教師の叱る力を高める

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作成者:Sakiko Noharaさん

1 はじめに

この記事は、NPO法人いきはぐで活動なさっている吉田忍先生に取材し執筆したものです。
NPO法人いきはぐは、『子どもたちの『生きる力』をはぐくむ教育を広める』をビジョンに掲げ、子どもたちが幸せに生きるために必要な教育を、講演や講座を通して広く社会に発信しているNPO法人です。詳しくはこちらをご覧ください。
NPO法人いきはぐ

2 「怒る」と「叱る」の違いとは

まずはじめに、怒ると叱るの違いをはっきりと理解しましょう。
「怒る」=for me
「怒る」とは、その人自身のために怒ること、つまり自分の防御反応。自分がイライラすることに対してそのイライラを回避するためにとる言動や行動をいいます。
「叱る」=for you
「叱る」とは、相手の成長を促すための手段の一つです。叱ったことによって、叱られた本人が、叱られたことによってもう一度頑張ろうと思えているかが大事なポイントになります。

心理学的には叱ることは「挽回への励まし」といいます。叱った行為によって、叱られた本人がもう一歩頑張ろうと思えていないと、それは叱ったことにはなりません。例えば、女子シンクロナイズドスイミングの監督・井村さんの叱咤激励は選手に通じていて、「挽回への励まし」を体現しています。メダルを取ったとき選手みんな口を揃えて言う「先生のおかげです。」がそれを証明していますよね。叱る時に最も重要なことは、本当にその人に愛情を持っているかどうかということです。

3 叱る力を高める

叱る基準を明確にして、それを子ども達に伝える

例えば、、
教師が「思いやりのある子どもを育てたい」というクラスの方針をきめた場合、どの行為が思いやりのある行為か否かということを子ども達にも判断してもらうために、基準を明確にしてそれを子ども達に伝えておく必要があります。先生が正しいと思うことをたくさん書き出しておいて、それに沿って判断して叱ることが大事です。(例:最後までお互いの話を聞いているか。聞きながら会話しているか。途中で相手の会話を遮っていないか。など)クラス運営の上手い先生は、自分の決めた基準に対してなるべく多く子どもの行動パターンを考えていますね。また、そのような軸を書き出すときには、個人の主観になってしまいがちなので、それを防ぐためにも他の先生に見せたりなどして工夫することをお勧めします。

伝えるときは短く理由を明確にする

もう一つは大事なことは伝え方です。注意することは以下の3つ。

  • 相手に伝わるように短く伝える。(長くても3分くらい)
  • 理由を明確にする
  • 人格否定はしない

4 叱らずにクラスをまとめることは可能なのか

叱らずにクラスをまとめていくことは可能です。しかしずっと褒めっぱなし、叱りっぱなしとなると、叱る効果がなくなってしまいます。つまりここで大事なのはバランス。心理学的には8割褒める、叱る2割がいいと言われています。この8割の中で、生徒が自分のことを認めていると感じるからこそ、残りの2割の叱る部分が効果的になるのです。

5 叱る前に大切にしたいこと

教師の叱る意図が子どもに正確に伝わるためには、日頃の関係作りが大切です。
基本的には生徒が先生に何でも話せる、話しやすい環境をつくっておくこと。そして、その子は、どんな得意なことがあって、どんな時にストレスを感じていて、どんな夢を持っているのかなど、この人は自分のことを理解してくれているなという安心感を、日頃の関わりの中で作ることが大切なのです。

6 最後に‥叱る力とは

叱る力、それはその子どもたちのことをどれだけ思えるかということです。それは同時に、叱っている自分をどれだけ信頼しているかということにもなります。自分を信頼しているということが前提にあって、それがあるからこそ相手をおもんばかれることができ、同時に相手にも思いやりをもつことができるのです。自分を信頼する、つまり自分の決めた基準に自信を持つことや相手を思う力があれば、言い方ややり方を工夫しながら相手を思いやって叱ることができるでしょう。

7 セミナー・本の紹介

今回取材した吉田忍先生(いきはぐの教育コーチ)のセミナーが開催されます。みなさん奮ってご参加ください。
テーマ:今年度の「大振り返りセミナー」
成功も失敗も経験しただけでは、成長へとつながらないことがあります。年末に振り返ることで、経験を意味付け価値付けでき、磨かれた強みや改善すべき点を明らかにすることができます。 また1年の始まりを、振り返りから立てた目標をもってスタートすることができ、より充実した1年を過ごせるようになります。吉田先生のもとで、コーチングアプローチにより1年間を振り返りましょう! ぜひ、ご参加ください。

■ 先生のためのコーチング合宿セミナーIN横浜 ~一年間を振り返る2016~
■ 日時 平成28年12月23日(祝金)~24日(土)
■ 講師 吉田忍(ビジネスコーチ・教育カウンセラー)
■ 会場 横浜市野島青少年研修センター
   http://yokohama-youth.jp/kenshu/
■ 参加費 8,000円 1泊2日 2食付
(両日宿泊無4,000円、23日のみ3,000円 24日のみ2,000円)
■ 定 員 宿泊限定20名
※ 11月13日(日)までに最少催行15名に満たない場合は延期になる場合があります。
■ 申し込み http://kokucheese.com/event/index/427905/

『トップ1割の教師が知っている「できるクラス」の育て方 』(〇✕イラストでわかる!) 学陽書房
著:吉田忍・山田将由 ¥1,944 

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