1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
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日本の[機械工業]は、MADE IN アジアに変わるか ~身の回りのMADE IN JAPANをさがせ ③ 社会科(シリウス) | EDUPEDIA
これからの日本の工業を考えよう ~身の回りのMADE IN JAPANをさがせ ④ 社会科(シリウス) | EDUPEDIA
2 実践内容
これまでの学習で、日本の工業について次のことを学んできた。
- 昔多かった[繊維工業]は中国にとって替わられたこと
- [機械工業]が盛んなのは日本の技術力に支えられていること
- [食料品工業]も昔は多かったが、今は減ってしまったこと
さて自分の家から MADE IN JAPAN 以外のものを持ち寄るとその中にちらほら機械製品が含まれていた。これを問題に取り上げた。
MADE IN 外国のものを探すと、テレビやラジカセなどにも中国製や韓国製のものがある。最近アジアの国々からの輸入が著しい。
職員室のビデオや教室のテレビもアジア製であった。このことを裏付ける資料を配って、内容をかみ砕いて説明した。資料を読んだところで
これからの日本の[機械工業]は[繊維工業]と同じようにどんどん減っていくのだろうか?
子ども達の予想は〈減らない〉13人〈減る〉1人だった。
〈減らない〉
- 自動車工業で働く人の人数は、7万2400人で、働いている人はこんなにいるからこれから一気に[繊維工業] みたいになっていくというのは変だと思うから減らないと思う。
- 1998年では[機械工業]が38%で、年がたつとどんどん人が増えてきて生産額もあがっているから[機械工業]は減らないと思う。
- 最近コンピュータや自動車はなくてはならないものになったから。[機械工業]が減ったら昔の生活に戻ってしまう。
確かに自動車産業に牽引されて機械工業は好調なようにも思えるが、関税の引き上げや自動車のITC化がどのように響くのかまで考えるのは子供達には難しいかもしれない。
一方〈減る〉はしっかりした理由を見つけることができなかった。このままでは討論にならないので、別の資料を提示して子ども達をゆさぶった。
日本の電気機器の輸入量と輸出量の変化です。グラフを見て気づくことは何ですか
ネットで「日本 電気機器 輸出入 推移」で画像検索して得た資料を見せた輸入量が増え、輸出量が減っているのが分かる。
- 電気機器の輸出量が減っている。
- 輸入がどんどん増えている。
- 輸出がどんどん減っている。
このグラフ以外にも、テレビの輸出入に関する新聞記事などを提示した。また、家にある家電のメーカー名を調べてこさせたところ、日本のメーカー以外の製品がかなり浸透してきていることも分かった。もう一度、
これから日本の[機械工業]は[繊維工業] と同じようにどんどん減っていくのだろうか?
と問うと〈減る〉3人〈減らない〉9人となった。
〈減る〉
- 輸出が輸入よりも多くなっているから
- 家電類の輸出が増えているから
- 日本が機械製品を作るには、原料を輸入しなくてはいけない。原料がなくなったら作ることができなくなってしまう。
〈減らない〉
- 21世紀はロボットの時代とあって、人間と共生できるロボットが生まれてくるから。今、最新型の携帯電話が増えていてテレビとか新しいのが出てくるから[機械工業]は忙しくなると思う。
- [主な国の産業用ロボットの数]というグラフを見ると日本はまだ好調。日本の技術が発達しているから、これから先ももっと技術の発達していくと思う
- 日本はロボットを作ったり排気ガスのでない車を作っている。自動車産業が好調だから減らないと思う。
- 自動運転の車ができていたり、居眠り警報装置などもできている。こういうのを買いたい人はたくさんいるからいらないと思う。
- 意見を変えるんだけど、資料集に新素材ができていると書いてあって、こういう新素材を使ってまた新しいものができるから減らない。
このように〈減らない〉が優勢を占めた。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。

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