歩道に入りやすい環境になっています。そのため犯罪者が子どもを騙して車に乗せる場合、子どもはあっという間に、乗せられてしまいます。ガードレールが設置されている道路であれば、言葉巧みに騙して子どもを乗せる場合でも、子どもはガードレールを回って、反対側の車道に渡らなければ車に乗ることが出来ません。時間がかかればかかるほど、近くにいる大人に見られる可能性も高まります。従って犯罪者は、普通はガードレールがあるところに車を停めません。ドライバーがいい人か悪い人かは、見た目では判断できません。しかしその車がどこに止まっているかは一目瞭然です。

いじめと犯罪機会論ついて

日本ではいじめが関連した自殺があると、「いじめがあったか、なかったか」や「誰がいじめたか」が取り沙汰され、「いじめがありました。すみませんでした。」と教育委員会が頭を下げる。ずっとそのパターンではないですか。謝れば子どもは帰ってくるのですか。帰ってこないでしょう。
「いじめはなくならない。」というのは海外では前提です。詳しく言うと、「いじめたいという気持ち」はなくならない、という意味です。しかし、いじめたいと思う人にとって、いじめをしづらい環境を作っていくことで、動機は消さなくても、いじめは起こりにくくなります。これが犯罪機会論です。

オランダの学校の校庭にある壁はとても高いです。私は気になってオランダの研究者に「この高さはやりすぎでは?」と聞くと、「これは犯罪防止だけでなく、周りの車の排気ガスが子どもに届かないようにもしているんだ。」と答えてくれました。そのくらい子どもを大事にしているのです。これが真剣さなんですね。


※写真でわかる世界の防犯ー遺跡・デザイン・まちづくりー
「ゼーエルデンブールト小学校(オランダ)」
日本でも環境省が子どもの喘息の大きな原因は排気ガスだと書いていますが、日本の学校でそのような配慮をしているというのはあまり聞きませんね。子どもは国の財産です。子どもを大事にしない国は滅びます。

安全教育、防犯教育のこれから

——今の日本の防犯現状を逆手にとって、子どもたちから地域へ安全を訴えている事例はありますか。

はい。実際に動いている地域もいくつかあります。授業で作製した地域安全マップの発表を見た先生がこれは是非地域の人にも知ってもらいたいと、地域の公民館に声をかけたことがあります。地域の方々に集まってもらい、そこで子どもたちが発表する。そこからこんな危ない場所があったのかと、大人だけでは気づかなかった視点から防犯対策が始まる事例がありました。自身が授業で学び、発表したことで、地域が変わったという実感は、自己肯定感にそのまま繋がっていきます。自己肯定感が高まるということは、勉学意欲が高まります。自信を持たせるきっかけになるということです。アクティブラーニングという言葉が世間に出回っている今、十数年前からこの活動をしている身としては、今頃かという気もしますが、少しずつでも、子どもたち自身の動きが自己肯定に繋がる教育への理解が進んできていることは嬉しいです。

——安全マップづくりがいかに子どもたち主体の活動であるかがよくわかりました。豊かな発想やアイデアを生み出す力にも繋がりますね。

——今まで様々な学校で教えられてきた先生ですが、指導案を見せていただくことは可能でしょうか。

指導案は僕のところにはありません。学校の先生はねらいや指導計画などを明記して作られていますが、僕自身は、犯罪学者なので指導案の作成は先生方に任せています。学校の先生が安全対策の授業を行うときは「入りやすい」「見えにくい」この二つのキーワードだけ外さなければ、大丈夫です。時間がなければ、マップを作らずに、教室内で現場の写真を見ながらのシュミレーションにしたりと、条件に合わせてアレンジしていくのが好ましいです。

 僕は教育は一生ものだと思っています。ですから子どもたちに授業をするときこう言います。「今日学んだことは忘れないでね。」「みんながおじいちゃん、おばあちゃんになっても使えるんだよ。」と。いろんな意味で体験学習は大切なのです。外に出て、場所を見て体感することは、意外な力が発揮されます。実際、科学的にも証明されているのですが、足を使って学ぶ方が記憶に残ります。体全体を動かすと、脳も活性化しますよね。教室内の授業でも動きながら勉強した方が、ずっと座っているより教育効果は高いかもしれません(笑)。

教育に必要なものは景色解読力

——2030年には実際に50代の先生が今の3分の1がいなくなる現状があり、新しい世代の先生が増えることが予測されます。これから先生になる学生、EDUPEDIAを閲覧している先生に向けてメッセージをお願いいたします。

地域安全マップづくり、防犯教育、どちらも犯罪機会論に基づいて、「景色解読力」がキーワードとなっています。暗号はパッとみただけでは解けませんよね。ただルールさえ分かれば、紐解いていくことができます。景色も同じです。景色も一見したでけでは、そこにある意味やメッセージを理解することは難しいでしょう。ですが犯罪機会論や、安全マップを学ぶことで、景色からの警戒メッセージを受け取ることができます。この流れを防犯教育、安全教育に取り入れていただきたいと思います。

また解読力というものは安全教育だけではなく、観察力、注意力、洞察力、様々な能力に連動していきます。安全という狭い分野だけではなく、あらゆる教育分野に広がっていくので、安全教育の授業の仕方によっては、自身の専攻分野の学力向上に繋がっていきます。安全教育は防犯ブザーを渡したり、護身術を教えることではありません。教育そのものなのです。全ての教科に通ずるものがここにはあります。そこにいかに先生方が気づけるか。私はそれを子どもたちの未来を担う先生方に期待しています。

3 小宮先生のプロフィール

小宮 信夫(こみや・のぶお)
立正大学文学部社会学科教授(社会学博士)

中央大学法学部法律学科卒業。ケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省人権擁護局、法務省法務総合研究所などを経て現職。地域安全マップの考案者。

警察庁「持続可能な安全・安心まちづくりの推進方策に係る調査研究会座長」、文部科学省「学校と関係機関との行動連携に関する研究会委員」ほか、全国で防犯・安全なまちづくりのためのアドバイザーを歴任。(2017年8月25日時点のものです)

著書に、『写真でわかる世界の防犯 ——遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館)、『なぜ「あの場所」は犯罪を引き寄せるのか』(青春新書)、『犯罪は予測できる』(新潮新書)など多数。

4 小宮先生の著書紹介

「写真でわかる世界の防犯——遺跡・デザイン・まちづくり」(小学館)

写真とその解説を通じて、実践的な犯罪対策、防犯教育について、より深く学べる一冊です。今回のインタビューで例に出てきたもの以外にも、たくさんの事例が、詳しくこの本で紹介されています。取材中に印象に残ったのは、世界中を自身の足で歩きながら驚くようなアイデアを偶然発見したときが、一番楽しい瞬間であり感動に満ち溢れて涙ぐむこともあったという話です。
子どもたちの防犯教育や地域安全に役立つヒントが散りばめられた一冊となっています。

5 編集後記

「景色解読力」が子どもたちの学力向上に繋がると聞いて、防犯教育の実践が教科を超えて子どもたちの学びに影響を与えることを強く実感しました。体験学習型のフィールドワークに基づいた地域安全マップ作り、是非広がって欲しいと思います。

(取材・編集 EDUPEDIA編集部 大山・水谷・大和)

6 関連ページ

教育技術.net

『小一教育技術』~『小六教育技術』7/8月号に掲載の小宮先生インタビュー記事も合わせてご覧ください。

教育技術.net

【教育技術×EDUPEDIAコラボ】スペシャルインタビュー

第1回からのインタビューまとめページはコチラ

コラボ企画・特集ページ

小宮信夫先生のHP

犯罪学のことを分かりやすく解説しています。
詳しく犯罪機会論や地域安全マップについて知りたい方は是非アクセスしてみてください。

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