本単元で身に付けたい資質・能力
日本が明治維新を機に欧米の文化を取り入れつつ近代化を進めたことについて理解する。絵画・写真資料や文化財、地図や地球儀、統計や年表などの各種の基礎的資料を通して、情報を適切に調べまとめる技能を身に付けさせる。また、明治時代の近代化の特色、出来事や人物の関連や意味を多角的に考え、それらをもとに説明したり議論したりする力を養う。そして、明治時代の近代化について、主体的に学習の問題を解決しようとする態度や、よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度を養う。
単元の評価規準
知識・技能
絵画・写真資料や文化財、統計や年表などの資料で調べ、必要な情報を集め、読み取り、廃藩置県や四民平等などの改革、文明開化による社会の変化などを理解している。
思考・判断・表現
世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などから問いを見いだし、この頃の世の中の様子を考え、適切に表現している。
主体的に学習に取り組む態度
明治時代の近代化について、予想や学習計画を立てたり、学習を振り返ったりして、主体的に学習問題を追究し、解決しようとしている。
単元の展開【1~6時】
1時 新しい世の中へ
・「明治時代の初め(1872年)の高輪の様子」から、人々や建物、乗り物の様子を個人で読み取る。
・個人で読み取ったことを班で共有する。
・「江戸時代(1850年ごろ)にえがかれた高輪の様子」と比べ、どのような変化があったのかを個人で考える。
・個人で考えたことを班で共有する。
・新しい時代に変わっていった理由を班で話し合う。
2時 黒船が来た
・ペリー艦隊と防備を固める人々の絵から、当時の人々や幕府が黒船来航をどのように捉えていたかを個人で読み取る。
・個人で読み取ったことを班で共有する。
・ペリーが来航した目的や幕府の対応について個人で調べる。
・個人で調べたことを班で共有する。
・外国と結んだ条約の内容をつかみ、それによって国内にどのような影響があったのかを考え、学習問題(例:「明治の新しい国づくりは、何を目ざして、どのように進められたのだろう。」)をつくり、学習計画を立てる。
・個人で振り返りを行う。(くまでチャート)
3時 江戸幕府がたおれる
・幕末の米の値段の移り変わりのグラフなどから、江戸幕府に対する人々の不満が広がっていたことを全体で読み取る。
・武士の中からも、幕府の政治を批判する勢力が出てきたことを個人で調べる。
・個人で調べたことを班で共有する。
・江戸幕府が倒れた経緯と要因を個人でまとめる。
・個人でまとめたことを班で共有する。
・個人で振り返りを行う。(くまでチャート)
4時 新政府による国づくりの始まり
・岩倉使節団についての資料から、明治政府がどこから新しい政治や文化を学ぼうとしていたのかを全体で読み取る。
・五か条の御誓文から、政府がどのような方針で国づくりを進めたのかを個人で調べる。
・個人で調べたことを班で共有する。
・政府が行った諸改革を調べ、それによって社会がどのように変わったのかを個人で考える。
・個人で考えたことを班で共有する。
・個人で振り返りを行う。(くまでチャート)
5時 欧米の国々に追いつけ
・地租改正や徴兵令について資料を活用して個人で調べる。
・個人で調べたことを班で共有する。
・産業を発展させるために、政府がどのようなことを行ったのかを個人で調べる。
・個人で調べたことを班で共有する。
・調べたことを通して、政府はどのような国を目ざして国づくりを進めたのかを個人で考える。
・個人で考えたことを班で共有する。
・個人で振り返りを行う。(くまでチャート)
6時 人々の暮らしが変わった
・明治初め頃の東京の様子の絵から、まちなみや人々の様子の変化を全体で読み取る。
・学校制度や暮らしにどのような変化があったのか、絵画や年表などから個人で調べる。
・個人で調べたことを班で共有する。
・福澤諭吉の業績について調べ、人々の生活や考え方の変化、現代の暮らしへの影響を個人で考える。
・個人で考えたことを班で共有する。
・「まとめる」(P.182)も活用して、本単元の学習をまとめ、学習の過程を振り返る。(くまでチャート)
多面的に物事を整理する「くまでチャート」
アイディアを出すときや多面的に物事を見ることができるツールとして「くまでチャート」があります。本単元では「くまでチャート」の4つの場所にあらかじめ視点(江戸幕府たおれる・新政府による国づくり・欧米の国々に追いつけ・人々の暮らしや文化)を設定し、毎時間の振り返りの観点として使えるようにしています。この観点をもとにして、学習問題の「何を目ざして、どのように進められたのだろう」の振り返りをすることができます。

参考出典
・教育出版「令和6年度版『小学社会6』年間指導計画・評価計画」
・社会科教育2023年6月号
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執筆者プロフィール
nanalalala
元小中学校教員。「思考を深める」(アクティブラーニング・思考回路図の活用など)、「安心して学ぶことができる」(ユニバーサルデザインを意識した授業計画・環境整備など)、「SST」「理解教育・インクルーシブ教育」などを意識し、教育活動・学習活動などに取り組んできた。現在は自身の経験を伝えるWebライターとして活動中。

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