「武士の世の中へ」源平の合戦を通してメディア・リテラシーを身につける 前半 (佐藤和紀先生)

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作成者: 佐藤和紀さん

1 はじめに

この実践は資料の写真や参考文献リストをより多く載せるために2つの記事に分かれております。

前半では、この実践の概要や単元観、単元指導計画(10時間)などを紹介し、後半の記事では本時の展開や使用図書の紹介、授業者のコメントなどを紹介させていただいています。

後半はこちら→ http://edupedia.jp/entries/show/932

また、この実践は、東京学芸大学の"先生のための授業に役立つ学校図書館活用データベース”でも紹介されております。学校図書館担当の視点でまとめてあります。HPはこちら→ http://www.u-gakugei.ac.jp/~schoolib/htdocs/

2 概要

単元 

武士の世の中へ(メディアリテラシー)

対象学年

小学校高学年

図書館とのかかわり

一の谷の戦いで源義経が行ったとされる「鵯越の逆落とし」は可能だったかについて問題解決学習を行うために複数の資料を提供する。

提示資料

源平合戦に関わる資料と新聞記事(「逆おとししなかった?源義経」朝日新聞 2012年7月2日)

授業のねらい

義経が行ったとされる「鵯越の逆落とし」は可能だったかについて問題解決学習を行うために、源平の合戦、とりわけ一の谷や鵯越の逆落としに関して書かれている複数の資料を、比較しながら分析的に読むことで「可能だったかどうか」について検証を行うためのもの。著者の立場の違い、表現の違い(マンガ、歴史書、人物紹介、戦法など)で書かれ方、解釈のされ方が違うことに気づかせ、児童の批判的思考力やメディアリテラシーを育みたい。

3 単元の目標

(1)武士のくらし、源平の戦い、鎌倉幕府の始まり、元との戦いとそれらにかかわる人物の働きや代表的な文化遺産を通して、武士による政治が始まったことがわかるともに、それらにかかわる人物の願いや働き、代表的な文化遺産の意味を考えようとする。

(2)この時代の文化財、地図や年表、その他の資料を活用して調べたことをまとめるとともに、武士による政治が始まったことやそれらにかかわる人物の願いや働き、代表的な文化遺産の意味について思考・判断したことを適切に表現する。

4 単元観(学習指導要領との関連、児童の実態、教師の願い)

学習指導要領との関連

本小単元は、学習指導要領第6学年<2内容>(1)「我が国の歴史上の主な事象について、人物の働きや代表的な文化遺産を中心に遺跡や文化財、資料などを活用して調べ、歴史を学ぶ意味を考えるようにするとともに、自分たちの生活の歴史的背景、我が国の歴史や先人の働きについて理解と関心を深めるようにする。」のウ及びエ「源平の戦い、鎌倉幕府の始まり、元との戦い、京都の室町に幕府が置かれたころの代表的な建造物や絵画について調べ、武士による政治が始まったことや室町文化が生まれたことが分かること」を受けて設定したものである。

この内容の中の「源平の戦いについて調べる」とは、平清盛や源義経の活躍などを取り上げて調べ、平氏と戦った源氏が「どのような背景と要因」で勝利を収めたのかが分かるようにすることである。源平の戦い以降、元寇、応仁の乱、長篠の戦い、関ヶ原の戦い、日露、日新、日中戦争、第二次世界大戦と戦いや戦争を通して、文化や時代の変化を捉えていく。小学校社会科の歴史的分野において、長期的な戦いを具体的に扱うのは源平の戦いが初めてである。源平の戦いの調べ学習を通して具体的に歴史的事象を調べ、表現する活動を通して、時代の変化を捉えさせたい。

源平の戦いや源義経に関する出来事には、「事実」とは別に「伝説」や「逸話」として語り継がれているものも多い。本時で取り扱う「一の谷の戦い」の「逆落とし」についても未だに議論されている歴史的事項の一つである。たとえば、平家物語では、義経の勇気ある決断と勇敢な姿が描かれている。しかし、実際に一の谷の戦いは、場所が不確かであり、かつ地形は急な斜面であったことから、本当に馬で駆け下りることができたのか疑問に残る。このように不確かで曖昧な歴史について、それを教科書通りに鵜呑みにするのではなく、様々な資料を調べたり友達の意見を聞いたりする活動の中で、歴史に対して自分なりの意見をもたせたい。

児童の実態と教師の願い

学習に対して「受動的」な姿勢で学習に取り組む児童が多い。出された課題に対しては真面目に集中して行うことができるが、発言や発表となると尻込みしてしまう傾向にある。恊働的学習で問題解決を行っていく中で、主体的に問題へ取り組むことの楽しさを養いながら、自信と自分の意見を言える姿勢を養いたい。

単元の評価規準

  • 武士のくらし、源平の戦い、鎌倉幕府の始まり、元との戦いとそれらにかかわる人物の働きや代表的な文化遺産に関心をもち、進んで調べようとしている。(社会的事象への関心・意欲・態度)
  • 武士のくらし、源平の戦い、鎌倉幕府の始まり、元との戦いとそれらにかかわる人物の働きや代表的な文化遺産について、学習問題や予想、学習計画を考え表現するとともに、武士による政治が始まったことやそれらにかかわる人物の願いや働き、代表的な文化遺産の意味などについて思考・判断したことを、年表や文章、作品などに適切に表現している。(社会的な思考・判断・表現)
  • 武士のくらし、源平の戦い、鎌倉幕府の始まり、元との戦いとそれらにかかわる人物の働きや代表的な文化遺産について、文化財、地図や年表、その他の資料を活用して必要な情報を集めて読み取り、白地図や年表、作品などにまとめている。(観察・資料活用の技能)
  • 武士による政治が始まって新たな時代を迎えたこと、源頼朝が鎌倉に幕府を開き、武士がより大きな力をもつようになったこと、元との戦いが鎌倉幕府の全国支配に大きな影響を及ぼしたことなどがわかっている。 (社会的事象についての知識・理解)

5 単元指導計画(10時間)と評価規準


後半はこちらになります。
http://edupedia.jp/entries/show/932

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 杉田彩)

6 実践者プロフィール

佐藤 和紀 (さとうかずのり)
東京都北区立豊川小学校教諭
上越教育大学大学院で教育工学を専攻。大学院修了後、東京都公立小学校教諭に。第10回文部科学省共催インターネット活用実践教育コンクール実践奨励賞受賞。平成23年度総務省「放送分野におけるメディア・リテラシー教材活用に関する評価研究」委員。保護者と行うメディア・リテラシー学習プログラムの開発、授業におけるICT活用、情報モラル教育等の研究を行っている。現在、NHK学校放送「メディアのめ」番組企画委員。

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