『日本の歴史』武士の政治が始まる(教育出版6年社会科)~思考ツールの活用(Xチャート)~

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目次

本単元で身に付けたい資質・能力

武士による政治が始まったことについて理解する。絵画資料や文化財、地図帳や年表などの各種の基礎的資料を通して、情報を適切に調べまとめる技能を身に付けさせる。また、武士による政治の特色、出来事や人物の関連や意味を多角的に考え、それらをもとに議論したりする力を養う。そして、武士が現れたことによる世の中の変化について、主体的に学習の問題を解決しようとする態度や、よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度を養う。

単元の評価規準

知識・技能

絵画資料や文化財、地図帳や年表などの資料で調べ、必要な情報を集め、読み取り、源平の戦い、鎌倉幕府の始まり、元との戦いの様子を理解している。

思考・判断・表現

世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などから問いを見いだし、この頃の世の中の様子を考え、適切に表現している。

主体的に学習に取り組む態度

武士が現れたことによる世の中の変化について、予想や学習計画を立てたり、学習を振り返ったりして、主体的に学習問題を追究し、解決しようとしている。

単元の展開【1~5時】

1時 武士が現れる

・武士の館の想像図から、武士の暮らしの様子を全体で読み取る。

・館とその周辺に住んでいる人々の関係について全体で考え、地方や都で武士が現れたことを捉える。

平安時代の暮らしとの違いに着目しながら、武士が活躍した世の中について調べていく学習問題(例:「平安時代と鎌倉時代の違いベスト3を作成しよう。」)をつくり、学習計画を立てる。

平安時代の暮らしとの違いに着目しながら、個人で振り返りを行う。Xチャート【人々の暮らし】

2時 源氏と平氏が戦う

・全体で源氏と平氏の戦いを時系列で整理しながら、それぞれの戦いの経緯やエピソードを個人で調べる。

・個人で調べたことを班で共有する。

・源氏と平氏の戦いの結果、源氏が勝利して武士が政権を握るまでの流れを全体でつかむ。

・武士が力をもつようになった背景をつかみ、武士がどのような政治を目ざしたのか個人で予想する。

・個人で予想したことを班で共有する。

平安時代に力をつけた人々との違いに着目しながら、個人で振り返りを行う。(Xチャート【力をつけた人々】)

3時 幕府を開いた源頼朝

・鎌倉の地形的な特徴を読み取り、これまでの政治の中心地との違いを個人で考える。

・個人で調べたことを班で共有する。

・「ご恩と奉公」、「いざ鎌倉」という言葉に着目し、幕府と御家人の関係について班で話し合う。

・班で話し合ったことを全体で共有する。

・幕府の政治の仕組みや朝廷との関係を個人で調べ、鎌倉幕府の特徴を考える。

平安時代の政治との違いに着目しながら、個人で振り返りを行う。(Xチャート【政治の動き】)

4時 元との戦い

・元軍と日本の武士との戦いの様子を個人で読み取る。

・個人で読み取ったことを班で共有する。

・武士は何を求めて戦ったのか、幕府はどのように対応したのかを班で調べる。

・班で調べたことを全体で共有する。

・元との戦いの後、幕府と御家人との関係がどのように変化していったのかを班で考える。

・「まとめる」(P118)も活用して、本単元の学習をまとめ、学習を振り返る。

平安時代の東アジアとの違いに着目しながら、個人で振り返りを行う。(Xチャート【外国との関係】)

5時 まとめる

・学習問題とこの単元に出てきた4つのカテゴリー【人々の暮らし】・【力をつけた人々】・【政治の動き】・【外国との関係】について全体で確認する。

・前単元と本単元で作成したXチャートを比較して、「平安時代と鎌倉時代の違いベスト3」を個人で作成する。

・個人で作成した「平安時代と鎌倉時代の違いベスト3」を班で共有する。

・班で「平安時代と鎌倉時代の違いベスト3」を作成する。

・班で作成した「平安時代と鎌倉時代の違いベスト3」を全体で共有する。

・個人で振り返りを行う。(Xチャート)

情報を多角的に見て分類する

情報を多角的に見て、分類することができるツールとして「Xチャート」があります。本単元では「Xチャート」の4つの場所にあらかじめ視点(【人々の暮らし】・【力をつけた人々】・【政治の動き】・【外国との関係】)を設定し、毎時間の振り返りの観点として使えるようにしています。また、平安時代の学習でも「Xチャート」を作成したとき、設定した視点で平安時代と鎌倉時代を比較することもできます。

また、思考ツールを活用する際は、1枚のワークシートや1つの媒体に毎時間記入することが大切です。毎時間何を学び、何の学びを積み重ねてきたのかが子ども達の力になり、教師がそれを評価することができます。教師が評価したことを子どもにフィードバックし、さらによりよい思考に導くこともできます。

 参考出典

・教育出版「令和6年度版『小学社会6』年間指導計画・評価計画」

・社会科教育2023年6月号

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執筆者プロフィール

nanalalala

元小中学校教員。「思考を深める」(アクティブラーニング・思考回路図の活用など)、「安心して学ぶことができる」(ユニバーサルデザインを意識した授業計画・環境整備など)、「SST」「理解教育・インクルーシブ教育」などを意識し、教育活動・学習活動などに取り組んできた。現在は自身の経験を伝えるWebライターとして活動中。

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