動画をご覧ください
簡単な教具を使ってインステップキックの練習をする方法について記述します。まずは、動画をご覧ください。
子供のサッカーはトーキック(つま先で蹴る事)になりがちです。トーキックではよほどボールの中心を蹴らない限り、とてもコントロールが悪くなります。インステップキックかインサイドキックを用いないと、ゲームが運任せになります。もちろん、インステップキックでもインサイドキックでもそれほどの精度はありません。
ただ、トーキックで球が転がってゆく方向が左右50°程度だとしたら、インステップキックやインサイドキックなら、左右35°ぐらいの範囲に収まるので、少しは狙った方向へパスやシュートを打ち出せるという事です(個人差大いにあり・・・50°も35°もたとえ話で、適当な数字です)。
そこで、今回はインステップキックを練習する方法について書いてみます。インサイドキックに関しては、下のリンク先をご参照ください。
「サッカー」ボールを上手に蹴る ~インサイドキック編 | EDUPEDIA
ひとつ上のレベルへ
なぜ子供はトーキックになりがちなのかというと、インステップキックがとても難しいからです。だからと言っていつまでもトーキックで用を済ませていると、いつまでたってもチームとしてのサッカーが上達しません。いくらパスを出そうとしても、味方がいる方向に飛びません。強いボールも出せないので、カットされる確率も上がります
学校のサッカーの試合で子供たちに考えさせようとして、作戦を立てさせてもボールがコントロールできない限りはアイデアは無効になります。そして、「学校サッカー授業あるある」に陥ります。
コントロールをよくしようとして、教師がインサイドキックを強要するケースもありますが、それではサッカーのだいご味であるダイナミックなプレイがなくなり、チマチマとしたパスのせいで団子状態が発生してしまいます。下記の記事をご参照ください。
サッカーの試合が団子状態にならないように | EDUPEDIA
インサイドキックが無効だと言っているわけではありません。インステップキックもできるようになると、サッカーの内容・面白さがひとつ上のレベルに上がります。
靴のひも、あるいはマジックテープの部分で蹴る
インステップキックは靴のひも、あるいはマジックテープの部分で蹴ることを意識してください。トーキックの「点」ではなくインステップキックは「面」でボールに触れるため、コントロールもよく、強いボールを蹴ることができます。
ところが、インステップキックができるようになるのは、けっこう運動能力が高い子供です。中学生でも・・・いやいや、教師でもそれほど上手にインステップキックができてはいないと思います(個人の感想です)。地面に置いてあるボールにインステップキックするのは、難しいです。そうとう足首を伸ばして平らにして蹴らないとトーキックになってしまいます。
そこで、上の動画のように、ペットボトルを教具にして練習します。
ペットボトルを2つ(細くなっている注ぎ口の部分もいれると3つ)に切って2つの四角柱を作ります。その上にサッカーボールを載せると出来上がりです。これを蹴ります。安くて早くて簡単で効果抜群です。下図のように少しボールがが浮いた状態であれば、かなり簡単に靴ひもの部分に当たります。本人も驚くほど強く、コントロールよく蹴ることができます。
初心者はあまり足首をまっすぐにできないので、勝手にボールが浮きます。浮き球を蹴る技術はサッカーにおいて重要ですが、小学校の授業のサッカーではあまりお勧めではありません。相手の腹や顔に当たることがあり、ケガをしたり慣れていない子供が怖がったりするからです。試合ではゴールをコーンとトラバーで作るようにする、あるいはゴールをハードルにするなどして、あまり無茶な浮き球を蹴らせない工夫が必要だと思います。あくまでこの練習の目的は、インステップで蹴る時に足の甲を面にして蹴る感覚を覚えることです。
また、足の指先を下に向けるように指導してください。そうすることによって自然と足首が伸び、力も入ります。足の指はそれほど下に向けて曲がっているように見えませんので、イメージとして手の指先を下に向けている様子を見せてあげてください。
力はずっと入れ続けるわけではないです。ずっと力を入れると体全体がなって動きもぎこちなくなります。固く力を入れるのは蹴る瞬間です。
そして、蹴りやすい場所に軸足を置くとよいかを体で理解することも大切です。ボールとの距離感が感覚的にわかるようになり、瞬時に軸足を置く場所を見定められるようになれば、かなりの上達と言えるでしょう。子供は軸足の置き場所がボールをヒットする場所の真横と考えがちです。軸足は子供が思っているより少し前に定めるのがよいと思います。
長い期間をかけて少しずつ
このような準備的な練習の必要性に言及すると、
「でもそれ、練習する時間ないですよ。いつ練習するのですか」
という質問を受けることが多いです。確かにやることが多く、時間は少ないですが、年間を通して隙間時間にこうした準備的な練習を挟み込むことによって結果は大きく違ってきます。長い期間で少しずつ積み上げていく中で、子供たちに自信がついてくるため、吸収力が高まって短い時間で練習の効果が上がってくるようになります。1時間まるごとをサッカー練習に使わなくてもいいと思います。
1年生から組織的にこうした基礎練習も取り入れながら積み上げていけば、難しいサッカー授業も盛り上がるようになると思います。
関連記事
下記リンクも是非ご参照ください。
「サッカー」ボールを上手に蹴る ~インステップ編 | EDUPEDIA
「サッカー」インステップキックの練習その1 | EDUPEDIA
「サッカー」インステップキックの練習その2 | EDUPEDIA
「サッカー」ボールを上手に蹴る ~インサイドキック編 | EDUPEDIA
「ボールを単に投げる・蹴る練習」は必要です | EDUPEDIA
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