できる子供を優先する ~学力保障のために

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作成者: BEEGEE (Edupedia編集部)さん


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律速段階

化学用語に、「律速段階」という言葉があります。ある化学反応の中で、化学反応全体の時間を決めることになる一番遅い反応をさします。どれだけ他の段階が早くとも、最も遅い反応が終わらないことには、全体の反応は進みません。

この段階は、多くの子供を扱う学校での授業にも存在します。

・Aという段階の指導をしっかり教えていないと、Bという段階の指導が早く進まない。(例えば掛け算をしっかり教えないと筆算の掛け算は進まない)

という状況や、

・学力の低い子供を指導するのに時間がかかり、授業が進まない。

という状況があります。今回は後者の状況について考えを書いてみます。

学習が苦手な子供をどうするか

授業では、多くの子供たちを相手しなければなりません。どの教師も学習が苦手な子供を何とかしたいと思っています。

しかし、学習が苦手な子供にあまり手をかけ過ぎたり、苦手な子供に照準を合わせた授業を行おうとすると、授業の中でできることが限られてきます。そうすると、クラスの中で、理解・スキルの向上をできる見込みのある子供たちの割合が下がってしまいます。

このことは、教師にとって、昔からの大きな悩みの一つです。

授業の内容にもよりますが、私はスキルを育てることに重点が置かれた授業に関しては、「できる子供」を優先するのが全体のためにも良いと考えています。

こんなことを書くと、たいへん冷たいように聞こえるし、酷い教師だと批判を受けるかもしれません。

では、なぜ、できる子供を優先するのか、と言う事を書いてみます。

できる子供

できる子供は理解が早い上に、少しの指示を与えると自分で考えて、先に進むことができます。進んだ地点でさらに難しいことに挑戦する力があります。

例えば算数の学習で、コンパスの使い方を指導した場合、できる子供は教えられたことを忠実に守ってより正確でより濃く線を引くことができるようになります。模様の見本を与えると、それを真似して幾何学模様を作成する事もできます。自分で模様を考えて書いてみて、きれいに色を塗ることができます。あるいは「小さい先生」を何人か指名して、コンパスを使うのに四苦八苦している子供にアドバイスを与えさせることもできます。

この子供たちにかかるマンパワーはそれほど多くありません。

学力の低い子供たちを優先して時間がかかってしまい、できる子供たちに少しですむはずのマンパワーを割かずに、後回しにしてしまうと、力を持っているだけに、フラストレーションをためやすく、クラス全体に不満がたまってきます。

学力の低い子供たちを救うためにも

ですから、まず、できる子供に関わって、学力の低い子供たちには、ヒントなどを与えながら、少し待ってもらいます。短い時間をできる子供たちにかけ、できる子供たちが早く手がかからない状態を作るのです。

水泳指導など、まさにそうで、すぐに泳ぐ見込みのある子供たちを早く見つけ、早く手をかけて泳げるようにして、1コースか2コースを与えてあげれば、後はどんどん泳いで体力づくりをしてもらえばいいのです。

水を怖がる子供などはマンツーマンで対処にあたらなければなりません。水慣れさせるだけでも、たいへん時間がかかり、人手が必要です。ですから、この子供たちにかかるたくさんの時間と人手を確保するためにも、すぐに泳ぐ見込みのある子供たちを先に泳げるようにしておかなければなりません。

もちろん、泳げそうにない子供を放っておいていいというのではありません。泳げそうにない子供たちには、今するべき課題を簡単に与えておいて励ましておいてから、すぐに泳ぐ見込みのある子供たちにかかります。その子供たち自身にも、周囲にも、見放しているように思わせたり、冷たい感じを与えたりするようでは教師として失格です。

できる子供を優先するのは、あくまで学力の低い子供を救うためであるという認識がないとクラスの中に差別的なムードが生まれてしまいます。

教師がうまくマンパワー(人手と時間)の配分を考えながら指導を進めることによって、クラス全体として学力の底上げが図られ、「できる感じ」「向上している感じ」が広がってきます。"

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