褒め言葉のシャワーで自己肯定感①

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作成者:福山 浩平 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

本記事は、岡篤先生のメルマガ「教師の基礎技術~褒め言葉のシャワー追試~786号~791号」から引用・加筆させていただいたものです。
子どもに対して全員がコメントをし、良い影響を与えるにはどのような点に注意すべきかを書いた記事です。
岡篤先生のメルマガはこちらを参照ください。→http://archive.mag2.com/0001346435/index.htm

2 実践内容

褒め言葉のシャワー

「褒め言葉のシャワー」は、前に立つ子どもに対して全員がコメントをつけるという実践です。私はクラスの実態を踏まえて「褒め言葉のシャワー」に取り組むことにしました。私はこの取り組みをしたことがないため、菊池先生の本を読み直しました。私が褒め言葉のシャワーの取り組みを知り、その効果も理解しながらも実践できなかった理由は、時間がかかり過ぎるというところにあります。「全員が順番に褒め言葉を受ける側に立ち、全員がコメントする」という原則を守ってこそ、この実践の意義があると考えました。しかしこれを行うには時間がかかります。そのため実践を行うことができませんでした。

■実践に必要な心積もり

しかし、現在のクラスにこの取り組みが効果的であり実践するならば徹底する必要があります。中途半端に行っただけでははかえって不公平感が生まれたり、時間をかけた割に成果が出ない、ということが起こります。毎日全員がコメントするということは軽い気持ちでは続きません。そのためクラスの子ども達に、この取り組みをする意義をじっくりと話しました。その上で時間の設定も工夫しました。

■褒め言葉のシャワーのポイント

褒め言葉のシャワーは、クラスにとっても、教師にとっても、新たな取り組みです。この実践の特徴は毎日、全員が前に立つ子に対してコメントするという点です。例えば「掃除用具を整理していました。」などの良いところについてコメントします。これが実践のポイントです。

■実践のタイミング

元々実践されていた先生は終わりの会で行っています。
しかし、私の場合、次のようなことを心配しました。

  • 終わりの会が長引くことで、子ども達に不満感が出る
  • このことが、すぐにコメントできない子への批判などマイナスの雰囲気を作る
  • 私自身がつい忘れてしまう

そこで、終わりの会ではなくその日最後の授業時間の最初に行うことにしました。心配としては、コメントの順番が回ってきたときに「褒めることなんかない」と言ってしまってコメントがでないということです。そこで、二つの対策を考えました。

▼対策①

コメントを出しやすくするための工夫は席順です。
日番は、出席番号順にしています。それでも、朝になって「誰だった?」ということがあります。そこで、褒め言葉のシャワーで1番目になる子を一番端の列の一番に前にして、そこから出席番号順に席を変えることにしました。これで、「明日はあの子か」、「こんなすごいことをしたこの子はいつ回ってくるのか」と、考える可能性が高まります。子ども達にはくり返し、「今、クラスに一番大切なことだから」といっているので、特にこの席替えに対する不満は出ませんでした。

▼対策②

もう一つは、考え方の指導です。子ども達には、褒め言葉のシャワーを意味のあるものにするに、3つのことを話しています。

  • 感じる力を高めること
  • 友達のよいところを意識して見ること
  • 見つけた良いところを勇気をもって表現すること

■取り組み前の心配

褒め言葉のシャワーの取り組みは慎重に始めました。毎日、全員がコメントするというのはなかなか大変なことです。コメントが浮かばないことも想定されます。なかには、直前にけんかして「こんなやつ、ほめるところなんかない」などと言い出す子もいる可能性もあります。そこで前述のように席順を変え、3つのことをくり返し話しました。さらに、最初のうちは、褒め言葉のシャワーの時間になるまでに「言うこと決まった?」などと声をかけて回り、確認していました。

■子どもの反応

やり始めたときの感想として以下のようなことがありました。

  • 形式的な褒め言葉も少なくなかったがそれでも日番の子はうれしそうにしていた
  • 褒め言葉を言えない子はほとんどなかった
  • 時間も思ったほどはかからなかった

このように褒め言葉のシャワーの時間は手応えを得ることができました。褒め言葉のシャワーの実践に可能性を感じた理由はコメントの質に向上が見られたことです。

■日番の変化

前に立つ子どもの変化として、発言する子どもの列の前に移動して聞くようになりました。私が中央に子どもを立たせていたところ、一人の子が自然と列の前まで移動して発言を聞くようになりました。それを取り上げてほめると、以降定着しました。また、ほとんどの子が「はい」「ありがとうございます」などの返事をするようになりました。どちらも最初は子どもから出たことです。

■発言側の変化

  • 感じる力を伸ばそう
  • よいところを意識して見よう
  • 勇気をもって表現しよう

という、感じる・見る・表現ということを最初のうちは毎日くり返しました。「同じ友達の様子を見ても何も感じない子と『あっ、あの子自分からそうじ道具を片付けてる』って感じられる子がいる。すぐには変わらないけど、少しずつ感じる力を伸ばしていこう。」というような褒め方の例を提示して説明しています。難しいことを言っているという自覚はありましたが、実際に子どもの発言の向上が見られました。

3 執筆者プロフィール

岡 篤(おか あつし)先生
1964年生まれ。神戸市立小学校教諭。「学力の基礎をきたえどの子も伸ばす研究会(略称学力研)」会員。硬筆書写と漢字、俳句の実践に力を入れている。(2017年7月2日時点のものです)

4 書籍のご紹介

『読み書き計算を豊かな学力へ』2000年

『書きの力を確実につける』2002年

『これならできる!漢字指導法』2002年

『字源・さかのぼりくり返しの漢字指導法』2008年

『教室俳句で言語活動を活性化する』2010年

5 編集後記 

このようにして子どもに対して全員がコメントをすることによって様々な効果がありました。褒め言葉をシャワーのように浴びせることで想像もできない効果も得られます。
授業や終わりの会などで活用してみてはいかがでしょうか。
(文責・編集 EDUPEDIA編集部 福山浩平)

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