音楽会の合奏を盛り上げるために(2) ~準備すべきこと

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作成者:matui hiroshi (Edupedia編集部)さん

音楽会の合奏を盛り上げるために(1) ~「楽器選び」と「詰める」こと
も、ご参照ください。

1 音楽会は要となる行事

 音楽会を毎年・隔年などで開いている学校は多いと思います。11月頃に音楽会を持ってきて、年度の後半が音楽会の練習で音に溢れてスタートする学校も多いのではないでしょうか。運動会と並ぶ大きな行事として、音楽会をどう乗り切るかで学級・学年の後半のムードが変わってきます。
 保護者が観客となって子供たちの演奏に期待を寄せて見に来るため、成功すれば盛り上がります。全員が集中して演奏すると独特のパッションが生まれ、小学生の演奏でありながらも心を打たれる時があります。一方で、失敗をすると子供たちの中に倦怠感や挫折感が漂う結果にもなりかねません。それで担任(学年スタッフ)の力のなさが子供や保護者に露呈するようであると、まずいことになってきます。

音楽会の合奏を盛り上げるために ~「楽器選び」と「詰める」こと
も、ご参照になってください。

2 まずは、教師がやって録音しておく

合奏に入る前に、主要な楽器を教師が練習しておくといいですね。初期段階で役に立つと思います。メロディーを奏でている主要楽器を教師が演奏して、ボイスレコーダー(ICレコーダー)等で録音しておくのもいいでしょう。教師の人数が足らなければ、何人かの最初から上手な子供を加えて、録音しておくのもいいでしょう。
その録音に合わせてパート練習をさせるといいと思います。最近のICレコーダーは安価な割に機能がよくて使いやすいです。スピーカーを付ければラジカセの代わりになりますので、おすすめです。パート別練習で教師が演奏し録音しておいたメロディを頼りにしながら何度も反復して練習させると上達が早まります。

3 ゴールを見せ、イメージを持たせる

合奏に入る前に、個人練習・パート練習をさせようとして、時間をかけてあちらこちらで練習させようとしたけれど、なかなか上達が見られないという時がありませんか。はじめのうちは、子供たちは全体像が見えていないために全体の演奏の中で自分の楽器がどこでどう絡んでいくのかがわかりません。
そこで、上述したように曲全体を録音したものを聞かせながら練習しましょう。
もし、見本になるビデオが手に入るのであれば、2回ほど見せてあげるといいと思います。1回目は全体の流れを見るようにさせて、出来上がりの様子をつかませるといいでしょう。

4 2・3の楽器を抽出して演奏させる

全部で合奏をすると、自分ができているかどうかもわかりませんし、楽器と楽器がどう絡んでいるのかもわかりません。そこで、2・3の楽器を抽出して演奏させ、聞かせます。例えば、木琴と小太鼓はほとんど同じリズムだとか、オルガンと鍵盤ハーモニカがきれいにハモっているとか、気にとめていなかったベース音がこんなふうに響いているのだとか、気がつくことは多いと思います。少ない種類の楽器で演奏することによって多くの音が重なり合って一つの合奏が構成されていることがわかってくると思います。
別々のパート数名だけで演奏させるのも緊張感があっていいと思います。
各パートの楽器同士の音が重なり合ってはじめて素晴らしい演奏になるのだという観点を持たせて演奏させることによって、子供たちの一体感も生まれてくると思います。

5 パート練習も2・3の楽器でグループ編成する

 パート練習では、同じ楽器を集めて練習させることが多いかも知れませんが、初期段階が終わって、そこそこの理解が進み、技能がついてきたら、リコーダ3人、鈴2人、木琴2人といった組み合わせを作って小編成で練習させるのもいいと思います。

6 音を出さないという演奏です。

自分の出番にばかり興味があり、休符が続くと飽きてきて、よそ見をしたりだらけたりする子供もいます。集中力を持続させるために、「音を出さないという演奏です」「休符の間も演技です」と、休符が続く間もみんなで演奏している時間であり、みんなの演奏を聴き、気にとめるという役割があることを自覚させましょう。
「君たちが聞いていなくてお客さんが聞いてくれるわけないでしょう?」

7 鳴らさないで、奏でなさい

ある程度個々の練習が進んできたら、全体としてどう聞き手に伝えるのかを考えさせる段階が必要になってきます。最初は何とか必要な音を必要な場面で鳴らしているという状況だと思いますので、そこからレベルを上げていかなければなりません。
低学年に「奏でる」という言葉はやや難しいかも知れませんが、高学年なら、雰囲気は伝わるでしょう。
「少し高級な話をします。楽器は『楽器を鳴らす』と言いますが、『楽器を奏でる』という言い方もあります。『鳴らす』はいろんな音の時に使えますが、『奏でる』は楽器の時だけに使います。
「これは楽器なんだ、この楽器でハーモニーを重ね合わせて演奏する、つまり『奏でる』のだという気持ちを持って下さい。」
この後、実演ができるなら、実際に鳴らしている(雑に演奏)場合と奏でている(心をこめて演奏)場合を聴かせてあげるのがいいでしょう。
「つまり、ただ音が鳴ればいいというというつもりではなくて、人の心に音楽を届けるつもりで演奏をしてほしいと思います。」
「“自分が”大きな音を鳴らしてストレスを発散する場ではありません。“お客さんが”喜び、感動するようにみんなで音を奏でるのです。」
リコーダーが上手な子供や教師がいれば、息遣いで「鳴らす」と「奏でる」が全く違うことをデモンストレーションできると思います。
 こういう話を普段の音楽の時間にしておいてあげるといいですね。

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