休校中の子どもたちへの適切な対応【コロナと向き合う】

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目次

1 はじめに

この記事は、『「Ⅱ.新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業の実施に関するガイドライン」の改訂について(通知)』の内容を抜粋して引用、加筆したものです。新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの小中学校、高等学校で休校が続いています。

新型コロナウイルスの感染拡大という状況下で教育現場でも日々刻々と状況は変化し、対応に追われているのではないでしょうか。EDUPEDIAでは、必要な情報が教育関係者に届くように、【コロナと向き合う】特集をはじめました。

この記事では、休校中の子どもたちへの学習指導や心のケア、居場所の確保等について紹介しています。この記事が1人でも多くの教師や保護者の方々のお役に立てれば幸いです。

(最終更新 2024年2月24日)

2 学習指導に関すること

臨時休業期間中に児童生徒が授業を十分に受けることができないことによって、 学習に著しい遅れが生じることのないよう、地域の感染状況や学校、児童生徒の状況等も踏まえながら、児童生徒の学習を支援する必要があります。

次の(1)に示す ICT 等も活用した家庭学習と、(2)及び (3)に示す教師による対面での学習指導や学習状況の把握の仕方を示しています。

(1)家庭学習について

学習に著しい遅れが生じることのないよう、学校や児童生徒の実態等に応じ、紙の教材やテレビ放送等を活用した学習や、オンライン教材等を活用した学習、同時双方向型のオンライン指導を通じた学習などの適切な家庭学習を行います。

特に、臨時休業が長期にわたり、令和2年度の教育課程の実施に支障が生じる場合には、主な教材である教科書に基づく家庭学習を臨時休業期間中に実施できるよう、工夫が求められます。

その際、児童生徒の家庭学習が円滑に進むよう、学校及び児童生徒の実態等を踏まえて、教科書と併用できる適切な教材を提供することが重要です。文部科学省においても、児童生徒の円滑な家庭学習を支援する教材等を「子供の学び応援サイト」に随時掲載しており、家庭学習を課す際に活用することができます。

(2)登校日の設定について

家庭学習に加えて、各学校が児童生徒の学習状況の確認や補習等の学習指導を適切に行うとともに、生徒指導、児童生徒等の健康観察を適切に行う必要があります。そのため、児童生徒等や学校の実態に応じて登校日(授業日を含む。以下同じ。) を適切に設定することも考えられます。その際には、例えば、児童生徒等を分散させて登校させ、人が密集しない環境を確保することにより、感染拡大を防止する必要があります。

(3)その他の指導の工夫について

また、登校日以外の日においても、児童生徒の学習状況の確認等のための家庭訪問を行ったり、体調面にも配慮した上で特に配慮を要する児童生徒など一部の児童生徒については登校させたりするなど、きめ細かな対応のための工夫を行うことも考えられます。ただし、その際、教職員の勤務負担が過重とならないようにするとともに、児童生徒及び教職員の健康管理についても十分に留意する必要があります。

3 心のケア等に関すること

臨時休業に伴い自宅で過ごす児童生徒及びその保護者との連絡を密にし、新型コロナウイルス感染症に起因するいじめ、偏見、ストレス等に関し、相談窓口(「24時間子供SOSダイヤル」等)を活用したり、必要に応じて養護教諭やスクールカウンセラー等による支援を行ったりと、児童生徒の心のケア等に配慮します。

また、要保護児童対策地域協議会において、要保護児童として進行管理台帳に登録されている児童生徒に関しては、在宅時間が大幅に増加することも踏まえ、スク ールソーシャルワーカー等を活用するなどして関係機関と緊密に連携し、必要な支援を行います。

4 子どもの居場所確保に関すること

臨時休業を行う際、子どもの居場所確保に向けた取組については、当該学校を臨時休業とした趣旨を踏まえ、児童生徒等の間での感染拡大リスクを考慮し、慎重に判断します。

その上で、子どもの居場所確保に向けた人的体制の確保や学校の教室等の活用等を実施する場合には、一斉臨時休業期間中の対応として示した「新型コロナウイルス 感染症防止のための小学校等の臨時休業に関連した放課後児童クラブ等の活用による子どもの居場所の確保について(依頼)」(令和2年3月2日付け文部科学省初等中等教育局長ほか連名通知)の例を参照した対応を行い、以下の点には特に留意します。

(1) 学校の教室等の活用

学校の臨時休業に伴い、放課後児童クラブ、放課後等デイサービスにおいて通常時より利用児童のニーズが高まることが考えられるため、密集性を回避し感染を防止すること等から、一定のスペースを確保します。

このため、教室、図書館、体育館、校庭等が利用可能である場合は、国庫補助を受けて整備した学校施設を使用する場合であっても財産処分には該当せず、手続は不要であり、積極的に施設の活用を推進します。 また、放課後等デイサービスについても、学校の臨時休業期間においては、放課後等デイサービス事業所が学校施設を活用してサービスを提供した場合でも報酬を請求することを認めるので、教室、 図書館、体育館、校庭等が利用可能である場合は、積極的に施設の活用を推進します。

(2) 給食提供機能の活用

子どもの居場所確保にあたり、児童生徒等に対して学校給食の調理場や調理員を活用して昼食を提供することも工夫の1つと考えられ、地域の実情やニーズに応じて対応を判断します。

5 学校給食休止への対応に関すること

臨時休業に伴い学校給食を休止する際には、関係事業者等と十分協議を行うなど、関係者の理解と協力を得られるよう留意します。

6 幼稚園を臨時休業する場合の預かり保育等の提供に関すること

幼稚園の臨時休業を行う場合には、幼稚園児は1人で家にいることができない年齢であることを踏まえ、感染拡大防止のための万全の対策を講じた上での預かり保育の提供を縮小して実施すること等を通じて、居場所の確保に向けた取組を検討します。

特に、子ども・子育て支援新制度や幼児教育・保育の無償化において保育の必要性の認定を受けている幼児であって、保護者が医療従事者や社会の機能を維持するために就業を継続することが必要な者である場合や、ひとり親家庭などで仕事を休むことが困難な者の子どもの保育が必要な場合などについては積極的な対応を検討します。また、これらの居場所確保の取組に当たって昼食を提供することも工夫の1つと考えられるため、地域の実情やニーズに応じて対応を判断します。

新型インフルエンザ等対策緊急事態措置を実施すべき区域とされた都道府県の知事から学校施設の使用制限等の要請があった場合については、「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象区域に属すると特定された地域における臨時休業の考え方について」に記載する子供の居場所の確保に向けた取組に関する記載に基づき対応する必要があります。

7 関連記事

EDUPEDIAでも休校中にご家庭で活用していただける教育的な活動をまとめた記事を作成しましたので、ぜひ本記事と併せてお読みください。
≪≪緊急投稿≫≫休校中の自宅学習対策(教師・保護者向け)

8 参考資料

本件連絡先

文部科学省:03-5253-4111(代表)
○保健管理に関すること
・初等中等教育局 健康教育・食育課(内2918)
○学習指導に関すること
・初等中等教育局 教育課程課(内2367)
○教科書の取扱いに関すること
・初等中等教育局 教科書課(内2411)
○学校給食に関すること
・初等中等教育局 健康教育・食育課(内2694)
○非常勤職員等の業務体制の確保に関すること
・公立学校について 初等中等教育局初等中等教育企画課(内2588)
・私立学校について 高等教育局私学部私学行政課(内2532)
○子供の居場所確保に関すること
・保健管理について 初等中等教育局 健康教育・食育課(2918)
・財産処分手続について 大臣官房 文教施設企画・防災部 施設助成課(内2464)
○幼稚園の預かり保育に関すること
・初等中等教育局 幼児教育課(内3136)
○私立学校に関すること
・高等教育局 私学部 私学行政課(内2532)
○国立大学附属学校に関すること
・総合教育政策局 教育人材政策課(内3498)
○公立大学附属学校に関すること
・高等教育局 大学振興課(内3370)
○専修学校に関すること総合教育政策局
・生涯学習推進課(内2939)

9 編集後記

この記事により、1人でも多くの教師や保護者の方々に、休校中の子どもたちへの適切な対応の仕方に関する情報が伝わり、お役に立てたのならば幸いです。

(取材・編集:EDUPEDIA編集部 清川美空)

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(最終更新日 2024年2月24日)

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