発達障害の子どもを叱ってはいけない理由

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1 はじめに

この記事は、LITALICO 発達ナビのホームページに掲載されている記事を、発達ナビ編集部の許諾を得た上で、文章やテキストの一部をEDUPEDIA読者向けに再編集した上で転載したものです。

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3 発達障害の子どもを叱ってはいけない理由

幼稚園から小学校に就学して間もない1年生の子どもたち、とくに発達障害の子どもたちが安心して学校に通えるようにするために、先生方に注意していただきたいことがあります。

それは、自由保育の幼稚園で先生から押さえつけられることなく過ごしてきた発達障害の子どもが小学校に上がると、今までの環境から一変して上からガツーンと押さえつけられるような叱られ方を経験することで、一気に二次障害に陥ってしまう子どもがたくさんいるということです。

○発達障害児に厳しく怒鳴ると、どんなことが起こるのか?

1. 多くの発達障害児は耳に入る音や身体に触れられることに敏感です

多くの発達障害児は、聴覚や触覚などに過敏性があります。

女の人の甲高い声や男の人の大声は、耳元でドラを鳴らされたかのように大音量に響いているようです。

耳元で大音量に聞こえる人間の声にパニックになると、指示はほとんど聞き取れず、子どもが冷静に行動することが難しくなってしまいます。

2. 気持ちの切り替えが苦手です

気持ちの切り替えが苦手な発達障害の子どもは、怒鳴られて不快な気持ちになってしまうと、そこからなかなか抜け出すことができません。

不快な気持ちをなんとかするため、パニックになるのだそうです。

また、嫌な記憶は数年経っても鮮明に残り、フラッシュバックとなって本人を苦しめ続けます。

3. 極端な考え方をする傾向があります

発達障害の子どもは極端な白黒思考をする傾向があるようです。

1度嫌なことがあると、「ここは嫌な場所だ」とか「先生に怒鳴られた自分はダメだ」という考えになり、後からどれだけ励まし説明しても、辛い記憶に引きずられて思考がネガティブな方向へ傾いていきます。

それまで「この場所は楽しいところだ」と思えるよういろいろな準備や工夫をしていても、1度嫌な体験をすると、その思い出は嫌な記憶になるようです。

このネガティブ思考を、程よいところまで戻すためには、たくさんの励ましと成功体験が必要になってきます。

○怒鳴るより簡単!発達障害児に伝わる、指示のコツ

発達障害児に指示をする場合、怒鳴って言い聞かせるよりもずっと簡単な方法があります。それが、CCQというテクニックです。

CCQとは、

C(Calm) = 穏やかな声で

C(Close) = 子どもに近づいて

Q(Quiet) = 静かな声で

というものです。

発達障害の子どもを叱りたくなることはあると思います。しかし、パニックになっている子どもたちを行儀が悪いと判断するのではなく、CCQを心掛けて子どもの笑顔と成長を促していきましょう。

適切な方法で指示を出せば、子どもも落ち着いて行動できるでしょう。もし指示が分からなかったとしても、穏やかに話しかけられれば、子どもがパニックになることは減るはずです。

子どもの成長を願うのは、先生も保護者も同じです。
そのための方法は、1つとは限らないと思います。

4 編集後記

この取り組みは発達障害の子供たちだけではなく定型発達の子供たちにも適用できるものだと感じました。最後の一文にもあるように、教育の方法は1つではありません。いつもは叱っている発達障害,定型発達の子供も、一度、CCQを意識した対応を試みてはいかがでしょうか。
(編集・文責 EDUPEDIA編集部 大山瑞稀)

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