子どもとゲーム機「3DS対策」を考えよう【ネットトラブル・ネット依存から女子も男子も守るため】2015年3月追加

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【小学生:3DS「親子18の約束」】(2014年12月修正案)はまん中あたりです。2015年3月の追加は、親子18の約束(案)の下と、この記事の一番下の2箇所に分けて、のせてあります。

子どもとメディアに関する意識調査の結果から

(日本PTA全国協議会;2012年1~12月調査 小5・中3親子対象)毎年実施
メディアが子どもに与える影響(非常に良い+まあ良い)保護者回答
     2011年→2012年(前年比)保護者の支持率の動向
*テレビ  79,3%→48,4%(4割減)支持率5割届かず
*マンガ  58,6%→27,5%(5割減)支持率3割届かず
*パソコン 52,2%→30,3%(4割減)支持率3割
*ゲーム  39,7%→18,2%(5割減)支持率2割届かず
*ケータイ 21,4%→10,7%(5割減)支持率1割
ここ数年間は大きな変化はなかったようですが、2012年に激変します。メディアに対する信頼度が4~5割減と、不安感・不信感が、保護者の間で一気に高まりました。

原因としては、言葉や画像による悪質な中傷メール、無関係な人も巻き込む無責任な匿名書き込み・なりすまし書き込み等が、2012年に多発したことが1つ考えられます。もう1つは、テレビの地デジ化に伴い、子どもが深夜アニメを録画予約したり、BS・CS放送で1日中、アニメ放送をするチャンネルを子どもが見続けることなどが考えられます。マンガについては言うまでもありません。さらにもう1つは、パソコンも、ケータイ(スマホ)も、親世代が着いていけないほどのスピードで、日進月歩していることが考えられます。

私が気になったのはゲーム機です。ゲーム機に対する親の評価が低いのは承知していましたが、2011年までの親の支持率約4割が、2012年末には2割に届かなくなったのは、なぜだろう?と思いました。学生たちにも聞き、わが家に今ある、最も新しいゲーム機3DS LLの取扱説明書を、すみからすみまで読んでみて、ようやく理由がわかりました。納得です。あとで、くわしく述べます。

これら、パソコン・ゲーム機・ケータイ(スマホ)に対する保護者の不安を軽減するには、子どもをインターネットから守る手立て(子どもたちの学習+フィルタリング+保護者による制限機能[ペアレンタルコントロール])を、小学校も速やかに、毎年くり返して、実行しなければいけません。もうすでに、パソコン対策は小学校で、スマホ対策は中学校・高校で、しておられることでしょう。

3DSは男子にも女子にも大人気(通信機能で遊ぶ低年齢化)

ゲーム機は男の子の遊びというのは以前のことで、昨今は、女の子も夢中です。今や、男女を問わず、3DSは大人気で、2012年に最も多く売れたソフト「とびだせ どうぶつの森」が、2013年も上位でした。発売日には、親や祖父母の大行列を私も見ました。2013年に入って売り出されたソフト「トモダチコレクション 新生活」も販売ランキング上位に入り、DS時代から通称「トモコレ」と呼ばれています。子どもたちは、その年の人気ソフト(例えば、2014なら妖怪ウォッチ、モーハン、ポケモン)を「持っていないと、遊び仲間に入れてもらえない」と言っておねだりする子もいます。また、「みんな、持っている」の、「みんな」って、本当は誰と誰なのでしょう(クラス全員って、ありえません)。

当然ながら、3DS本体には、女の子も好みそうな機能が、あれこれついています。スマホを持たない(LINEみたいなことをしたい)小4~6女子が飛びつくわけです。必然的に、高学年から中学年へと、それらの機能で遊ぶ年代も低年齢化しています。水面下では、おそらく、3DSのネット送受信機能を使った、友だち関係のトラブルが心配です。大人の気づかないところでは、誰にも言えず泣いている子も少なくないと思われます。なんとか手を打たないと・・。ニンテンドーも2013年11月、2つだけ手を打ってくれました。

ということで、今回はゲーム機にしぼって対策を提案します。理由は、「とてつもない3DSのすごさ」の内容を知らない親や教師が多いことと、親も教師もゲーム機3DSの取扱説明書なんか読まない人が大半だということです。今のゲーム機はインターネット機能を備えていることに気づいてほしいからです。

「フィルタリング・・」&「保護者による使用制限」

2014年秋までの3DS取扱説明書には、「保護者による使用制限」について、58ページに10項目(年齢制限、インターネットブラウザーの使用、ニンテンドーeショップ等での商品やサービスの購入、3D映像の表示、写真や画像・音声・動画・長文テキストの送受信、他のユーザーとのインターネット通信、他のユーザーとのすれちがい通信、フレンドの登録、DSダウンロードプレイの使用、配信動画の視聴)が書いています。Miiverseにも「保護者による使用制限」が追加されたので11項目になりました。

子どもを有害なHPから守るための「フィルタリングサービスによるアクセス制限」は「青少年インターネット環境整備法」で18歳未満の子がインターネットを使う時には使用を義務付けられました。2014年秋からのNewニンテンドー3DSは、最初から「フィルタリング機能が有効」な状態で販売されています。無効にするには、クレジットカード(JCB、マスターカード、VISA)の手続きがいるようです(子どもが勝手にできない仕組み)。

小学校低学年には、基本的に「保護者による使用制限」と「フィリタリングサービスによるアクセス制限」の両方をしておくことが出発点と言えるでしょう。そして、お子さんの学年が進み、インターネットを正しく学習し理解が深まるのに合わせて、小学校高学年→中学生→高校生というふうに、段階的に親子で相談しながら「保護者による使用制限」「フィルタリング」を徐々に解除していくのが望ましいでしょう。面倒でしょうが、解除をあわてず急がず、親子の相談を重ねていると、大学生になった時が、お子さんのネットリテラシー(情報ネットワークを正しく利用できる能力)を信頼し、全面解除しても大丈夫だと判断できる時期になるのでしょう。だから、18歳未満への「フィルタリング」義務付けが、「青少年インターネット環境整備法」で定められているのだと思います。ただし、操作を知らないことを理由に親が放任して、やりたい放題させていたら、当てはまりませんが・・。(手順は「親子18の約束(案)」の下の方に載せました)

ニンテンドー3DSでメールも、ネットショッピングもできる!?

わが家にある「ニンテンドー3DS LL取扱説明書」を、詳しく読んでみました。私自身、ゲーム機の説明書を読むのって、実は初めてなのです。とにかく専門用語が多いので、気になる点だけ、学生たちに教えてもらったことと合わせて、子どもへの指導(保護者への啓発)が必要だと感じた部分を紹介します。

インターネットブラウザー
タッチペンを使用した簡単な操作で、3DS本体からインターネットに接続でき、ホームページを見る機能。フィルタリングサービスによるアクセス制限も可能。(危険:要制限)

フリーメール
無料で使えるメールで、GoogleのGmailなどあり。自宅に無線LANの環境があれば可能。おもちゃ量販店・家電量販店・デパートなど街中にあるWi-Fiスポットに行けば特別な設定なしで接続でき、フリーメールの送受信が可能。(危険)

すれちがい通信
他の3DS本体を自動的に探して通信し、ゲームのデータを送受信する機能。3DS(ONの状態)を持つ2人がすれ違うと、自動的に送受信。ゲーム内のアイテムを交換したり、簡単なメッセージのやりとりも可能。(街・店のWi-Fiスポットでは危険)

いつの間に通信
3DS(ONの状態)のスリープモード時(本体を閉じた状態)に、無線LANアクセスポイントを自動的に探して通信し、いつの間にか情報・本体更新データ・無料体験版ソフト・映像などをインターネットより受信し、SDカードに保存する機能。【すれちがい通信】と同様、【いつの間に通信】で得た情報は【おしらせリスト】で確認可。(設定を「受信しない」にできます=親子の約束⑪参照↓)

【3DSカメラ】
本体外側に2つのカメラを搭載、ステレオカメラとして立体的な写真を撮影でき、動画撮影も可能。写真にらくがきしたり、再生速度、音程変更、逆再生も可。(個人情報)

【3DSサウンド】
音楽を聴いたり、音声を録音したりでき、SDカードに保存した音楽の再生も可能。【すれちがい通信】で、「すれちがい相性診断」「すれちがいヒットチャート」も楽しめる、と表記。(要注意)

フレンドリスト
フレンド登録した人のリスト。離れた場所にいるフレンドとインターネットを通じて、通信プレイが可能。お互いにONならば、相手がプレイしているソフトを見ることができ、相手が同じソフトをプレイしていれば、合流することも可能。(要制限)

おしらせリスト
データ通信できた【すれちがい通信】の情報や【いつの間に通信】で受信されたメッセージを確認できる機能。【すれちがい通信】のお知らせを停止したり、お知らせの配信そのものを停止することもできる。(要制限)

【いつの間に交換日記】2013年11月にニンテンドーがサービス停止
タッチペンによる手書き方式の日記ソフトで、【いつの間に通信】や【すれちがい通信】を使って、フレンドとの交換日記が可能でした。交換した日記に対してコメントを相手に送ることもでき、SDカードに入っていました。(すでにサービス停止)

【Miiスタジオ】
いろいろな顔のパーツを組み合わせて、自分や友だちの分身として、Miiというキャラクターをつくることができる機能。【3DSカメラ】で撮った写真を利用でき、Miiの登録は、最大で100人まで。(要注意)

【すれちがいMii広場】
【すれちがい通信】などで、多くのMiiを集めたり、自分の【すれちがいMii】を送ったりすることが可能。(要注意)

【顔シューティング】
自分や友だちの顔を撮影し、写真をゲームのキャラクターとして使う遊び。いろいろな顔をたくさん集めると、遊べる内容が増える仕組み。(要注意)

ニンテンドーeショップ
いろいろなソフトの情報や映像を見たり、ダウンロードソフトを有料購入できるが、クレジットカードなどの手続きが必要。と安心していたら、いろんな価格帯のニンテンドープリペイドカードがコンビニで売ってあり、子どもが親に内緒でネットショッピングできることが問題になっていて、これはネット依存&金銭トラブル両面で要注意。(要制限)

Miiverse(ミーバース)
Miiを使ったTwitter形式の新しいコミュニケーションサービス。既にWii U、PC、スマートフォンで展開していて、ゲームプレイヤー同士でSNSが可能。3DSでは、2013年12月からMiiverseの閲覧や書き込み・投稿ができる。(危険:要制限)

ニンテンドー画像投稿ツール
ゲームで撮影した画像にコメントやハッシュタグ(♯付きキーワード)をつけ、ツイッターやフェイスブック等へ投稿できる(小学生には不要では・・)。

【「レコチョク」コミュニティ】
2014年秋から3DS向けにも音楽配信ソフトが・・。5日間100円か30日間300円で、10ジャンル別に分けて流される曲(好きな曲を選んで聞けない仕組み)を聞ける。Miiverseと連携。気に入った曲の購入も有料(小学生には不要では・・)。

ニンテンドーネットワークID
ニンテンドーネットワークID(店で買ったソフトをアップデートするためにも必要なID)の登録は無料です。3DS購入時に登録しているはずです。ただ、このIDを削除・消去すると、ダウンロードしたデータも消えるという、やっかいな存在でもあります。ですから、例えば、店で買ったポケモンのソフトに不具合が見つかったお知らせが来た場合、ニンテンドーeショップでの購入、インターネットブラウザーなど10項目全部「保護者による使用制限」をしていても、そのパスワード(子どもに教えないこと)を入力したら、一時的に「保護者による使用制限」が解除され、ポケモンのソフトをアップデートすることは安心してできます。しかし、そのパスワードを、ついうっかり子どもに入力させてしまったら、「保護者による使用制限」の解除も子どもが自由にできるわけです。その対策「暗証番号の変更」→「保護者による利用制限」の設定手順は、下記の「小学生:3DS親子18の約束(修正案)」の下に載せてあります。

以上、ニンテンドー携帯型ゲーム機「3DSの持つ驚くべき機能」は、もはや、携帯型ゲーム機の枠をはるかに越えています。もちろん、ソニーの携帯型ゲーム機PS Vitaも、据え置き型ゲーム機のニンテンドーWii U、ソニーのPlayStation 3、PS 4も同様です。また、Wi-Fiスポットは街の商業施設にあるというイメージでしたが、無線ラン環境がある個人住宅:横の歩道もWi-Fiスポットになりえます。例えば、そのお宅が2階窓際(歩道側)に無線ラン・ルーター(親機)を置いておられる場合、壁際の歩道がWi-Fiスポットになり、近所の子どもたちが3DSのインターネット機能を使えることになります。そういう場所に、3DSを持った小学生が集まっているのを、見かけたことはありませんか。

中高生に必要な「スマホの指導」の「ゲーム機バージョン」対策が、小学生にも必要な時代に、もう、とっくに突入しているという事実を、先生方は、どなたもご存じでしたでしょうか。私は、今回、取扱説明書を読むまで、全く気づいていませんでした。まさかの・・・不覚でした。

小学生にどんな指導をすればいいのでしょう(保護者への啓発も)

それで、ネット教育アナリストの尾花紀子さんが翻訳された、スマホ《18の約束》を参考にすれば、小学生の3DSやPS Vita、Wii U、PlayStation3等のゲーム機にも応用できると思いました。【中学生も高校生も最初のスマホ《親子18の約束》】(尾花紀子さんによる)は前回の記事で紹介したので、ここでは省略します。

このスマホ《親子18の約束》を参考にしつつ、わが家にある「ニンテンドー3DS LL取扱説明書」を読みながら【3DS親子18の約束】の例を考えてみました。修正しましたが、まだまだ荒削りの案ですので、どんどん改良してご活用ください。一番大事なのは、親子が心を開いて「わが家の約束」を相談できることなので、そんな親子関係を築き直せるチャンスだと受けとめ、お子さんと向き合ってください。

【小学生:3DS「親子18の約束」】2014年12月(修正案)

①3DSにはインターネット機能があり、パソコンに近いゲーム機なので、家族(責任共有)の持ち物であることを、いつも忘れない。

②まず、説明書の「保護者による使用制限」のページを全部、親子でいっしょに読んで相談しながら、親子の合意(親子がお互いに納得した約束=わが家のルール)の上で使う。

③3DSを使っていいのは夕方△時から△時まで。(△は親子で相談して決める)。夜ふかしはダメ。(ゲーム機は目がさえて眠たくならない=睡眠不足・朝寝坊になる=生活リズムがくずれます)

④ゲームソフトは、対象年令を守る(例:12才以上対象ソフトは×)。取扱説明書P58には「年齢制限」と表示。12才以上対象(年齢区分B)、15才以上対象(同C)、17才以上対象(同D)、18才以上のみ対象(同Z)は「保護者による使用制限」可能と表記。

ネットと接続したり、eショップで購入しなくても、3DSは十分楽しめる。「保護者による使用制限」可能。子どものうちから、プリペイドカードでネットショッピングする習慣をつけてほしくありません(小学生の金銭感覚がマヒします)。

3D映像の表示をしなくても、3DSは十分楽しめる。「保護者による使用制限」可能。取扱説明書10ページに「6才以下の子どもには・・」と書いているが、7才以上なら大丈夫なのでしょうか?

【Miiverse(ミーバース)】で書き込み・投稿をしたり、フリーメールや画像投稿ツールを利用しなくても、3DSは十分楽しめる。「保護者による使用制限」可能。(小学生には危険)

⑧他のユーザーとのインターネット通信をしなくても、3DSは十分楽しめる(例えば、4人で集まり同じ対戦ゲームをする時、3DSのワイヤレス通信機能:本体横スイッチ:で遊べるから)。「保護者による使用制限」可能。他人には、個人情報(ID・パスワード、家族のこと、自分のこと、写真も)を絶対に教えてはいけません。自分の3DSのIDかパスワードか個体識別番号を、うっかり教えてしまって、自分の「データを消された?」「データを取られた?」と言っていた子どももいます。(⑤⑦⑧は小学生の危険地帯)

⑨他のユーザーとの「すれちがい通信」をしなくても、3DSは十分楽しめる。「保護者による使用制限」可能。街(店も)のWi-Fiスポット(ネットにつながる所)では、子どもになりすました大人が、この機能で個人情報を集めて(個人情報を売買して)いるかも・・と、いつも忘れないこと。

⑩「フレンド登録」しなくても、3DSは十分楽しめる(仲のよい友だち同士ならよいと言う人もいるが)。「DSダウンロードプレイ」とともに「保護者による使用制限」可能。

⑪「いつのまに通信」でダウンロード無料ソフト・体験版ソフトが配信されなくても、3DSは十分楽しめる。「保護者による使用制限」がないので、「設定」で「いつの間に通信」を「受信しない」に設定しましょう。「自動」に設定しないことです。「無料ソフト」とはオンラインゲームなら「有料:課金」部分がついてくるし、「体験版ソフト」とは子どもが体験したら買いたくなる「お誘い」ですから。

配信動画の視聴をしなくても、3DSは十分楽しめる。「保護者による使用制限」可能。

「ネットいじめ」から自分を守るため、まず、自分自身が人の悪口や意地悪なことを、3DSのMiiverse(ミーバース)機能の書き込みでも絶対しない2013年11月にニンテンドーが交換日記のサービス停止)。フリーメールも同様です。人を傷つけるネットいじめ・トラブルが後を絶たないこと(書き込み・投稿は二度と消せない現実)を知ること。

写真や動画を撮るより、体験そのものを大切にする。自分の写真を送ったり、人の写真を受け取ったり、人の写真を送ったりしないネットに流出した写真は、二度と消せない現実を知ること(2013年11月にニンテンドーが写真交換サービスは停止したけど・・)。

何時間も3DSを続ける(はまる)依存症にならないように気をつける。親に注意されたらしっかり受けとめて、時間管理をできるように具体的な取り組みを親子で相談する(=これがスマホ対策のスタートでもあります)。

3DSなしの生活もできるように、できれば3DSを使わない日もつくり、家族や友だちとの直接の会話・コミュニケーションをもっと大事にする(人とのつき合い方を実感すると、壁が消えて、うれしくなるよ)。

周りの出来事にも目を向け、人の目を見て会話し、自然を五感で感じ、感動できることを探す(きっと必ずあります)。

⑱約束を破ったら3DSを親に返す。親子で話し合い、一からやりなおして、親子で共に「学び直し」をする(親のひと言で、子の意欲を↑↓します)。

【2015年3月追加】

・18才未満は、保護者の責任の元で使うことを、親子で再確認する。
・18才未満は、フィルタリングが義務づけられていることも、再確認する。
・パスワードは、必ず親が再設定して、子どもには教えない。(来週の記事)
・「保護者使用制限」11項目を確認して、どれを制限するか相談する。
・「いつの間に通信」は「保護者使用制限」がないので「自動」にしない。
・相手の立場を想像して、思いやりのあるコミュニケーションをする。
・身近な人づきあいが苦手にならないように、お手伝いなどを一緒にする。
・人に対して、平気で失礼なことは絶対にしてはいけない理由を知る。
・3DSを安全で安心して正しく、使えるモラルとマナーを身につける。
・学校・友だち・習い事・イヤだったこと・体・不安・心配事など、すぐに、何でも相談し合える親子関係をつくっていく。

「保護者による使用制限」は、できる限り、親子で相談・納得・合意することが望ましいでしょう。親の押しつけにならないこと、子どもの言いなりにならないこと、そして、約束できた数より、親が意識してほしいのは、親子の絆と信頼関係を深めるための話し合いだと忘れないことです。

「暗証番号の変更」→「保護者による利用制限」の設定手順

お子さんが3DS購入時にID登録した際、子ども自ら「暗証番号」を入力している場合、親が「保護者による使用制限」を設定する手順を説明します。お子さんと相談・納得・合意した上で、「HOMEメニュー」→「本体設定」→「保護者による利用制限」→「変更する」→「暗証番号」(お子さんが設定した番号)を入力することで「制限項目の選択」「暗証番号の変更」ができるはずです。お子さんが「暗証番号」を忘れていても、お子さんが設定した「秘密の質問」に正答できたら、「保護者による利用制限」はできます。ただ、「暗証番号」か「秘密の質問」を覚えているお子さんが入力すれば「保護者による利用制限」解除もできてしまうので、お子さんが知らない新たな「暗証番号」「秘密の質問」に変更する必要があるわけです。

次に、お子さんが「暗証番号」も「秘密の質問」も忘れていた場合、お子さんと相談・納得・合意した上で、「HOMEメニュー」→「本体設定」→「保護者による利用制限」→「暗証番号を忘れた方はこちら」で「忘れた」をチェックすると→「お問い合わせ番号8桁~10桁」が画面上に出ます。その番号をメモして、ニンテンドーテクニカルサポートセンターに電話で伝えると→「マスターキー5桁」を教えてもらえます。その「マスターキー5桁」をメモします。先ほどの「お問い合わせ番号8桁~10桁」画面右下の「OK」をチェックして「マスターキー5桁」を入力すれば、「制限項目の変更」も「暗証番号の変更」もできるはずです。しかし、手順に困ったら、ニンテンドーテクニカルサポートセンターのオペレーターに電話で教えてもらいながら、3DS を操作して入力していくのが確実です。ただし、問い合わせで電話する人が多く、つながりにくい状態が続くことを覚悟しておきましょう。受付開始の午前10時がつながりやすいかも・・。なお、お子さんが知らない、新たに変更した「暗証番号」「秘密の質問」は、自分が忘れないようにメモしておくことが重要だと、つけ加えておきます。

まとめ(提案)「後追い指導にならない、先手を打つ生徒指導を」

以上をたたき台に、今からできそうなことだけでも、親子で納得できる約束をしてみてはどうでしょうか。スマホ同様、ゲーム機も、自分がされたらイヤなことは、人にもしてはいけない・・それは自分を守るためです。もうすでに買い与えてしまった後でも、気づいた時がスタート・・これが子育て(子どもの心を守り育てること)の基本と言えます。他のゲーム機、PS Vitaや、Wii Uや、PS 3、PS 4も同様です。この親子の相談は、いずれスマホの時にも生きてきます。

もはや、ゲーム機とパソコンの境界線はありません保護者への啓発の実施時期を、「そのうちに」と、のん気に構えている「時間的猶予はもう既にない」と思いましょう。子どもたちは、とっくに3DSの通信機能を自在に操って遊んでいるのですから。

子どもたちが、このまま3DSを好き勝手にやりたい放題やっていたら、問題が起こらないはずはありません。後追い生徒指導に追われる前に、先手を打つ生徒指導⑬⑭⑮⑯⑰積極的な生徒指導を}、学校ぐるみで早急に展開していきましょう。

たたき台の原案は、不十分な内容ですが、上記のとおりなんとか準備しました。まだ、子どもへの指導や保護者への啓発の、具体策をとっておられない学校があれば、ご検討くださり、この原案を自由に改良して、家庭との連携&生徒指導に活用していただければ幸いです。3DSのさまざまな通信機能に振り回されないで、自律できる子どもに育ててやってください。いじめ防止対策推進法第14条「ネットいじめ防止に必要な啓発活動」にも、ちょうどあてはまるのではないでしょうか。

2013年11月2日の新聞に「ニンテンドーが【いつの間に交換日記】と【写真交換】ができるサービスを停止したと発表・・」と書いてありました。その頃から【保護者による使用制限のCM】をテレビで見るようになりました。これらは、全国各地で【いつの間に交換日記】と【写真交換】に関わる深刻な問題が多発した「しるし」です。私の知る範囲でも、この2つの機能を利用した陰湿なネットいじめが発生しました。この2つのサービス停止の理由を想像しましょう。3DSのインターネット接続機能は要注意(ネット依存・ネットいじめ・ネット犯罪を要警戒)なのです。そういう抜け道情報のキャッチは、子どもたちの方が大人より速い気がします。YouTubeで、プリペイドカードの使用手順を未成年が教えています。子どもたちは、コンビニでニンテンドープリペイドカードを買えて、街のWi-Fiスポット(インターネット無線ラン環境のある個人宅のそばも含む)に行き、3DSでネットに接続すれば、ニンテンドーeショップでほしいソフトやアイテムなどを買えることも、やり方も知っているわけです。小学生向きゲーム雑誌の、付録DVDにニンテンドーeショップの利用方法(ダウンロードソフトを購入する手順)が紹介されている場合もあります。子どもが親に内緒でネットショッピングにのめり込まないで!と、ただただ願うばかりです。

以上、子どもになりすまして個人情報を収集する「情報屋」と呼ばれる人や、ゲーム関連商品の売り上げを伸ばしたい人や、ゲーム機を大切?に思う人には、この記事はゲーム機に対する知識理解が足りないのかも知れません。しかし、子どもたちを、ネット依存・ネットいじめ・ネット犯罪などから守ることを最優先したいので、あえて、少々つけ加えました。それから、どの子の気持ちを一番に考えるべきか・・やっぱり被害を受けた子どもの気持ちでしょうか。その子を二度と被害に遭わせないためであり、他の子も同様の被害に遭わせないためだから、です。

小学生「ゲーム機10ヵ条の憲法」(案)

以下のEDUPEDIA記事(2015年2月27日投稿)に転記いたしました。【小学生:ゲーム機10カ条の憲法(案)】を、実際に授業で使ってみたからです。

高学年の参観授業「ゲーム機でネット・トラブルに巻き込まれないために」と【小学生:ゲーム機10カ条の憲法(案)】いずれスマホのためにも

https://edupedia.jp/article/54e96879262f7500001abda7

終わりに(子どもをネット被害から守ろう)

3DSでは、2013年12月から、配信されたアップデートにより、Miiverse(Twitter形式でSNSができる新しいコミュニケーションサービス)で書き込み・投稿ができるようになったことは、たいへん気になるところです。3DSユーザー(ゲームプレイヤー)はMiiverseneの機能で、文章や手描きイラストやスクリーンショットを使い、感想・自慢・発見を語り合ったり、眺めたり共感した書き込みに、コメントや「そうだね」をつけて交流できるところに落とし穴があると思いましょう。わなを仕掛けるのは不審者だからです。

たいへん気になる理由・・そういうパッと見には大丈夫そうなところ(じつは大丈夫とは言えない)の、すぐ近くにこっそりと潜んでいるにちがいない、「交流サイト」などと呼ばれる「ID掲示板」「IDフレンズ掲示板」「友達募集掲示板」や、「悩み相談」と称する「体の悩み相談」(偽物です)などには、決して近づいてほしくないからです。子どもや相談員になりすました危険なサイトだと思いましょう。

やりすぎたら、やめたくてもやめられない依存症になっちゃうことこれって大丈夫かなと疑うのを忘れないこと困ったら、すぐ大人(親や先生)に相談すること自分や家族のことは絶対に教えないこと知らない人とネット上で遊ばないし、決して出会わないこと。この5つは、くり返し指導したい項目です。

【2015年3月追加】

スマホ向けオンライン無料ゲームで人気のあるパズル&ドラゴン(パズドラ)[ガンホ]、モンスターストライク(モンスト)[mixi]の課金方法は、iTunes Card・Google playギフトカードだけでなく、docomo・au・ソフトバンクや、コンビニのレジなどでも支払うことができるようです。どちらも課金で月100億円以上の売り上げがあることを新聞が報じていました(要注意)。つまり、無料でゲームをしているうちに、無料部分だけでは思うようにいかない(速度が遅くなる)ストレスで、つい課金して有料アイテムなど買ってしまう・・そんな仕組みに中高生が安易に乗せられていないか、心配です。そんな時こそ、率直に相談・対話できる親子関係であってほしいと願います。ですから、次の項目を入れます。

親が一番忘れてはならないこと=話し合える親子関係

「保護者による使用制限」は、できる限り、親子で相談・納得・合意することが望ましいでしょう(親の押しつけにならないこと、子どもの言いなりにならないこと)。親が意識してほしいのは、約束できた数より、親子の絆・信頼関係を深めるための話し合いだと忘れないことです。ニンテンドー3DSについて、親子双方にとってよい相談ができたなら、それは、いずれスマホを持たせる時にも、フィルタリングや使い方の約束について、立場・意見の違いがあっても相談し合える親子関係、の土台がつくれる第1歩になったということです。3DS~スマホを通して、信じ合える親子になる絶好のチャンスにしましょう。これを面倒だからとスルーしたら、わが子が中高生になった時、親は大変困ります。思春期の子どもは親以上にメッチャ困るでしょう。(先に楽すれば、後から苦あり、です)

子どもになりすまして個人情報を収集する「情報屋」と呼ばれる大人や、ゲーム関連商品の売り上げを伸ばしたい大人が存在する今の社会です。ターゲットは子どもたち(業者間で取り引きされる子どもの個人情報の価値は大人の数倍)です。2013年11月にニンテンドーが【いつの間に交換日記】と【写真交換】ができるサービスを停止した代わりかもしれない・・Miiverse(ミーバース)。3DSでは、2013年12月から、配信されたアップデートにより、Miiverse(Twitter形式でSNSができるコミュニケーションサービス)で書き込み・投稿ができるようになりました。3DSユーザー(ゲームプレイヤー)はMiiverseの機能で、文章や手描きイラストやスクリーンショット(画面写真)を使い、感想・自慢・発見を語り合ったり、共感した書き込みに、コメントや「そうだね」をつけて交流することができます(トラブル多い)。たいへん気になるところです。

気になる理由・・そういうパッと見には大丈夫そうでも(大丈夫じゃない)、すぐ近くに悪意を持った大人もこっそりと潜んでいて、あまりにも危険すぎる、「交流サイト」などと呼ばれる「ID掲示板」「IDフレンズ掲示板」「友達募集掲示板」や、心的外傷後ストレス障害PTSDを引き起こすかもしれない「動画サイト」や、「体の悩み相談」←(親身に相談に乗るふりをしながら信用させてから、露出度の大きい写真を送るよう指示する極めて悪質なサイト=不審者)等には、決して近づいてほしくないからです。

くどいようですが、やりすぎたら、やめたくてもやめられない依存症になっちゃうこと。これって大丈夫かなと疑うのを忘れないこと。困ったら、すぐ大人(親や先生)に相談すること。自分や家族のことは絶対に教えないこと。知らない人とネット上で遊ばないし、決して出会わないこと。この5つは、くり返し指導したい項目です。2014年秋から発売されたNEWニンテンドー3DSには、それまでの3DSとちがって、最初からフィルタリングが設定された状態で販売されています。それでも「保護者による使用制限」は、IDとパスワードを入力しないと制限を設定できません。ですから、IDとパスワードは、子どもではなく、親が管理する必要があるのは、旧型と同じです。お忙しいのはわかりますが・・。(学校だより・学年学級通信などでも、ご活用ください)

なお、2011年7月よりネット依存治療研究部門(TIAR)を開設し治療を始めておられる独立行政法人国立病院機構「久里浜医療センター」に注目しております。

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コメント

コメント一覧 (4件)

  •  任天堂SNS《Miiverse》妖怪ウォッチ2掲示板で、小学生がネット接続して、見知らぬ人に、ゲーム機の機体番号をおしえてデータを交換、彼氏彼女が大量に投稿されているのをご存じでしょうか。
     人気ゲームで親は単純に買い与え、無防備にネット接続、Miiverseが規約違反の注意書き、3DS画面に表示はされるようになりました。しかし、小学校低学年では習っていない漢字を出しているために、意味がありません。
     任天堂にもメールで質しました。結果は、開発に伝えるで終了でした。子どもの被害は確実なものとなっています。今一度、お子様のゲーム機によるネット接続について、注意喚起が必要かと考えます。

  • 貴方の意見を伺いたいので、長文失礼させて下さい。
    お伺いしたい事は記事全体の要点からは少し離れます。

    「子供が深夜アニメを録画予約する」ことについて。太字により強調している為、
    これについて貴方は快く思っていないようですが、
    これはどういった観点からの考え方なのかをご教授願います。

  • 返答が遅れ、申し訳ありません。説明が言葉足らずでした。太字にした理由は、子どものテレビ視聴時間が、夕方から夜にかけての番組と、親に内緒で録画予約した分を合わせると、かなり長時間になってしまったと、後から気づいた保護者さんから、「ゲームの時間も、テレビの時間も、親子で相談すればよかった」というご意見を、直接複数の方からお聞きしたからです。話し合える親子関係を構築するきっかけになれば、と思いました。

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