1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
シリウスのホームページはこちら→ 静岡教育サークル/シリウス
2 実践内容
先日、あるスノーボード選手の服装が話題になった。腰パン、鼻につけたピアス、着崩したワイシャツが「個性的なのか」「品格がないのか」が議論の対象になった。問題視する声も多かった。
子どもたちと一緒に、この服装問題について考えた。まず新聞の記事を読み聞かせ、
この選手の服装は、個性的だと思いますか。品格がないと思いますか。
子どもたちの考えは両方に分かれた。
〈個性的〉 6人
- 代表なら結果を出せばいいから、格好なんていい。品がないわけではない。昔の固い頭を切りかえるべき。
- 高校生の意見に「見た目よりも、実力や中身で判断してほしいと」とあり、私もこの意見に少しだけ賛成です。
- 皆がしっかりした格好の中で、そういう格好をしているので、別に文句をつけなくてもいいと思うし、いい子で見るよりいいと思う。
- ここはまだ日本の中から、外国に行ったときにしっかりすればいい。結果はこの人の実力なのだから、そのままでもいいと思う。
- 個性があっていいと思うし、見た目より中身だと思う。
〈品格がない〉 21人
- 代表の選手がこんな格好をしたら、みんながいいことだと思って真似してしまったりするから。
- 他の人は、ちゃんとした服装をしているし、日本代表なのだから、ちゃんとした服装をした方がいい。
- もしオリンピックで悪い結果をとったら、みんなに非常識だと批判されると思う。たとえ結果が良くても、プラスマイナスゼロになってしまうかもしれない。
- 会見でも「反省してまーす」だから、絶対に反省はしていないと思う。
「見た目より中身が大事」という話が何度も出された。すぐに結論は出さずに、1回目の記者会見の映像を見せた。
この選手の何が一番の問題だったのだと思いますか。
班ごとに一番の問題点はどこにあったのかを考えた。
- あの服装は、するとき、する場所が違っていた。
- 自分のことをかっこいいと思っているのだろう。ナルシスト?
- 反省の態度が悪かった。
- 服装と態度
- 言葉や口調
多くの班が〈態度が悪かった〉ということで一致した。個性とは、一体何だろうと考えさせられる。
私は、個性とは社会一般で認められている能力を補って余りある力のことだと考える。いわば、当たり前の上に築かれているものである。その当たり前のものが、朝起きたら「おはよう」、親切にしてもらったら「ありがとう」、悪いことをしてしまったら「ごめんなさい」と言えることである。個性の下敷きになっているものは、案外こうした簡単なことなのかもしれない。思うに任せた好き勝手は、野生と呼ばれても仕方のないことである。そんなことを話して聞かせた。
授業の感想
- 個性はそれでいいけれど、代表やテレビに出るときはしっかりしてほしい。
- 人は見た目よりも中身の方が大切だと私には思いました。見た目がよくても中身が駄目だったら、ダメだから。
- やっぱり見た目は中身に影響してしまうことがわかった。あとその逆もある。
- 個性などの2文字の深い意味がわかった。
- すごく難しい問題だなと思いました。私は中身だと思います。個性にもいろいろなパターンがあると思う。
- やはりしっかり謝らなくてはだめだし、オリンピックに出るのだから、服装もしっかりしなくてはダメだと思う。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
(2015年1月時点のものです)
4 書籍のご紹介 (シリウス関連)
クラスがぎゅっとひとつになる!成功する学級開きルール&アイデア事典
5 編集後記
道徳の授業として、答えの出ない問題について議論をするよいきっかけになると感じました。どちらが良い、とは言い切れないこと、物事の見方が一面的ではないことに気付かせることができるのではないでしょうか。ぜひ、ご活用ください。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 佐竹琴奈)

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