「読み聞かせ」の工夫12例

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作成者:matui hiroshi (Edupedia編集部)さん

無理のない読み聞かせを

 「読書の時間」「読み聞かせ」を取り入れている学校は多いと思います。朝の読書の時間の特別バージョンであったり、読書週間の特別企画であったり、それぞれの学校が工夫をしながら読書習慣の定着を進めていると思います。
 読書と学力の相関関係も各種研究で様々なデータが発表されています。たいていの場合は、読書は学力向上に効果があるとの結果を導いています。ただ、読書が苦手な子供がいることは確かです。読む・聞くの両方が苦手な子供もいると思います。私自信がそうです。食べるも含めてインプット全般が弱いのです。

 それでも、いくらかの工夫があれば、インプットが苦手な子供でも、少しずつ本(字)を読むこと、話を聞くことが好きになったり楽になったりします。この稿では、読み聞かせを行う時のいくつかの工夫を挙げておきます。
読み聞かせは「担任→子供」というベーシックなパターンが多いと思います。朝の時間や国語・道徳の時間、給食の時間等、カリキュラム上、時間の確保にも気を配る必要はあるかもしれません。時間の確保は難しいかもしれませんが、もうひと工夫して変則的な読み聞かせをすることによって、子供の喰いつきが良くなることがあります。子供が「お話し好き」になるきっかけとしての「読み聞かせ」の「担任→子供」以外のパターンをいくつか挙げてみましたので、お試しください。
個人でできること、学校全体での読書教育として取り組むといいことなど、いろいろな工夫が可能だと思います。あまり大がかりなことを企画しようと考えず、手軽に、気楽に、長続きする読み聞かせができるといいですね。

姉妹記事として、
読み聞かせは大切な機会
朝の読書
も、是非お読みください。
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1.「文」の一部や続きものとして

読み聞かせを企画するにあたって難しいのは時間の確保です。特に上級生に対して読み聞かせをする場合、一冊全部を読むには時間がかかりすぎます。そこで、場面を限定して、前後はダイジェストでまとめ、「紹介」を目的とした読み聞かせにしてもいいと思います。何も、全部を読み聞かせする必要はないと思います。
あるいは、何回かに分けて、「つづく」で引っ張るのもいいかもしれません。
一部を紹介した場合は、どこか目立つ場所にその本を置いておくのもよいかもしれないですね。誰かに紹介されたと言う記憶が、本とともに頭の中で紐づけられて、読書意欲を高め、誘導要因になる可能性が広がります。
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2.PTA・学生等のボランティア

最近は学校と地域の連携が進み、このパターンはけっこう多いかもしれません。朝の授業開始前の時間や長い休み時間、放課後などに子供たちに読み聞かせる時間を設けて、子供が読み聞かせを体験する機会を増やせるといいですね。
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3.上級生(1)・・・1対多

2学年ほどの差があれば子供の能力はずいぶん違います。上級生と下級生を組み合わせるには、時間の工夫が難しくなる場合もあるかもしれませんが、例えば、給食が配膳されている間の待ち時間に当番制で下級生の部屋に行く時間を設けるなど、工夫はできると思います。図書室等のスペースを開放できるならそういった場所で「読み聞かせタイム」が行われている事を告知して、子供たちを休み時間や放課後に集めるというのも工夫ですね。人員の整理がむずかしいかもしれませんので、告知の仕方(今日は2年生だけ)や整理の仕方(20人までね)も、工夫が必要です。
上級生から下級生に読み聞かせをさせる場合は、聞く方だけではなく、読む方も鍛えられます。上級生に悉皆で読み手にならせる場合は、つたない読みの子供は鍛えておく必要はあるかもしれません。また、選ぶ本もあるていどのチェックが必要かもしれません。
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4.上級生(2)・・・1対1(1対少)

いくら上級生であっても、音読が苦手な子供にとって、「1対多」の状況で本を読むと言う事は、なかなか大変なことです。私自身、読字能力が低いうえに、活絶もよくないので、けっこう読み聞かせはハードルが高いです。
音読が苦手な子供にとっては、「1対1型(1対少)」の読み書かせの機会を作ってあげるのが良いと思います。学校によっては空きスペースが多いところもあると思いますので、朝の時間や昼休みなどに、異学年で1ペアを作って様々な場所で読み聞かせを行えます。教室で1対1は難しいので、廊下や階段にスペースを作って待ち合わせて、そこで読み聞かせをするのです。
音読が苦手な子供が、下級生との1対1であれば、生き生きと、声に表情をつけながら読んであげている場面に感心したことがあります。単なる読み聞かせの効果だけではなく、縦割活動として、下級生への慈しみや上級生への尊敬を醸し出すチャンスでもあります。
また、何回かに1回は、上級生への読み聞かせを混ぜる事も面白いかもしれません。6年生になってひさしぶりに聞く1年生の国語教材は、懐かしいだけではなく、何らかの学習機会にもなると思います。
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5.教師(1)・・・本に集まる

ある本の「読み聞かせ会」が告知され、読み手が教師であるというのも、面白いかもしれません。「『海辺のハリー』読み聞かせ会」と銘打って、「読み手『お楽しみ」」とかにしておくと、低学年だけではなく、高学年も興味を持つかもしれません。校長や教頭が時々登場するのも面白いかもしれません。
ちなみに、私はけっこうこの本を読みます。高学年にもそこそこ好評です。


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6.教師(2)・・・突然、クロスして

例えば朝の読書タイムがある場合、何回かに一度は担任がクロスして読み聞かせに登場するのも面白いかもしれません。誰が来るのかは分かりません。いつも見飽きた、聞き飽きた担任ではなく、誰が来て何を読み聞かせるのか、子供たちはワクワクすると思います。これも、時々、校長や教頭が時々登場するのも面白いかもしれません。お兄ちゃんの担任や、一年生の時の担任が登場すれば、それもまたいい刺激になると思います。また、教師にとって、教室の壁を打ち破るチャンスでもあります。
もっとクロスさせて、近隣の学校の教員が現れる機会を作ってもいいのではないでしょうか。あまり規模を広げるとしんどいですが、多種多様なクロスが生まれると面白いと思います。
また、一斉に教師がクロスするという企画も面白いです。学校全体である日の朝の会の時間等を設定し、教師の読み聞かせ会を行い、何年何組に誰が登場するのか分からない状況で教師が登場します。
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7.NHK「お話しの国」

この番組、大人が見ても面白いです。様々な工夫をするだけの余裕がないなら、朝読書の何回かに一度は、この番組を見せてあげる機会を設けてみてください。
http://www.nhk.or.jp/kokugo/ohanashi/
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8.プロジェクター

書画カメラとプロジェクターがあるなら、挿絵を拡大して読み聞かせをするのもいいかもしれません。プロジェクター活用に関しては、下の記事をご覧ください。
プロジェクターを授業で活用しよう
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9.子供のリクエスト

子供に「読んでみたい本」「みんなにも読んでもらいたい本」のリクエストを取っておいてもいいですね。できれば、後者は「なぜ読んでもらいたいのか」というリクエストの理由も添えてもらうと、ちょっとした読書紹介の指導として成り立つかもしれません。
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10.保護者のリクエスト

保護者に「みんなにも読んでもらいたい本」のリクエストを取っておいてもいいですね。できれば、「なぜ読んでもらいたいのか」というリクエストの理由も添えてもらうと、子供たちの興味を引くと思います。なかなか難しいのですが、保護者による本の寄贈ももっとあっていいように思います。
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11.紙芝居

けっこういい値段になってしまうのが予算的に厳しいのですが、紙芝居はこのTV・ネットの時代になっても何故か子供の興味を引きます。EDUPEDIAでも、電子紙芝居を提供できたら・・・と思っているのですが、どなたか協力していただけませんでしょうか??
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12.目標の設定

 読書習慣と言っても、毎日、あるいは定期的に子供たちに読書習慣をつける指導を行うのはそう簡単ではありません。私の知り合いの教師で、「1年生を受け持った時、絶対に1日に1回の読み聞かせを行った」という方がいました。子供に「絶対に先生は、1日1回の読み聞かせをするからね」と宣言したら、やらないと子供が終わりの会で告発することになっていたので、後に引けなくなって1年間やりとおすことができたそうです。この、終わりの会で告発というルールは大事だそうで、朝一番から何度も「せんせー、よみきかせはしないのぉー」とせがまれるとしんどいので、「やらなかった場合は終わりの会で言ってね。そうしたら次の日は2回やるからね」とか言って逃げられるとのことでした。こうした目標を自分の中に掲げておくこと、あるいは公言する事によって、持続可能な読み聞かせを実現できます。ちなみに、その教師は、「時間的に苦しい日は何度もあった。そのために、短くたって何度読んでも楽しい本をリストアップしておいて、繰り返し読んであげた。または、1ページだけ読んで、『はい、続きは明日のお楽しみ』もありにした」と言っていました。ショート読み聞かせ本のリストの中には、「いないいないばー」も入っていたそうです。これが1年生には受けて、大喜びで、盛り上がったとのことです。

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