1 はじめに
この記事は、NPO法人ROJE関東中高まなびプロジェクトが、2024年10月から2025年2月にかけて佼成学園中学・高等学校(男子校)の中学3年生5クラスで実施した、全10回の道徳の授業実践についてまとめたものです。
中高まなびプロジェクトでは、中高生に教科学習に限らない幅広い学びを届けるために、大学生が中学校・高校に行き、さまざまな授業実践を行っています。その中で、今回記事化した活動は「よのなか科」と呼ばれ、生徒たちが自分らしさを見つけ、あるがままの自分を受け入れていくことを目標に活動しています。
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今回は、第7回の授業実践をお届けします。
- 対象:佼成学園中学校3年5クラス(各25~30名程度)
- コマ数:10回(各回50分)
- 授業形態:各クラスでの一斉授業
第7回授業案
授業で使用したワークシート
〇関連記事〇
(関連記事が完成し次第、こちらで紹介します。第4回、第8回は講演会を行ったため記事はございません。)
2 授業の目的
よのなか科の目的(授業を通して生徒さんに目指してほしい姿)
・変わっていくことを前提に、なにものでもない自分も、「○○である」といえる自分も両方楽しむことができる
・自分自身について、多様な視点から知り、前向きに捉えることができる
よのなか科の目標
・自分がどのような要素で構成されているかを考え、表現できる
・他者との関わりを通して、自分や相手の個性を認め、肯定的に受け入れられるようになる
・現時点で、自分はどう生きていきたいのか、自分なりの表現ができるようになる
第7回授業の目標
自分のこれまでの歴史について考える
3 実践
導入(3分)
「去年一番印象に残っていることを考える」
個人で考える(1.5分)→近くの人と共有する(1.5分)
Activity1 自分史マップ(10分)
自分史とは?
これまでの自分を振り返り、それぞれの時期で印象に残っていることをまとめたもの。
個人で記入する(5分)→グループで共有する(4分)
ポイント
- 記入が進まない場合は、話しながら書くと思い出しやすいこともある。必要に応じて共有の時間を調整する。
- 深掘りは次のActivity2で行うので、このActivityでは多く書くことを意識する。
Activity2 私をつくったのは?
人・出来事・言葉など、自分が影響を受けたものを考える。
ポイント
自由度を持たせる。人の場合、漫画・アニメ・学校の先生・家族など自分の人生に影響を与えた人なら誰でもいい。
個人で記入する(5分)→グループで共有する(4分)→クラス全体で共有する(4分)
自分に影響を与えた( ) | 自分に影響を与えた( ) | 自分に影響を与えた( ) | |
答え | |||
どんな影響を与えた? |
※()の中には、人・出来事・言葉などジャンルを記入する。
関東中高まなびプロジェクト

関東中高まなびプロジェクトは、「開かれた教室で学びが拓かれている未来」をコンセプトに、中学生・高校生に向けた授業実践を行っています。
全ての人が、生徒とふれ合い、学び合える「開かれた教室」で、五教科の学習や受験のための学習に限らない「拓かれた学び」を目指しています。
授業案作成者から一言
「あなたの先生は誰?」
授業作成者が最初に立てた問いです。ここでいう先生は学校の先生に限らず、漫画やアニメの主人公や家族など幅広い人物のことを指します。現時点の人生で自分が影響を受けた人は誰かを考えることで、その人の言葉や生き様に目を向けるようになります。憧れの大人を想起すること。それは、「自分ってなんだろう?」という本授業の根本的な問いにつながっていくのです。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 丸山和音)
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