同調圧力的学級経営はいかがなものか

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作成者:matui hiroshi (Edupedia編集部)さん

1 同調圧力

多かれ少なかれ、多人数を相手に担任(授業)をしていれば、同調圧力をかけている場合はあると思います。自分の座席に座らせることも、一人一人が納得をするまで対話を続けていたらきりがありません。年々、我慢ができなくなってじっとしていられなくなっているように思える昨今、ある種の圧力をかけなければ、またたくまに授業は成り立たない状況に陥ります。そんな時、
「山本君、姿勢がいいねえ。」
というのも、同調圧力の一つでしょう。
「山本君みたいでないのは誰かな、その人は失格ですよ。」
と、暗にほのめかしているわけです。
良い方をほめるならまだしも、自分の学級経営にそぐわない子供を排除して(あるときは徹底的に、あるときは暗に)、教師に従わねばならない空気を作り上げるのも同調圧力ですね。
「山田君がやったことはいけないことだと思う人、手を挙げて」
と、みんなに手を挙げさせて圧力をかけるシーンはあるあるですね。
全ての同調圧力が悪いとは私には言えません。私自身もあの手この手で子供たちが良い方向へ同調し、悪い方向へと同調しないように圧力をかけている時があります。おどしたりおだてたりしながら、なんとか1年間で学級集団がまともに育ってくるというのが現状です。
日本社会は多数になびく傾向があり、同調圧力がかかりやすい気質だと思います。
ちなみに、いじめの「広がり」は子供同士による同調圧力が働いていることが多いと思います。

2 同調圧力が強すぎる

学級集団を上手にまとめる教師には不思議なオーラがあります。それがその教師の生まれ持った才能であるのか、努力の末に身につけた力であるのかはわかりません。少なくとも学級集団を見事に同調させることができる教員は「実力がある教員」とみなされることが多いし、確かにそれはひとつの才能です。

同調圧力をかけられる教員は学級集団をまとめられる優秀さがあるのだろうけれど、あまりにも同調圧力が強すぎると、子供は歪んできます。子供が、「先生が言ったことをみんながきいている。これはプレッシャーだ、従わなくては仲間外れになる。まずいぞ。」と、強く感じているようでは、同調圧力が強すぎるかもしれません。それは危険なことです。

3 同調圧力が強すぎると

同調圧力が強すぎるかどうかは、なかなか外からの判断はしにくいですし、同調圧力が強すぎる本人には自覚しにくいものです。
担任の前では羊(猫)をかぶっていても、担任がいない状況(音楽や図工などの専科の授業、あるいは担任が休んだ時の後任の学級経営)では野生のジャングル状態になる学級があります。そんな時にはよく、「担任は優秀で学級をまとめているのに、専科(後任)はぜんぜんだめだ」と言われることがあります。担任の同調圧力の魔法が解けてその反動で圧力がかかっていた子供たちが急激に膨張(暴調?)しはじめます。あるいは動揺して情緒不安定になり、泣き出す子供が出る場合もあります。

そんな場合の責任は、半ば担任にあるといえるでしょう。子供たちは担任の圧力(魔法)に対してただ良い子を演じていただけとも言えるからです。子供たちが内面から育っていたわけではないと言えます。
担任がいてもいなくても、子供たちが立派に行動するのが本当に立派なクラスなのだと思います。

4 同調圧力を減らした学級経営ができるか

同調圧力が強すぎるかどうかを判断するのは難しいところです。教師は「これはやりすぎかな、ちょっと陰険かも?」と常に自問自答、自覚ができるようになっていなければなりません。圧力をかけた時には、「どうしても力量不足の自分にはこの圧力が必要なんだ」と、自分の力量不足を認識していることが必要だと思います。
日本の様に1クラスの児童生徒数が最大40人というたいへん数の多い状況で、同調圧力をかけずにやり通す教師は本当に才能があるまれな教師だと思います。とことん子供と話し合い、子供の中から善なる力を引き出し、納得解を得ながら学級をまとめるのは難しいことです。しかし、本当に子供を、学級集団を内面から育てたい場合には、どれだけ子供に自分で考えさせて納得解を見出させるかが大事です。「人に迷惑かけるのはまずいから、授業中は私語を慎んで座っていようか」と自然に思える自分たちになれるかどうか。そしてどれだけ自分の中で、自分たちの中で多様性を認めつつ、正しい価値判断ができるように育てるかです。同調圧力をなるべきかけずに学級経営をしていくには長い時間がかかるし、本当に力量がないと難しいことではありますが…

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