1 はじめに
この記事は文部科学省の臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイトの中の、「高等学校における学習支援コンテンツ」の内容を抜粋し、加筆・修正したものです。
新型コロナウイルスの感染拡大は教育現場にも大きな影響を与えており、対応に追われている先生も多いのではないでしょうか。EDUPEDIAでは、必要な情報が教育関係者に届くように、【コロナと向き合う】特集を始めました。
新型コロナウイルス感染症の影響で休校を余儀なくされている子どもたち、保護者のみなさま、先生方に今だからこそできる学びについて考えてほしいと思っています。
このサイトではマスクの作り方やおすすめの学習動画、体験学習、読書、体を動かすことなど、さまざまな学習方法が掲載されています。
2 各教科の家庭学習の工夫例と教材
(1)国語
<工夫例>
○「話すこと・聞くこと」の学習については、教科書に掲載されている教材を基本とした上で、例えば、スピーチやプレゼンテーション、インタビュー、討論などの内容、構成や展開、表現の仕方などについて考え、自分が話したり聞いたり話し合ったりするために必要なことについてノートなどにまとめたり、関心のある話題について自分の考えや思いを表現するためのスピーチメモを作成したりします。また、その際、テレビやラジオ、インターネットなどを通して音声や動画を視聴して、自分の表現に生かすことも考えられます。
○「書くこと」の学習については、教科書に掲載されている教材を基本とした上で、例えば、関心のある事柄や社会的な題材について、新聞、雑誌、テレビやラジオ、インターネットなどを通して様々な情報を収集し、論拠に基づいて自分の考えを意見文にまとめたり、対象を的確に描写して随筆を書いたりします。また、その際、教科書や本などの文章や作品の優れた表現を参考にすることも考えられます。
○「読むこと」の学習については、教科書に掲載されている教材を基本とした上で、例えば、教科書にある文章や作品などを読んで、感じたり考えたりしたことを文章にまとめたり、教科書の文章や作品に付属して掲載されている課題について自分の考えをノートに書いたりします。また、その際、読むために必要な語句の意味や漢字、文語のきまりや訓読のきまりなどについて再確認するために、辞書などの補助教材やインターネットにおけるデジタル教材等を活用することも考えられます。
○このほか、例えば本や新聞、雑誌、各自治体が作成している教材や問題集、各学校で採用している補助教材、教育に供するために公開されている様々なコンテンツを活用することも考えられます。
<活用できるリンク集>
○おうちで学ぼう!NHK for School(NHK) スマートフォン向けアプリあり
○自宅学習教材公開特設ページ(Z会)
株式会社Z会は、休校中の全国の児童生徒の学びをサポートするために一部教材を無料で提供しています。各学年・科目の教材を、Z会の受講有無を問わず、どなたでも登録不要でダウンロードし、活用いただけます。
(2)地理歴史
<工夫例>
○政府や自治体のホームページを活用したり、動画のコンテンツを視聴したりして学習してみる。
○新聞を読んだり、ニュースを見たりして、社会で起きていることについて気付いたことをノートにまとめたりする。
<活用できるリンク集>
○おうちで学ぼう!NHK for School(NHK)
スマートフォン向けアプリあり
(3)公民
<工夫例>
○授業で学習した内容を教科書等で振り返り、さらに調べてみたいことなどについて情報を収集したり、ノートに書き加えたりする。また、教科書の今後学習する部分を読み、疑問に思ったことをノートにメモしたり、教科書等で調べたりします。
○このほか、各学校で採用している補助教材の活用も考えられます。
○政府や自治体のホームページを活用したり、動画のコンテンツを視聴したりして学習してみます。
○新聞を読んだり、ニュースを見たりして、社会で起きていることについて気付いたことをノートにまとめたりします。
<活用できるリンク集>
(4)数学
<工夫例>
○生徒の学習状況に応じて、教科書のまとめの問題に取り組み、これまでの学習内容の習熟を図ったり、教科書の発展的な問題に取り組み、これまでの学習内容について理解を一層深めたりします。
○このほか、各学校で採用している補助教材の活用も考えられます。
<活用できるリンク集>
○自宅学習教材公開特設ページ(Z会)
株式会社Z会は、休校中の全国の児童生徒の学びをサポートするために一部教材を無料で提供しています。各学年・科目の教材を、Z会の受講有無を問わず、どなたでも登録不要でダウンロードし、活用いただけます。
○スマートレクチャー(啓林館・新興出版社・文研出版)
スマートレクチャーの視聴には無料でダウンロードできるThinkBoardプレーヤーが必要になります。
○臨時休業期間における児童生徒用コンテンツの紹介(日本文教出版)
○青チャート解説動画 (I、A、II、B、III) 、数学教科書解説動画 (I、A) 、Studyaid D.B. ビューア 複数配信機能 (数研出版)
○京都教育大学公式YouTube kyokyochannel
(5)理科
<工夫例>
○学習した内容や自分の学び方を教科書やノート等で振り返り、気付いたことや今後調べてみたいことをノート等にまとめるなどして、学習内容についての理解を深めたり、新たな問題を見いだしたりします。
○このほか、各学校で採用している補助教材の活用も考えられます。
<活用できるリンク集>
○おうちで学ぼう!NHK for School(NHK)
スマートフォン向けアプリあり
○スマートレクチャー(啓林館・新興出版社・文研出版)
スマートレクチャーの視聴には無料でダウンロードできるThinkBoardプレーヤーが必要になります。
(6)保健体育
<工夫例>
○体育については、授業で学習した内容で、家庭でも安全に行うことができる運動を行ってみます(例:体を伸ばしたりほぐしたりする手軽な運動、リズムに乗って体を動かす運動、縄跳びなど用具を用いた運動、腕立て伏臥腕屈伸など力強い動きを高める運動など)。また、オリンピック・パラリンピックを含め、スポーツの意義等について、教科書等を参考に考えたり、レポートにまとめたりします。
○保健については、教科書等を使って、授業で学習した内容を振り返ってみます。
<活用できるリンク集>
○「体つくり運動」リーフレット(文部科学省)
・体ほぐしの運動(PDF:1117KB) PDF ・体つくり運動 (PDF:1082KB) PDF
○京都教育大学公式YouTube kyokyochannel
(7)芸術
<工夫例>
○音楽では、既習曲について復習したり、授業での学びを生かして、自分なりに表現を工夫して演奏したり、演奏に対する感想をノートに書いたりします。また、自分のお気に入りの音楽について、その音楽のよさや美しさなどに触れながら、その音楽の推薦文を書いてみます。その際、その音楽の特徴や背景などを理由に挙げるようにしてみます。また、CDやインターネット等を活用してその音楽を聴くことができる環境がある場合は、推薦文の内容を読み直しながら、改めて鑑賞してみます。
○美術では、教科書に載っている題材を家庭でできる範囲において自分なりに表現してみたり、身近なものを、多様な視点から見つめてスケッチやデッサンをしたりします。例えば、身近にある用具や材料を使って、絵を描いてみたり、生活を便利にするようなデザインを考えて描いたりつくったりしてみます。また、教科書に載っている作品などを鑑賞し、感じ取ったり、考えたりしたことをまとめてみます。例えば、教科書の中の作品などから興味や関心をもった作品を選んで、その理由を考えてまとめたり、インターネットなどを活用できる場合は、自分の気になる作家のことを調べてまとめてみたりします。
○工芸では、教科書に載っている題材を家庭でできる範囲において自分なりに制作してみたり、身近な工芸品などを、機能などに着目して多様な視点から見つめてスケッチをしたりします。例えば、身近にある用具や材料を使って、生活を便利にするようなものを考えてつくってみます。また、教科書に載っている作品などを鑑賞し、感じ取ったり、考えたりしたことをまとめてみます。例えば、教科書の中の作品などから興味や関心をもった作品を選んで、その理由を考えてまとめたり、インターネットなどを活用できる場合は、自分の気になる作家のことを調べてまとめてみたりします。
○書道では、家庭でできる範囲において、教科書に載っている古典等を臨書したり、古典等を踏まえた創作に取り組んでみたり、生活や社会の中で書の表現が生かされている書式等を工夫して表現してみたりします。また、教科書に載っている古典や作品、インターネットなどを活用できる場合は美術館や博物館等のホームページなどで調べた名筆等を鑑賞し、よさや美しさを感じ取ったり、作者の心情や意図と創造的な表現の工夫、生活や社会を心豊かにする書の働き、書の伝統と文化、書の表現の特質などについて考えたりしたことをまとめてみます。
<活用できるリンク集>
◎教師向け詳細版(高等学校 芸術(音楽))(令和2年4月22日版)(PDF:172KB)
◎教師向け詳細版(高等学校 芸術(書道))(令和2年4月22日版)(PDF:369KB)
○国立美術館版「想-IMAGINE」(独立行政法人国立美術館)
※国立美術館の公開情報資源である所蔵作品総合目録検索システム、図書検索=== (東京国立近代美術館+国立新美術館蔵書)、展覧会情報検索アートコモンズおよび文化遺産オンライン、Webcatplusなど関連文化情報資源を横断的に連想検索できる。
○コレクション(東京国立博物館)
※東京国立博物館等の所蔵品を検索できる。
○京都教育大学公式YouTube kyokyochannel
(8)外国語
<工夫例>
○教科書やえいごネット(英語教材等を掲載するポータルサイト)からダウンロードした、聞く・読む・話す・書くの各教材の活用を図ります。
○NHKのラジオ・テレビ放送コンテンツを利用します。(下記「NHKゴガク」サイトからも視聴可能)
○海外の機関を含めオンライン上にある様々な読み物・動画などを視聴して、自分の関心のあることや学科での学び、外国語の授業で扱った話題などに関して、自分で検索して、聞いたり読んだりします。
<活用できるリンク集>
◎教師向け詳細版(高等学校 外国語)(令和2年4月9日版)(PDF:233KB)PDF
○NHKゴガク(NHK)
スマートフォン向け語学学習アプリのダウンロードページ。
○エンジョイ・シンプル・イングリッシュ(NHK)
短い英語のストーリーを聞き取りながら、英語をそのまま味わう感覚を身につけていく高校生向けのラジオ英語番組です。
○英会話タイムトライアル(NHK)
基本的な表現を使い、言いたいことをとっさに言える力をつける高校生向けのラジオ英語講座です。
○Learn English Teens(ブリティッシュ・カウンシル)
中・高校生を対象にした英語学習サイトです。ティーンが興味を持つ題材を取り上げて、楽しみながら英語を学ぶことができます。理解度を確認できる練習問題がついているので自学自習に使用できます。(各パートのワークシートを印刷して活用できます)。
○アメリカン・イングリッシュ(米国国務省:英語教員のための無料教材サイト)(えいごネットより)
5つのカテゴリーの様々な教材が用意され、無料でダウンロードして使うことができます。
○アメリカン・レトリック(American Rhetoric)
アメリカの歴史を動かした100のスピーチの原稿を英語で「読む」、音で「聞く」ことができます。歴代アメリカ大統領や映画スター、女性など様々なジャンルがあります。
○TED Talks(えいごネットより)
技術者、科学者、起業家、政治家、芸能人など、あらゆる分野の第一人者が、自らの経験や成果をスピーチする動画集。
○BBC Learning English
英国放送協会が運営する英語学習者向けサイト。英語の最新のニュースのほか、6分の動画で学べるBBC“6 minutes English”、英語の発音ワークショップ、動画で学ぶ発音記号などがあります。
○自宅学習教材公開特設ページ(Z会)
株式会社Z会は、休校中の全国の児童生徒の学びをサポートするために一部教材を無料で提供しています。各学年・科目の教材を、Z会の受講有無を問わず、どなたでも登録不要でダウンロードし、活用いただけます。
○実用英語技能検定試験 過去問
英検公式サイトから、PDFで過去問3回分がダウンロードできます。スピーキングはバーチャル二次試験で練習することも可能です。準2級から2級が高校生の目安とされています。3級過去問、準2級過去問、2級過去問、準1級過去問
○世界で活躍する人にインタビュー【日本語】(えいごネットより)
英語を使って世界で活躍する人は、英語をどう使っているのか、様々な体験や英語にまつわるエピソードを紹介しています。(国際機関で働く方や落語家など、現在12の動画があります)
(9)家庭
<工夫例>
○家庭科で学習したことを生かして、自己の家庭生活と関連付けて生活上の課題を設定し「ホームプロジェクト」を実施します。その際、ホームプロジェクトの意義や実施方法を教科書等を使って振り返ったり、自己の家庭生活の中から課題を見いだし、課題解決を目指して、計画、実践、反省・評価の流れに基づいて行い、実施過程をノート等にまとめたりします。
○政府や自治体のホームページを活用したり、動画のコンテンツを視聴したりして学習します。
<活用できるリンク集>
◎教師向け詳細版(高等学校 情報)(令和2年4月22日版)(PDF:387KB)
○自宅学習用教材~マスクを手縫いで作ろう!~(徳島県)
自宅学習用教材として、マスクの作り方を紹介しています。動画と型紙付きなので、簡単に作ることができます。
○情報・産業教育ウェブ(岩手県立総合教育センター)
マスクの作り方を動画で紹介をしています。家庭科など、情報・産業教育に関する内容を掲載しています。
(10)情報
<工夫例>
○授業で学習したことを生かして、ポスターやWebページを作成したり、家の中の身近なことを解決するプログラムを作成したりします。
○教科書を読み進めたり、インターネットで情報を検索することによって、将来の社会をイメージし、その社会で必要となる力とは何かを考えたり、まとめたりします。
<活用できるリンク集>
○コンピュータ博物館(情報処理学会)
※「情報の科学」では、「(1)コンピュータと情報通信ネットワーク」の「ア コンピュータと情報の処理」の理解に役立つ。
○理化学研究所 計算科学研究センター
※「社会と情報」では,「 (3)情報社会の課題と情報モラル」の「ア 情報化が社会に及ぼす影響と課題」の内容を深めることができる。
※「情報の科学」では,「 (2)問題解決とコンピュータの活用」の「ウ モデル化とシミュレーション」の先端的活用を理解することができる。
○JMOOC 無料で学べる日本最大のオンライン大学講座
「オンライン大学講座」とされていますが、内容的には高校生も受講可能なものも多いです。 「社会と情報」に関しては、「情報法」「インターネットセキュリティ基礎」などの科目の内容に関係する講座が開講されており、「情報の科学」に関しては、「コンピュータのしくみⅠ」やプログラミングに関した講座も開講されています。
○臨時休業期間における児童生徒用コンテンツの紹介(日本文教出版)
(11)総合的な探究の時間
<工夫例>
○学校で取り組んでいる課題を踏まえながら探究に取り組んだり、レポート等にまとめたりします。
<活用できるリンク集>
○おうちで学ぼう!NHK for School(NHK)
スマートフォン向けアプリあり
(12)特別活動
<工夫例>
○自ら生活や学習の目標や計画を立て、節度ある生活を送り、自己管理を行ってみます。
○家庭等での役割について考え、自ら取り組むことを決めて実践してみます。
<活用できるリンク集>
○おうちで学ぼう!NHK for School(NHK)
スマートフォン向けアプリあり
3 編集後記
対面でもオンラインでも使用することができそうなサイトが多数紹介されています。これらの情報が、少しでも授業のお役に立てれば幸いです。
(編集:EDUPEDIA編集部 徳田美妃)
4 関連記事紹介
「コロナと向き合う」というキーワードの記事はこちらをご覧ください。
「【特集企画】EDUPEDIA×コロナと向き合う」も併せてご覧ください。
また、文部科学省の臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイトを紹介した記事は下記の通りになります。
* 小学生向け学習支援コンテンツ①(文部科学省)【コロナと向き合う】
* 小学生向け学習支援コンテンツ②(文部科学省)【コロナと向き合う】
* 中学生向け学習コンテンツ①(文部科学省)【コロナと向き合う】
* 中学生向け学習コンテンツ②(文部科学省)【コロナと向き合う】
* 高等学校における学習支援コンテンツ 専門教科・科目(職業教科)(文部科学省)【コロナと向き合う】
* 子どもの学び応援コンテンツリンク集①(文部科学省)【コロナと向き合う】
* 子どもの学び応援コンテンツリンク集②(文部科学省)【コロナと向き合う】
* わくわくサイエンスリンク集(文部科学省)【コロナと向き合う】
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